アンソニー・ドーア/藤井光訳『天空の都の物語』を読んだ。
素晴らしかった。「天空の都の物語」という架空のギリシャ小説を軸に、過去・現在・未来の物語が綾に結ぼれていく。それは『オデュッセイア』のように、“地の果てまで行って帰ってくる” それぞれの長い旅だ。どんなに過酷な境遇にあろうと、かそけし光となって心に灯る物語は誰にも奪えない。と、物語への賛美が全篇の底流をなす。
ビザンツ帝国の少女アンナや、〈アルゴス号〉の少女コンスタンスのパートが好きだった。
“ばかな人のなにが美しいかって、いつあきらめるべきかまったくわかってないところ” …希望を手放すことはかくも難しい。
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about 1 month ago