批評理論の入門書の欠点は、わりとどれも共通していて、精読(が大事ということ)に言及しながらも、実際にどう読むことが精読なのかを説明しきれていないところ。そこはオリジナルな授業と教員の出番ということで、後期1年ゼミの初回授業で前期にやりきれなかった「精読」をシェイクスピアのソネットの精読ハンドアウトで教えた。内容がすべて通じたとは思わないが、精読という時間性がこの世にあるということ、言葉や単語ひとつひとつの手触りなり質感なり異物性なりの扱い方、そこからどのように問題提起をするかなどが少しでも伝わればそれでいい。
5 days ago