メアリー・シェリー(著)小林章夫(訳)『フランケンシュタイン』
本書の帯にはホラーとあるのだが、本作はホラーと言うよりも「悲劇」。
生理学に魅せられたフランケンシュタイン(博士)は研究の果てに醜い人造人間(怪物)を生み出してしまう。
怪物は他者からの愛を求めるものの醜さゆえに拒絶され、やがて自らの創造主に対する憎悪に染まっていく。フランケンシュタインは怪物に愛を与えることを拒否した代償として、怪物によって自分の愛する者たちが次々と殺されていく。
求めるものを得られない苦しみ、愛する人と別れる苦しみなど、人類普遍の苦しみを描いた作品だからこそ読み継がれている作品なのだと感じた。
#読了
about 5 hours ago