ミック・ジャクソン/田内志文 訳『こうしてイギリスから熊がいなくなりました』2022年
タイトル通りに熊が居なくなるという共通点をもって、各話が無関係という関係性で繋がった連作短編という奇妙な印象を残す短編集です。
熊が擬人化されているわけでも主役という風でもなく、三人称の語りによって、淡々と物語は展開して閉じます。どちらかというと人間の立ち振る舞いがレトリックとしての反語法となって皮肉的な寓話を表現しているように思えます。
ラスト2話の「夜の熊」「偉大なる熊」を読むと、本書で語られたるは実在の熊というよりも、古代神話の闘争で人神に敗れた熊神の末裔としての仮想熊の物語のように思えました。
4 days ago