倒れても 倒れそうでも 起き上がる だるまのような そのひとの名は #短歌 #tanka

我れ先へ なだれ込む人 閉まるドア 不在のホームに 置き去りの靴 #短歌 #tanka

帆を広げ 机に乗り込み いざ海原へ 教科書たちに 託した午睡 #短歌 #tanka

檻の底 遠く隔たる壁越しに 絶えなく渦巻く メンランジュの喧噪 #短歌 #tanka

泣きたい夜 硬めに仕上げた カップ麺 ラー油よ 世界を塗り換えたまえ #短歌 #tanka

ゆるい熱 柔らかく溶けて 煮崩れて 指先に残る甘さと ナパージュの光 #短歌 #tanka

逆さまに 流れ落ちてく砂時計 インヘニオで いつかを待つ鳥たち #短歌 #tanka

ひとり、ふたり だぁれもいない 夕暮れに ブランコのかげ 赤い靴 ぽつり #短歌 #tanka

一年に一晩限りの 鈴よ 鳴れ 北の果てから 旅立つ 聖ニコラウス #短歌 #tanka

甘いもの からいものも 皆飲み込んで 指の先から とろけて 落ちて #短歌 #tanka

名付けられた エーテルの群れ 空を泳ぐ 引き合えば ほら 痛いほど眩しく #短歌 #tanka

柔らかに 微笑むひとのおなかにも わたしと同じ 石がゆらゆら #短歌 #tanka

ぽつ ぽつり 椿落ちたる冬の庭 つわものどもの 夢の亡き後 #短歌 #tanka

どこへゆく？ かぼそい両手を握り合い 見知らぬ駅で 海を眺めて #短歌 #tanka

くたびれた 満員電車の 吊り革に 翼が生えれば 銀河鉄道 #短歌 #tanka

一人では 出来ないものは なぁんだと 合わせ鏡に 謎をかけて #短歌 #tanka

ハンドルも ブレーキもない 乗り物が 坂を下りてく わたし 置き去り #短歌 #tanka

大声で 泣いて泣きじゃくって 思い出す わたしもこうして 生まれてきたこと #短歌 #tanka

帰りみち 今日のノートと同じ色 塾帰りの月 こぼれ落ちる数式 #短歌 #tanka

痛みの名を 二月のたまごに吹き込んで 庭の片隅 見つかりませんように #短歌 #tanka

11/23 文学フリマ【C-12】でお待ちしています。 新刊は「さようなら 地上最後の一日よ」 unicoの個人短歌集です。 ※当日は事情により、14時頃までの滞在となる予定です。

一年間少しずつ書きためてきた短歌の本ができました。 一年かけて詠んだ中から選び抜いた百十一首。失われてゆく日々と、消え残る感情の記憶。これは、終わりに向かう言葉の遺稿集。 さようなら 地上最後の一日よ 11/23 文学フリマで頒布予定です。

11/23 文学フリマ【C-12】でお待ちしています。 新刊は「さようなら 地上最後の一日よ」 unicoの個人短歌集です。 ※当日は事情により、14時頃までの滞在となる予定です。

しっとりと していた土が 懐かしい 風に吹かれて 綿毛が囁く #短歌 #tanka

なぜかしら どうしてかしらと 空に問う 少女の呟き うすべに珊瑚 #短歌 #tanka

月曜の 朝のラッシュに 捨ててゆく 昨日までいた 裸足のわたし #短歌 #tanka

一次創作名義のInstagramはじめました　たまに短歌よむだけ www.instagram.com/tampopo_no_u...

仄白く 凍えた君の爪先に 淡く輝く 星々のともしび #短歌 #tanka

(((((((((´-д-)ｵﾔｽﾐﾅｻｲｼｨ

誰も彼も フロアで ゆらゆら揺れている 音の洪水 寄せては返して #短歌 #tanka

振り切って 絡げて飛び出し ヘイ、タクシー！ 連れていってよ 別の未来へ #短歌 #tanka

目に見えず 耳にも届かぬ時の音 おぼれる言葉の 狭間をさまよう #短歌 #tanka

数光年 テラフォーミングの 夢うつら 紅く秋づく 色深し矮星 #短歌 #tanka

不正カナ 矯めつ眇めつしてみても どれも我が身に 覚えある額 #短歌 #tanka

この街に しかしもかかしも ないなんて 探しに行くわ 路地の果てまで #短歌 #tanka

金木犀 酒に浮かべた叔父とまた 土の下にて 秋を愛でつつ #短歌 #tanka

トランプが舞い散る裁判 女王と歪んだ鏡像 真っ赤なお茶会 #短歌 #tanka

絶え間なく 焼き上がってく ナンの群れ カレー絡めて 蠕動する腸 #短歌 #tanka

秋尽きて すすき野原の穂の陰に いのち終わりし 蟷螂いっぴき #短歌 #tanka

とかいうことを考えている。

人は自ら意識もしていないような複数のアイデンティティによって構築されていて、身近な人を突然失うと自己存在そのものが揺らぐのはその構築されているアイデンティティ自体も崩壊して、取り戻せなくなるからではないか。

滑走路 手を振る人に またここで 再会の約束 ハンドサイン #短歌 #tanka

自販機に 銀の男が奔ってく 喉に泡立つ ペンバートンのレシピ #短歌 #tanka

膨張していく 宇宙の音を聞くたびに おそろしい暗闇に呑まれてく そんなような気がするんだ

呑み下し シュヴァルツシルトが 残響す 終わりの星々 最後の雄叫び #短歌 #tanka

ミサイルが すべて花火に変わる日に 瓦礫は街に戻るのでしょう #短歌 #tanka

瞬いた音が ぱちんと消えるたび どこからか聞こえる おわかれのピアニカ #短歌 #tanka

お嬢さん お入りなさい 揺れる大縄 きつねたちが誘う 夕暮れ #短歌 #tanka

なぜひとは生きるのか。 生きているひとびとはこれからもきっと問い続ける。 幾度だって何度だってさまざまなかたちで。

一年間少しずつ書きためてきた短歌の本ができました。 一年かけて詠んだ中から選び抜いた百十一首。失われてゆく日々と、消え残る感情の記憶。これは、終わりに向かう言葉の遺稿集。 さようなら 地上最後の一日よ 11/23 文学フリマで頒布予定です。