自分に自信がない私は、君のことをもう少し好きでいてしまうと思います。君がくれた自信を忘れられなくて。けれどもう、それは自分で育てなければならないものだと知っているから。自分の泣いている心の親に、私はなります。どうしていいか分からずオロオロしたり、一緒になってメソメソしてしまう不器用なそれだけれど、下手くそでも下手くそなりに、育てていきますから。

うっかり昔のような感覚で話しかけてしまって後悔した。恋人として終わってしまったけれど、友人として続いている私たちは、もう何も踏み込んだ話をする資格がないのに。核心を撫ぜて追い縋るような言葉を、無自覚に零してしまった自分が、相手の冷めた視線に射抜かれて、身の程を知る。報われない感情を抱えて生きているのはつらいから、いっそ自分の中にある見えない臓器を刺して潰してしまいたいのに、その透明な心臓は、私の紡ぐ言葉の泉となっている。

過去の写真を眺めていると、気持ちが当時に戻ってしまうことがある。意識が今から過去へ、水底へとゆっくり沈んでいくように。ピントの合わない滲んだセピア色の世界は温かくて、自分の輪郭が溶けていくよう。けれど同時に、もう戻ることのない苦味が突きつける、救いのない淋しさに息ができなくなる。それでも、今の私は自分にこう言えるようになった。「思い出は、君を此処に縛り付けるためにあるのではないよ。君が歩んでいくために此処にあるの」と。それで思い出す、自分の息の仕方を、その輪郭を。

「初恋」という品種のキャベツの種を撒いた。かわいい名前だけれど、なんだか実る気がしない。

夢を見た。目まぐるしい群像劇の夢。すべての登場人物に事情があって、心があって、だから上手くいくこともあれば、上手くいかないこともあって。夜闇の中にオレンジ色だけの花火があがる遊園地、観覧車の前で叫ぶように誰かが言った「助けてくれたのは貴方なのに、どうして私を傷付けるの」という台詞が印象的だった。続きが思い出せたならまた今度…

言葉は難しいなと思う。どれだけ考えても正解はなくて、だから自分なりの答えを言葉にするのだけど、伝えた途端不安になる。もっと違う言葉はなかったのかとか、言葉が足りてないんじゃないかとか、余計だったんじゃないかとか。相手が優しい人だから、たくさん、たくさん考えてしまう。

気にしていないと口に出すことすら必要ないの、本当に気にしていないのなら。

自分の心の軸をしっかり持っていないと、簡単に目の前の誰かの感情に呑まれてしまう。「そんな有り様で誰かに寄り添おうだなんて無責任だ」そう言われてから、人の心に触れるのが怖くなった。自分が今までしてきたことは、傷を撫でるつもりで広げていただけなのかもと。

「好きになってもらえた瞬間、好きになってもらえるところがあっただけいいじゃん」 友人が言ったひとこと。人間関係って、続かないことに悲しみを感じるのは当然だけど、「一瞬でも通じ合えたこと」の価値をちゃんと見られるかどうかで、その後の心の持ちようが全然変わる。そういう受け止め方ができる人は、たぶん強いし、でもその強さはたくさんの痛みを経て培ったものなんだろうとも思う。

夢は毎日見ているのに、この１週間ほどはその内容がほとんど思い出せない。目覚めてボーっとしている数分で記憶が手の届かない場所にしまわれてしまう。そうして残るのは、とても曖昧な印象だけ。慌ただしかったことと、何かを必死にやろうとしていたことだけを、何となく覚えている。

昨夜は夢で急にたくさんの旧友たちに会った。みんな立派になっていて、私だけ成長していないような不安を隠すように笑って、この人たちは今の私をどう思うのだろうかと怯えながら、肯定も否定もしない彼らに感謝と淋しさを覚える夢。

昔親しかった人からLINEが来る夢を見た。今どこで何をしているのかも分からないその人の記憶から、きっともう私は消え失せていて、もし残っていたとしても、それは優しかった頃の私の虚像で。LINEを開いてみても、送る言葉は見つからなかった。

「自分ばっかり」と思っている時は、大抵周りが見えなくなっている時。相手の気持ちも事情も無視しなければならないほど、自分が傷付いてる時。そんな自分を落ち着かせる方法をたくさん探しておきたい。落ち着いた心でないと、相手のことも自分のことも優しく見られなくなるから。

