いま話題のフィンランドの吊り目の話。発端となった女性を擁護する同国の一部の人が「これは人種差別ではない」と言い張っているのをみると、「差別である／差別ではない」の決定を「する側」に委ねてしまうと、その基準が異様に甘くなってしまうことを示しているような。

マイノリティの人々が自分や困難を表すための言葉を原義から離れた使い方で面白おかしく消費したり意味を汚染するのはやめましょう、というシンプルな話。 マイノリティの生活と“おもしろミーム”を天秤にかけている時点でおかしいということに気がつけるといいですね。

BLとして作られたものを「これはBLではない」と肯定的な文脈で批評することを批判するのは分かるんですが、少なくとも制作側がBLとして作っていないものを「BL作品だ」と言うことにも問題があるということは認識したほうがいいんじゃないですかね。当事者表象を非当事者が消費の文脈で簒奪するという構図になるので。

批判するのも否定的な意見を書くのも自由だけど、事実を歪曲したりアテンションエコノミー的な書きかたはするべきではないと思う。 公式の情報は以下リンクにあり。 tokyorainbowpride.org/news/2025112...

発言の問題を指摘されたとき「誤解を招いて申し訳ありません」と言う人いるけど、日頃自分達が批判している言葉遣いややり方を批判される側になったときにしてしまってることについてどう思っているのか気になる。 表自批判しているフェミニストのBLファンが批判されたとき表自と同じことを言い出すのもそうだけど、意識しておかないと普段見聞きしている「批判弁明しぐさ」が出てしまうのかな。

「誤解を招き申し訳ない」　政治的謝罪もどきに言語哲学者が抱く危惧 www.asahi.com/articles/AST... 一つの帰結として、「言葉がダメになる」事態が想定されるといいます。 「たとえば『真摯に受け止める』という言葉は政治家たちに濫用されてきた。そう口にするけれど、結局行動には反映されない。こうした事態をたびたび目の当たりにすることで、今や私たちは、その言葉を聞いても、真摯に受け止めることはないんだろうな、と思ってしまうのではないか。これは、『真摯に受け止める』という言葉が、本来の約束の言葉として機能しなくなりつつある、つまりダメになりつつある、という事態だ」

（タイトルからしてものすごい方向性のはっきりした連載だけど）買春規制について語るのであれば、施行後のフランスではセックスワーカーが街中で仕事できなくなり森の中でより危険な行為をせざるを得なくなっている…という状況に規制推進派団体はどう対処しているのかも併せて取り上げてほしい。 www.news-postseven.com/archives/202...

（実害のある言葉の使い方は控えるべき、という批判を“取り締まり”と呼ぶ感覚もよく分からないが）そもそもそのような言葉遣いを楽しんでいる人を"取り締まる"ことなど不可能だし、実際取り締まられている様子もないですね。

私もそう思いますよ、この数年のネット上でトランスジェンダーがここまでデマにまみれたバッシングをされ人格や人権を否定されていなければね。 こういうくだらないミームによって人々のトランスジェンダーに対する認識が歪んでいっても現状それを是正することは難しく、また容易にトランス差別の流れに棹さすことになる状況なので。

セクシャルマイノリティであることをお気に入りのキャラクターや自分に貼り付けるステッカーのように扱う人とは関わり合いになりたくないものだけど、そういう人ほど“クィア”を名乗って自属性以外のセクシャルマイノリティに言及したりしてくるんだよな…

以前見てたLGBTフィードも『ゲイ』という単語で捕捉された投稿はBLファンの「萌え語り」みたいなものがほとんどで、しかも消費的だったり差別や偏見が含まれているものが多くて嫌になってしまった。

二次創作やオリジナル創作で薄っぺらく『設定』としてセクシャルマイノリティ属性を付与することを"マイノリティ表象"だと思ってる人いるよね。

「あなたたち、セクシャリティやジェンダー・アイデンティティのことを“萌える属性”くらいに捉えてやせんか？」と思っちゃう投稿が増えた気がします。 興味や認知をもっていただくことは、まったく知られないことよりはよいと思うのですけれども、実際にその属性を理由に人権弾圧や差別を受けている人々がいることを忘れないでね。 「“セクマイ”萌える～おいしい～」と思うのは自由なので、少し深く知って、実際にいる人たちのことを踏みつけないように気をつけてね。架空の種族とかじゃないので。

どこからも文句のつけようのない完璧な表現など存在しないし、あるマイノリティのための表現が他のマイノリティを周縁化してしまっているというのも珍しいことではない。批判自体はそれなりに妥当性があるものだったし、作者でもない周囲の人間があの程度の指摘すら受け止められないのはちょっとナイーブすぎるのでは。

