#読了 寺山修司「私という謎」
寺山修司のエッセイ集。芸術論から自叙伝、競馬に関するものまで幅広く収録されている。『にせ絵葉書』や『童謡』にある「贋作づくり」といった過去に虚構を加えて物語にしていく様や、『かくれんぼ』など、寺山修司の重要なモチーフが散見される。中でも僕が興味深かったのは『机の物語』である。寺山は机を持たず、喫茶店や中華料理屋を転々としていたという。
『机という「ものを書くための台」が製作販売されるようになってから文学者は書斎という座敷牢に自己監禁するマゾヒスティックな快楽の虜になり、街のダイナミズムから遠ざかってしまった』『机とは「在る」ものではなく「成る」ものなのだ』
6 days ago