「誠実な詐欺師」トーベヤンソン
北欧と思われる北国で、よそ者の髪、と呼ばれる漆黒の髪をしたカトリとマッツ、両親を失いふたりで生きている
姉のカトリは明晰な頭脳と無駄なことはひとつも言わない頑なさで、魔女と子どもたちに囃し立てられているが、彼女は弟のマッツに彼の大好きなボートを、何としてでも買ってあげたいという強い願いを持っていた
雪の世界の中で、風変わりな彼らの孤立する様、特にカトリが名前もつけずに連れ歩く、大きな犬との付き合い方も印象的
けれどこの村にも、たったひとりだけ実は彼女は誠実なのだと認めている人がいるのがうれしかった
不思議な、けれど読後に心ひかれる小説
私はカトリが好きだ
#読了
13 days ago