森下佳子が脚本担当しているのだからそこは抜け目なく斎藤十郎兵衛も登場させるとは思っていたけれど、まさか市井を彷徨いていた治済が実は治済ではなく、そのそっくりさん、しかもそのそっくりさんの正体が斎藤十郎兵衛で、治済の替え玉に当てられたから消息が絶えた……という筋書きで来るとは……似せ絵が得意な歌麿から始まって、市井をお忍びで散策する自由気ままな治済さんというミスリードに至るまで、このクライマックスの写楽プロジェクトと治済征伐に向けての伏線が事細かく貼られていたと知れて、そのストーリーテリングの妙に改めて唸らされる。さすが。お見事。
4 days ago