誰かとうまくいかなくなる度に、自分が嫌になって落ち込むのだけど、私が経験している今の失敗たちは、相手や自分が明確に悪いのではなく、とてもグレーな部分…価値観や距離感、期待と現実のズレみたいな悩みで、なんというか、人と付き合うことの本質を問われているような気がする。

わざわざ苗を買って育てたスイカがあんまり美味しくなかったのに、去年スイカを落として割ってしまった場所から芽が出て勝手に育ったスイカが美味しかった。人生だと思った。

誰かと仲良くなるには、まず自分と仲良くなる。最近ようやくその言葉の意味が分かった気がする。自分のことを許せなかったり嫌ってたりする人は、生きてるだけで常時心を擦り減らしてるから、自覚があってもなくても、いつもイライラしてたり不安だったりする。その状態で自分と違う誰かを受け入れるのは難しい。違う価値観を否定せずに見るっていうのは、余裕がないと出来ない。それを擦り減った状態で無理してやると、さらに負の感情が加速してしまう。だから、まず自分と手を繋ぐ。どれだけ気に入らなくても、本当に少しずつでいいから。それが出来るようになって初めて、安定した人間関係の基礎が作られるのだと思う。

私を苦しめていた君との思い出は今、こんな私にも確かに至福と呼べる瞬間が存在したという証明になった。だから、ありがとうと思う。自分の感情を見つめること、執着から手を離すこと、それらを教えてくれて。すべてがうまく回りだしたわけじゃない。心の回路が美しく簡潔になったわけでもない。私のそれは今も馬鹿みたいに複雑で醜いけれど、少しだけシンプルな部分も生まれた。そんな感じ。その微かな部分があるのとないのとでは、やっぱり世界の見え方とか人の見え方が変わるんだよ。

楽しいほどに、嬉しいほどに、忘れられていく思い出が鋭利に胸を刺すものだから、君から贈られたものすべて、燃やしてしまおうと思った。そうしたら楽になれると思ったから。けれど私はこんな時でさえ行動力がなく、それらはダンボールに詰められて押し入れの深くにしまわれた。 しばらく時間が経った頃、私は自分の精神の核が形を変えていることに気付く。それは心の傷を癒やすための変化なのか、隠すためのそれなのか。分からないけれど、それでもあの頃とは違う感情を胸に抱けるようになった。

お別れを言えなかったお別れは、記憶に刻まれやすいのかもしれない。いつかまた再会するからそれを言われなかったのか、それを言う労力すら惜しまれたのか。当時は「自分ばかりが覚えているなんて不公平！」なんて思っていたけど、少しだけ俯瞰と客観視を覚えた今は、それもまた仕方のないことだと分かる。自分と相手は違う人間で、違うペースで生きていて、違う方向を見ている。それがたまたま重なった瞬間があっただけ。その瞬間が、どうしようもなく楽しくて嬉しくて、惹かれてしまった。それはまだ、愛にはなれない恋だった。

自分の限界で、他人を傷付けてばかりの、自分勝手な人間だったな、わたし

遠過ぎたら見えないから近付いたけど、今度は近付き過ぎて見えなくなってた。バランスよく視るって難しい。

傍にいることも愛だけど、離れていることも愛だった。人間って、複雑なの、とても。

本当の笑顔が今は難しくとも、いつかまた、自然と笑えたらいいと思う。

善意も受け取る側の状態、関係性によっては、悪意にも敵意にも見えてしまう。純粋な善意も苦しくなる時がある。有り難いけど、今は触れないでと思う。

誰が悪いわけじゃない。ただ、みんなしんどかっただけ。ただそれぞれが自分の心の限界と戦ってただけ。

SNSで誤字するとすごく恥ずかしい…

人は誰しも、自分を正当化してしまうものだと思う。でもそれを積み重ねていくと、いつかどこかで向き合わなければならない時が来る。これは、過去の自分に向けての言葉。自戒として、心にとどめておきたい。

君の言葉を聞かせてくれてありがとう。私の言葉を聞いてくれてありがとう。ずっとそう出来なくてごめんね。弱い私のままでごめんね。

今は誰かと親しくなることがしんどい。相手を気遣えるだけの余力がないのに、気遣われるばかりでは苦しいから。なんていうか、今の自分は空っぽになったバッテリーのような状態で、充電にひどく時間がかかってる…そんな感じがする。いつ終わるのか自分でも見当がつかない。今私に出来る人付き合いは、ただ友人を見守りながら、ときどき声をかけること。声をかけられたら、短く返すことが精一杯。素っ気ないと思われるだろうけど、気持ちは込めてるんだよ。

