🎥『Dear Stranger ディア・ストレンジャー』
真利子監督の以前の作品『ディストラクション・ベイビーズ』『宮本から君へ』は、内実にいかに揺らぎを抱えていたにせよ表面はシンプルな構造に見えてなんならカタルシスもある、支持されやすい映画としての顔を持っていた。
今回は違うね。段階的に強力さを増していくというプロセスは無く映画世界はただ流転し彷徨を続けていく。
彷徨が故に映画全体のリズムは良いとは言えない。疑いが新たな疑いを生むという構造では、曖昧で不可視のものごとがあまりに多いため観客が踏みしめるための地盤が弛くなり、やむを得ないとしても何か化かされたようなすっきりしない映画になったね。
2 days ago