最近読んだ本
・ビリジアン/柴崎友香
ティーンエイジの記憶を行ったり来たりしながら、言葉にならない何かを言葉で紡いでゆく中編小説
自分が十代の頃、正体不明の何かが常に爆発寸前だったのを覚えている
楽しい癖に傷つきやすくて、たくさんドアがあるのに全部が閉ざされているような苦しさ
あの感覚は強弱こそあれどきっと誰もが同じ
初めはいかにも学生がとりとめもなく書き散らした日記のような文体が、段々と形をなして鮮烈になってゆくさまはどこか痛ましくも美しい
時折挟まれるロックスターとの会話は、主人公にとって必要な架空の真実なんだ、と気づいたとき、あの頃の寄る辺なさが甦って泣きそうになった
#読書メモ
2 months ago