久々に学生時代親しかった友人の夢を見た。最近疲れているから、あの頃が恋しくなったのかもしれない。しがらみは多かったけれど、今ほど義務に縛られていなかった、無邪気に好きなものを追いかけられたあの頃が。友人とは年に数回のLINEを交わす程度で、都会に暮らしているということくらいしか知らないのだけれど、今日も元気に笑ってくれていたらいいなと思う。たまには電子機器に頼らずに暑中見舞いのハガキなど送ってみようかと思ったけれど、住所は知れないのだった。

大好きだった人のこと、今も好きなような気もするし、もう好きじゃないような気もする。感情はゆらゆら揺れて、画面越しにしかもう見られないその人の笑顔がやっぱり好きで、でもだからこそ少し、胸が痛む。私はきっと、この人の幸せを苦痛を伴わずに喜べるようになりたいんだと思う。

好きな人のことも、好きだった人のことも、自分のことも、考えすぎて、もう、つかれた

自分を、光の差す方へ伸びていく植物のように思う日もあれば、誘蛾灯に引き寄せられる虫のように思う日もある。

私は君の絶対の理解者にはなれなかったけれど、君がどんな選択をしようと笑ったりしないことだけは確かだ。理解できなくとも、君がどうしようもなく苦しんだということは想像できるから。

世の中は思うようにいかないのがデフォルトだから、思い通りになった時は有り難いって感謝したらいいって。人間は思い通りにいくことの方をデフォルトにしてるから苦しいんだって。なるほどと思った。そう思うと少し肩の力が抜ける気がする。

たとえ望んだような結果にならなくとも、自分が相手に心を砕き、相手もまたそうしてくれたという事実だけは忘れないでいたい。

依存も執着もなしに、相手の欠点を受け入れられることは、愛だと思う。

相手に幸せでいてほしいという純粋な思いも確かにある。でもそれを深く覗いていくと、相手を傷付けてしまった罪悪感を薄めたい、相手が笑っていてくれたら許された気になれる、そんなエゴも混ざっていることに気付く。それを、なんと浅ましい！と落ち込む自分と、まったく人間らしいな！と笑う自分がいて、混ざり合えずに別々に息をしようとしているから、苦しい。

相手に幸せでいてほしいと思ってた。でも今は、幸せでもそうでなくとも、少しでも自分らしく生きてさえいてくれたらいいと思うようになって…それはもう、相手のことを何とも思ってないということになるのだろうか。

間違うことを許してほしい。誰かの正しさの中ではもう、息ができないから。

今振り返ると、相手は、ただただ優しかった。優しすぎた。それを受け取るために必要な大きさの器を、私が持っていなかった。差し出された想いと、それを受ける器の大きさが合っていないと、悲しいすれ違いが起きてしまうのかもしれない。

世間の目が大きくなると、小さな積み重ねは無いものとして写る。自分の目で自分のしていることを正しく見続けることの、なんと難しいことか。

何かに没頭していないと、罪悪感をもって別れた相手のことが頭の中をグルグルしてしまう。精神的な余裕がなかったとはいえ、言い方が悪かったなとか、苦しくなって相手に寄り添いきれなかったなとか、いろいろ。自分という人間の限界を知られてしまった気不味さ。成熟した相手の隣に並ぶには、私の精神はあまりに未熟すぎた。

眼の前にある今この瞬間を見るって、当たり前のことのようで、存外人が出来ていないことよね。

それが出来なくなることは、別に悪いことじゃない。許容出来る範囲というのが各々にあって、それもまた経験によって変化するのだから。その範囲にお互いが収まれなくなることは、しばしばある。良いも悪いもない。深海魚と海鳥が共に暮らすのは難しい。お互いがお互いの息の出来る場所で生きていくのが、きっと良い。

出会った頃は同じ視点でいたけれど、時間の経過と重ねた経験が、確実にそれを変化させていたことに気付かないふりをした。多分今は同じ夜空を見上げても、まるで違う色を見ているのだと思う。人はそれぞれ違うということを、知っていたのに思い知る。それを認めて受け入れていくことが、人と付き合うということなのだと。

勇気を出してあげた声を無視されるのは、存在を否定されているのも同じだけれど、きっと相手にはそうするだけの理由がある。 傷付けないように、今の自分に出来る最善を尽くしたつもりでも、根底にある価値観と感覚の違いが、正しく思いが伝わることを難しくする。