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読書した本を流していきます フェリシモの色鉛筆のコンセプトに触発されて、 毎日1本づつ色鉛筆から連想を得た短編集を書いてます
#500色鉛筆の乱筆
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フェリシモの500色色鉛筆を揃えた記念 「500色鉛筆の一本一本に想いを馳せる」というテーマでスタートしました 一つの投稿につき1本分テーマとして書き、番号順で進めていきます ただし、初めての取組の散文書きなので、乱筆乱文が多めです ご了承くださいまし 今までの乱筆をまとめて追う形は下のハッシュタグからどうぞ
#500色鉛筆の乱筆
about 1 year ago
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「やあ、甲虫を育ててみるかい?」 昆虫博士から挨拶早々に切り出された 親の手前作り笑いで返事した 渡された虫籠の中にいる、ぶよぶよした白い芋虫が、甲虫だなんて思えなかった 虫ゼリーを変えて放置するだけの日々 白い芋虫が成長している 親指より太く肥えていた冬頃、博士から連絡が来た 「もうすぐ蛹になるよ」 ガラスの水槽越しに見える芋虫は、見慣れた角が生えた鼈甲色の塊へと変化していた これが蛹だ ある夜、水槽から音がした 羽化が始まったのだ もぞもぞと動きながら、殻を脱ぎ去っていく 羽根は白く透き通っていた 次第に暗くなっている そして、一呼吸置いたと思ったら羽ばたいた
#500色鉛筆の乱筆
about 11 hours ago
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肥沃な大地 それは、自然の絶妙なバランスが生み出す地球の賜物である まず、風化や化学変化によって、岩石が細かく砕かれて、砂や泥となる 植物の育つ為のミネラル分の元になり、土の骨格を作る 次に、草木や微生物が腐敗したもの、有機物が混ざってくる 堆肥とよばれ、根から栄養の吸収に役に立つ 最後に、有機物を作る黴や細菌そのもの 植物と互いに共生や排他のバランスを保ちながら土の中ににいる 物理 水捌けや風を通し柔らかさを担保する 化学 イオン粒子の交換やpHの保たせる 生物 有機物の分解と窒素の変移、養分を与え害を与える これらが複雑に絡んでいるのだ 母なる大地に、大地讃頌せよ
#500色鉛筆の乱筆
1 day ago
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北アメリカではハイイログマことグリズリーが生息している かつては、移民たちが娯楽として駆逐して数を激減していたが 今日では数を少しづつ戻ってきている 某国立公園では、グリズリーの保護と監視の為、レンジャーが遠隔カメラからグリズリーを観察している 川の木陰、グリズリーがサーモンを捕えるポイントだ グリズリーがやってきた 2頭の子熊を連れてるので、親子と思われる 河ではしゃぐ子熊を横目に、グリズリーは明らかにレンズを見据えてのひと睨みを効かせている まるで、監視をこちらもしているぞと言わんばかりだ 王者の風格か、グリズリーも落ち着いてこちらを見てるのだった
#500色鉛筆の乱筆
1 day ago
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不味い! 直感が全身を駆け巡ったあと、身を硬直した 竹藪の向こう、岩の影に怒りを纏ってる虎が見えたのだ 虎の縄張りを侵したのはこちら側だ 虎は睨みを効かせ、喉元を噛み付かんと、じわりじわりとこちらに歩み寄る 隙を見せたら、一巻の終わりだ 虎はこちらと目が定まった途端、大地を震わせる咆哮した 龍が来れば、雲が湧き 虎が吠えれば、一陣の風がやってくる まもなく、突風が吹くだろう 冷や汗で背が濡れる 平静を装いながら虎と静態しつつ後ろに後ずさる 虎が踵を返した 硬直が解けたあと、早々と縄張りから離れた 虎は強者の余裕で、こちらへは威嚇だけで済ませてくれたのが幸いだった
#500色鉛筆の乱筆
1 day ago
