#読了 宮木あや子「官能と少女」
官能性と少女性がもつれ合う短編集。文章は簡潔で、透明感があり、きれいだった。どれも一人称で、「信頼できない語り手」もいる。冒頭の『コンクパール』が気に入った。店を通り過ぎる度、高価な宝石であるコンクパールを密かに眺める、という行為と、同性同士の密かな関係が呼応していて、きれいな短編作品だった。短編集全体として、なんとか生きている、という感情が読み取れる。<死にたい死にたい死にたい死にたい。通常飲んでいる抗鬱剤では間に合わず導入剤を六錠噛み砕き、一時間仮眠しようとベッドに転がる>(『モンタージュ』)。孤独な少女(少女の気持ちを抱える大人)は、懸命に生きている。
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