そういやアン・クリーヴス『水面の弔花』玉木亨訳(創元推理文庫)の題名を見たとき、連城三紀彦『戻り川心中』収録「藤の香」を思い出した。
『水面の弔花』は、犯人が殺人現場の水面に野の花を浮かべていた。そこにどんな意図があるのか、という話。
連城さんの「藤の香」は偶然の産物で、ある遺体を対岸の小島の墓に運ぼうと舟に棺を乗せてたものの、沖合で海が荒れ、そこでそのまま沈めてやった方が倖せではないかとそのまま海に投げ入れたところ、荒縄で縛ったはずの蓋がはずれてしまった。
《水底から棺桶の花が次々に浮かびあがり、海面いっぱいにさっと広がったかと思うと、それも束の間、波間のどこかへと消えていきました。》
19 days ago