 
 松浦晋也 about 2 years ago
 西村朗さんは会った事は無いが、作品の初演はいくつか聴いている。最後は2016年の「液状管弦楽のための協奏曲」だ。線の太い迫力で押していく曲を書く人だった。
 デビュー当時、黛敏郎時代の「題名のない音楽会」で、期待の天才新人3人ということで、高橋裕、吉松隆と並んで出演したのが、その名を知った時だったか。演奏されたのはピアノのトレモロ奏法使いまくりの「ピアノ協奏曲 紅蓮」だった。
 オケのホルン奏者だったかが「演奏してどう思いましたか」と問われ「天才の曲は天才にしか演奏できないんじゃないですか」とイヤミを言っていたのが印象深い。凡人にイヤミをいわれるなら、そりゃ成功は約束されたというものだ。