研修医1年目の最初のクールというと、本当に役立たずだったのでとにかくベッドサイドに足を運ぶようにしていた。問診に時間をかけ、検査の解釈に時間をかけ、カルテやサマリを書くのに時間をかけ、大したことはなにもしていないのに毎日帰宅は日付を超えていた。そのとき出会った症例で、肺癌StageⅣの患者さんがいた。朗らかな人だったが、突然の診断でとても(私たちには想像もつかないほど)ショックだったはずだ。その人の気管支鏡検査に私はついていった。当然なにもやらせてもらえないので見学しているだけだったが、私はふと検査を受けている彼女の手が強張っていることに気がついた。
2 months ago