『海辺の一日』鑑賞。デビュー作から3つの時制を使った回想シーンという複雑な構成で、その後のエドワード・ヤンの全ての作品を胚胎している。『恐怖分子』以降の鋭利な形式主義に比べると、撮影監督のクリストファー・ドイルも含めて初めて長編映画なので普通の劇映画っぽいシーンも散見されるが、事件が起きた後の割れた器の破片が散らばる部屋を起点とする移動ショットや、夜の障子に映る影を使ったサスペンスなど、所々で驚くべき才能の端緒を見せつけられる。また、家父長制や資本主義化する台湾の社会と虐げられた女性の自立と連帯というテーマこの時代に取り上げているのは、今から見ても非常に先見的で脚本家の呉念真も評価されるべき。
10 days ago