『AはアセクシャルのA』のタイトル批判（客観的に見ても不躾でもなく丁寧に「伝える」という形だったと思う）について、差別だと言い立てて作者を攻撃したかのような反応をしたり批判した人に暴言を投げかけている人たちは自分が何をしているのか立ち止まって考えたほうがいいのでは。

「全ての差別に反対」って、『全て』とはどの範囲を指すのか（当人が『全ての差別』を認識できているのか？）や『反対』とはどのようなことを指すのか（口で反対と言うだけでなく具体的なアクションをとれるのか？）など、実践するにはかなり難易度が高い目標だと思っている。 もちろん“心がけ”としては立派だけど、個人が掲げるスローガンとしては大上段に構えすぎて実質何も言っていないような表現になってしまっているので、もう少し具体的に「差別や偏見に意識的でありたい」くらいから始めても良いのではとも思う。（何を掲げようが自由だしあくまで個人的な感覚）

「全ての差別に反対」って自分の差別的な言動を指摘されたときに素直に改めることも当然含まれると思うけど、この言葉を掲げている人でも自分の過ちを指摘されてきちんと応答できない人ちょくちょくいて、する気がないことは書かないほうがいいのでは…と思ってしまう。 そういう使い方をすることで言葉が軽薄なものになってしまうし。

セクシャルマイノリティの困難を実話のように書いた創作話のポストを見かけたけど、「人の感情に訴えかけて目的を達成できるなら実話のように見せかけた虚構でも構わない」という考えはかなり危ういのできちんと創作であることがわかるタグなりつけたほうがいいと思う。

「創作上で他人同士がセックスする様子を楽しむ」も性欲のありかたのひとつであるはずだけど、BLファンの人々のふるまいを見ていてそういった欲望に意識的な人は少ないなと。 いまだに女性が性的なことを楽しむことへの抑圧が根強いということも関係していると思うけど、特にここ数年のリベラルを自認するBLファンは「クィアへのエンパワーメント」や「ゲイに対する偏見を改善する」など建前を掲げて自身の欲望を透明化しようとする傾向にあることは気になっている。

BL愛好は自分が性欲の当事者にならないというだけで、"萌え絵"（現実の女性と乖離した表象）に性欲をぶつける男性と基本的に構造は同じなんですよね。萌え絵好きでエンパワーされる女性も中にはいるでしょうが、それによって歪んだ女性表象を消費するファンダムを正当化することはできないですし。

性的嗜好をコントロールすることはかなり難しいし、加害性が強めのものであっても法や倫理と折り合いをつけながら付き合っていくしかない。そして加害性のある性的嗜好であってもそれ自体は責められたり罪に問われるようなことではない。 （上記は前提として）ある嗜好を「キモい」と言うとき、そこには「キモくない」嗜好の存在が示唆されるが、その「キモさ」の判断が規範に依るものでないかは一度立ち止まってみる必要があると思う。 他方で、ある嗜好の対象とされた当事者が向けられた性欲に対する不快感として「キモい」と表明する自由はあるだろう。

「物語内でヘテロがセックスしているのに非ヘテロはセックスしていない、バランスを取るためにするべき」と書けばポリティカルコレクトネスのようだけど、ゲイ当事者としては非当事者がゲイの登場人物のセックスに執着している様子はわりと気持ち悪い。願望を持つのは自由だけど、さも当事者のためかのように正当化しないでほしい。 （『エクソシストを堕とせない』の感想について）

差別に反対という顔をしながら実際他のクィアの足を踏んで指摘されても認めない“クィア”当事者をBlueskyでわりとよく見るんだけど、保守右翼の差別者とは違った気持ち悪さがある。

なので、一人のストーリーに寄りかかることの危険性は、やはり意識されるべきではないか。 もちろん、みながこういう姿勢をとることで、本当に被害に遭った人の声を封じ込めてしまう可能性はある。それを防ぐためには、複数の当事者から話を聞き、多角的に判断できる立場の人に頑張ってもらうしかない。 問題は、それは誰なのか、ということなのだが。

何かの出来事について、ソーシャルメディアのように人目につくところに意見を書いた時点で、その人は中立的な観察者というより当事者の一種になる。その出来事がでっち上げだったと判明しても、それを「認めたくない」という心理になってしまうからだ。 だから、一方の当事者の声しかないような出来事については、基本的に距離を置いたほうがよい。 これは個人的体験に基づくのだが、問題が発生したとき、その当事者は（おそらく）意識すらしないままに自分にとって都合のよいストーリーをつくってしまいがちだ。結果、当事者間のストーリーをすり合わせると、矛盾するところがいくつもでてくる。

差別的だったり偏見を煽るようなことを書いてしまったことに気がついたのなら、まず元の投稿を消すなり訂正するなりしてほしい。その投稿を目にする人がいる限り当事者に不利益が及び続けるので…

