「ゲンロン18」で白岩英樹先生の「怒りの葡萄」についての論考「あなたがいま、ここいにいないから、わたしはどこにでもいく」を拝読。社会の「主流」から排除された人間が、「こんな世の中、こっちから願い下げだ」と喝破し、連帯することの強さを思う。「弱き者」の紐帯の前に「主流」はもはや主流として取り繕うことはできず、見かけの「強さ」は弱さと暴露される。価値観の逆転が現実に結びついた時、葡萄は「カネもうけ」の手段ではなく、本来のみずみずしい果実としての価値を取り戻すのだ、と感じた。
短い文章のうちに、いろんなことを感じさせてくれる論考でした。
6 months ago