クリスマスといえばカポーティの『クリスマスの思い出』が1番好きだ…キラキラと無垢な眼差しが胸を締めつける。
私にも当然ながら幼少期があって、祖父母に預けられていた数年間は宝石みたいな日々だった。
クリスマス前になると祖父は山でモミの木を切り倒し、軽トラに積んで家に運ぶ。農家の居間がモミの木によってクリスマス一色に変わるのだ。祖母は艶のある糸で巻かれたオーナメントを枝に飾る。
朝になると男性がプレゼントを持って訪ねて来た。土間の上がり框に座り、背中を向けていたその人は私を見て微笑む。のちにそれは父親だったと知った。
クリスマスになるとそんな断片的な風景と、部屋いっぱいのモミの木の香りを思い出す。
10 days ago