共感するなとは言わないけど、それを属性が同じだけの他人に投影したり共感だけで連帯していないかは常に警戒しておきたい。"共感の連帯"にはもう懲り懲りですよ。

「"あいつら"にこんな［過激な主張］をされました」系の投稿は元発言のソースが無い限り鵜呑みにはできないし、どのような人々が“あいつら”に含まれているのかにも留意が必要だと思う。投稿者の認知が歪んでいる可能性は常にあるので…

自分のトラウマ的経験を他者に投影してはいけないし、批判と自分のトラウマ的経験は切り分けて語るように心がけたい。

ノンバイナリーはミスジェンダリングされることがあまりに多いのでそのように見えるコミュニケーションを見ていてモヤっとする気持ちはまあ分かるんだけど、ノンバイナリーといってもPronounceはじめ在り方は人それぞれなので当事者のスタンスをよく知らない外野が勝手にジャッジして批判するのもまた本人の性自認を尊重する態度とは言えないのでは…と話題になっていたこのインタビューについて思うなど（宇多田本人のPronunceは she/theyだし）。 natalie.mu/music/pp/yon...

LGB/TQ+ 分離主義は素朴に信じてる人もいるけどほとんどのLGBTコミュニティで否定／反対されているし、性的マイノリティの権利という面ではコミュニティを弱体化させる有害な言説という認識をされていると思う。

・現在のトランスバッシングはLGBTバッシングの新しい形式の一つに過ぎず、そのレトリックはひと昔前のゲイバッシングの流用である。これを是とするならば、そのレトリックは容易にゲイバッシングに再利用される。 ・ドラァグクィーンや中性的な同性愛者は既にトランスヘイトの標的になっている。トランスヘイターは非規範的な同性愛者とトランスジェンダーの区別をしない。LGBTQコミュニティを攻撃する口実としてトランスジェンダーを持ち出している。 …分離主張の旗振りをしている当事者はそもそも『アンチLGBTQ』で、同性婚にも反対していたりする。注意。

・「私達は"良い"マイノリティだから認めてください」とマジョリティからお目溢ししてもらう作戦は上手くいかない（マジョリティはいつだってマイノリティから『存在しないホコリ』をはたき出すことができる） ・（そもそも現在のトランスバッシングも『存在しないホコリ』であるが）「あいつらとは違う」を是とするとBやL、Gで同じことが起きたときにそれを繰り返したり逆にパージされることでコミュニティが分断され弱体化する。それはLGBTQを快く思わない人々にとって非常に都合が良いことである。

「LGBとTQを分けろ」という主張を信じそうになっている人に言っておきたいのは、 ・どうやって“分ける”つもりなのか？既に概念としてそれぞれ分かれているからこそLGBTQと表記されているわけだが、さらに「私達は『別』の集団です」と主張するのならばコミュニティを同じくしていることにも矛盾が生じる。コミュニティをシスとトランスで分けることは昔も今もされてこなかったし、実際問題としてこれからも不可能。 ・あなたが想像以上にコミュニティにTQの人は存在していて、コミュニティを形成する力になっている。トランスの同性愛者はもちろん、同性愛者コミュニティにいる人がトランスすることも珍しいことでもない。

LGBT（Q+）は連帯のための言葉だと理解すれば良いと思う。 たとえば『婚姻の平等』などゲイやバイ、レズビアン、トランスジェンダーにとって共通のイシューに対して連帯して運動したほうが効果的であるし、ゲイコミュニティやレズビアンコミュニティはバイやトランスジェンダーも内包していたりする。 つまりコミュニティとしてもきっちり分かれて存在しているわけではなく実際は様々な人がおり、『自分の所属するコミュニティの仲間』のために運動するということは必然的に他の属性のために運動することにもなる。

LGBTという言葉でゲイやレズビアンとトランスを混ぜるな、ごちゃごちゃにするなと言ってる人へ： 誰も混ぜとらん、混ぜとんのはお前だけ

結局こういう人の言う「混ざっている」って具体的に何を指しているのか不明なんだけど、報道内で混同したり一緒くたにバッシングしたりというマジョリティ側の問題を「LGBTと並べるからだ！」と責任転換してるケースも多い。あとは別々に問題を語っているのに自分が混同していたり…

加えるも何も、昔はそれこそ同性愛者コミュニティとトランスコミュニティはほぼ重なっていたのが近年分かれてきたというのが歴史なんだけど…（大昔のゲイパレードにもトランス当事者が大勢参加してるし） 元々マジョリティから『変態』で一緒くたにされていたものをそれぞれ別のものと説明した上で、同じ困難や差別に向かって連帯するための『LGBTQ+』。 （というか今も同性愛者コミュニティでトランジションする人は珍しくないし、昔から混在しているコミュニティを“分けろ”って…どうやって？）

