札幌市教育文化会館では「教文能」と称して能の公演を行っているが、今日はその初日「熊野」を見に行った。能の一演目を通して見るのは初めてで、勢い関心は音楽の方に向く。オケは笛、小鼓、大鼓各1、合唱というか斉唱はバリトン6人という編成だ。オケの3人は謡いもして地謡同様、状況や心情描写をするといったところか。「熊野」でははじめは控えめだったが、宗盛邸を出て清水寺までの道行きから盛り上がり、熊野の舞いの場面まで活躍するのは明らかに演奏効果を考えている。熊野の謡いに地謡が応えるところは音楽効果として普遍的だなと思った。それにしても笛の鋭い一吹きは会場の空間全体を切り割くような効果があって強烈だった。
27 days ago