サラ・ブルックス『侵蝕列車』(川野靖子訳/ハヤカワ文庫SF)読了。1899年の北京発モスクワ行きの列車の中で起こるできごと。これは面白かった。シベリアは謎の生命体が生息する〈荒れ地〉と呼ばれる地域となっていて、そこを走る列車は特別な防御を必要としていた。ある事故の後、久し振りの運行再開となった列車は、〈荒れ地〉からの侵蝕を受けることになる。登場人物たちの中には、それぞれの特別な事情を隠しながら〈荒れ地〉の謎を解明しようとしたりする者も。その列車の中で〈列車の子〉ウェイウェイが無賃乗車をしている不思議な少女エレナを発見する……印象としては、蒸気機関車でソラリスの海を駆け抜けるような感じだった。
8 days ago