その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか/アグラヤ・ヴェテラニー
祖国ルーマニアの圧政を逃れ、サーカス団を転々としながら放浪生活を送る、一家の末っ子であるわたし。ピエロの父さんに叩かれながら、曲芸師の母さんが演技中に転落死してしまうのではないかといつも心配している。そんな時に姉さんが話してくれるのが、「おかゆのなかで煮えている子ども」のメルヒェン。やがて優しいシュナイダーおじさんがやってきて、わたしと姉さんは山奥の施設へと連れて行かれる――。
断片的な文章は反復を繰り返し、書かれなかった余白に言葉が残響する。全編にわたって詩のような雰囲気があり、古ぼけたフィルムを見ているよう。→
about 2 months ago