女性や外国人やトランスの問題を批判する文脈のSNS投稿がデマだらけだったら、さすがに何かおかしいと思わないのだろうか。その対象に本当に問題があるのならデマや誇張などせず事実を取り上げれば良いだけなのに、なぜ事実を歪めたり読む人の感情を煽るような書きかたをしなければいけないのか。

女性にも妊娠や性暴力を偽って相手を陥れたり、他のマイノリティに危害を加えたり、口汚く罵ったり、人に迷惑をかけてもなんとも思わないような人はいるし、それに加担する医師もいる。 しかし、そういう女性がいるということと女性という属性全体やその権利を尊重することは全く別の話。「こんな酷い連中の属性は信用できない」と思う内心の自由はあれど、主張の論理的妥当性を担保するものでもなければ公の場に発信するべきでもないただの『偏見』でしかない。

『BLと当事者表象』について意見するBLファンは『ヘテロ向けレズビアンAVの愛好者が同じことを言っていても同意できるのか』と自問してセルフチェックしてほしい。（ファンダムの構成などから見てBLと対になるのは百合ではない）

“マイノリティ表現消費、消費の対として供給する側のモラルを問う論もあるんですよね？障がい文脈で使われる“感動ポルノ”の話などの論も把握したうえでの消費批判ですよね？わたしは供給する側の責任の方がでかいから供給する側に文句言おうぜ派です。” と以前“クィア”のBLファンがポストしていて 、マイノリティの尊厳に関わる問題をこう言えてしまうのか…と思ったが、BLファンダムでは公の場で消費的な文脈の『妄想』を公開することが他の消費者への供給になっているという現状と、それがBLではない当事者表象でも起きているということも自覚していないのかと驚いたんだよな。皆さん自分の好きなものには甘いよね。

『ガスライティング』『ジェントリフィケーション』『No means No』などの問題提起のための言葉を自論の補強のために本来の意味から歪めて使うリベラル志向の人間は実在するので…主張やスタンスがリベラルだと流しがちだけど、起きてることは『ポリコレ』誤用と大差ないのであまり放置しないほうがいいと思う

ある対象と事象を結びつけることに執心して肝心の対象と事象の関連性が思いつきレベルのまま“問題提起”している人、リベラルにもいるし気をつけたほうがいいと思う。

このポスト、えらく批判されているけれども、言っていることは非常にまっとうだと思う。なんらかの思想的立場（それはフェミニズムだろうとアンチフェミニズムだろうと同じ）に立脚して、そこから一方的に対象となる作品を裁断する書き方は基本ダメ。 だから、仮にぼく自身が賛同する立場から書かれた「分析」であっても、その手のやつは非常に退屈。分析対象とちゃんと向き合わず、作品の外側から持ち込んだイデオロギーで書いているから、結論が最初からみえてしまう。言い換えるなら、その作品を題材にしなくても書ける分析はダメだということ。

「LGBとTの問題を同列に語って同性愛者をトランスバッシングに巻き込まないでください」って分かりやすい分離主義だけど、トランプ政権下で同性愛者の権利が縮小しつつあるのは“トランスバッシングに巻き込まれてしまったから”ではないんだよな。

性別欄の男女どちらかに丸をつける、"たったそれだけ"のことができなくて何年も病院に行けない。 出生時の性別を回答したら、診療を拒否された。 トランスであると知られた途端、医者の態度が変わった。 こういう話は当事者の間では珍しくない。 データで明らかな受診率の低さが示されているにも関わらず、トランスジェンダーが医療から遠ざけられているという生死に関わる問題を「当事者の心理的な問題」に矮小化するのはやめてほしい。トランス当事者にとって問診票の性別欄記入は気持ちの問題（だけ）でなく、現実的に医療をまともに受けられるかどうかの話でもある。

@laviamoll97.bsky.social まず身体的な治療をしているトランスの人の身体は一般的なシス男女の身体と大きく異なりますし、出生時の性別を伝えることによって（性別が関係ない診療でも）診療拒否されたりアウティングされることがあるため当事者は医療を受けることに慎重になりがちです。 性別欄に男女以外の選択肢を設けることによってトランスジェンダーを想定していることを示し、詳しく問診するための手がかりにするための施策であって「気持ちや心の問題」というわけではありません。 www.medical-tt.co.jp/2819

相手の発言を直接参照せず“意訳”した上でエアリプで言及するふるまい、一人の人間を通すだけでこれだけ情報を歪められるのかと驚くことがある。

『クィア』は多くのものを包括する概念だけど、近年はその曖昧さが都合の良いように使われがちなので正直なところ身構えてしまう。