柴崎友香『帰れない探偵』読了。
自分の探偵事務所兼自宅に帰れなくなってしまった探偵。そこへ入る道がどうしても見つからない。実はこの探偵、海外に滞在している間に統治体制が変わってしまい、母国にも帰れなくなっていることが分かってくる。
選挙の前に読めてよかったというか、今だとフィクションと片付けられない妙な生々しさを感じる。
冒頭の不思議な文章「今から十年くらいあとの話」が印象的だが、現在の「わたし」は自分の国に帰れなくなるとも知らず空港から出発しようとしている。これはあり得る未来を幻視しているということなのか、十年後から振り返ってあの頃は何も知らなかったなと回想しているのか、どっちともとれる。
7 months ago