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「いつかまた逢おう」と交わしてから何年も経つ 大きな栗の木の下はあの頃と変わらず毬栗が落ちていた 裏山に栗の木が植っていると聞いて、じっちゃんの案内で来たのが小5の頃 「大きくなったから大丈夫だろう」とじっちゃんの判断だった 熟れた栗は毬栗を割れて、中身の栗が見えた状態で落ちてくる 大きな栗の木の下は針の筵なのだ 長靴で毬栗を挟んで踏み込むと、中の栗がせり上がる ほいほいと、トングで栗を拾うじっちゃんを横目に 足に刺さった毬栗が痛く血が滲む こんな大変だったのかと思い知らされた この秋はじっちゃんが亡くなり、子供を連れてやってきた 今度は俺が毬栗の戦いを教える番だ
#500色鉛筆の乱筆
1 day ago
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今日の天気は50%の確率で雨の予報 「今日は折り畳み傘を持って行った方が良さそうです」と笑みを湛えてお天気お姉さんは語る テレビを消して、窓から空を見上げた 青い空に鱗雲が流れてる よし、決心した お天気お姉さんよりも、俺の勘を信じるぜ! 何も持たずに外に出かけて行った ・・・息巻いてから30分後 見事に土砂降りでずぶ濡れになりました ここは、お天気お姉さんを信じるべきだったか はたまた、50%という丁半博打に負けてしまったのか ベタベタになりながら駆け足で家路に向かう 舗装がされていない道でショートカットしたら、泥に足が沈む なんて日だ 今日はとことんついてない
#500色鉛筆の乱筆
2 days ago
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人は天を仰ぎ見ることを良しとした しかし、今踏み締めている大地に目を向けたことはあるだろうか? 地球そのものの動きや現象をつぶさに観察し、記録し、考察する それが地学のあり様である 地球を覆う岩石の殻は、大地の証人である 地上にある岩石は、雨風により砕けて風化し、侵食により削り取られる 次に、削られた岩石は運ばれた後に、どこかに留まり堆積する そして、大地が移動した際に、幾重にも層が重なった地層が現れる ここはジオパーク 地層を観察できるように整備されている公園だ ミルフィーユのように地層は各層異なっていた 貝や植物の化石はまるで果物のように散りばめられていた
#500色鉛筆の乱筆
3 days ago
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キャンプ場で早起き 太陽が地平線の下に隠れてる頃だね まだ周りの人はテントで寝ている人がいるから、静かにしよう コンパクト机を広げて、その上にガスコンロを点ける 炎が出たら五徳を乗せて、マルチロースターを温める そして、5枚切りのパンをセット 直火から離れて温められるパンは、ゆっくりと狐色になってきた 焼き上がりを待つ間、曙色の空もこんがり狐色の空になっている 片面がカリカリに焼けたのであれば反対にひっくり返す コーヒー豆を挽いて、金属フィルターを用いて淹れる ローストの香りが立ってきた 焼きたてのパンに昇った朝日のような、まん丸バターを乗せる 溶け出る色と瓜二つだ
#500色鉛筆の乱筆
4 days ago
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今日は北海道の天文台で獅子座流星群の星空観測会 天気予報でやきもきしながら1週間 飛行機で遠路遥々やってきた 天文台の道中は冬の寒さにやられそうだった 風は頬を撫でるというより、頬を殴ってくる勢いだ ダウンジャケットのもこもこフードで顔を埋める 「今日は一段と寒いから、絶好の観測日ではないか」と天文台の館長から言われた 深夜11時 放射点はまだ低いものの昇ってはきてるので見ることになった 星の天蓋は沢山の煌めきと共に覆い被さっていた 獅子座のレグルスから脇に逸れたところ カッと明るくなったかと思ったら筋を残して消えた 「火球レベルだね運がいいよ」 感動で高揚した
#500色鉛筆の乱筆
5 days ago
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郊外に一軒家を構えてやりたかったこと それは、野鳥たちの休息場を作ること 昨今の都市開発では、野鳥の住みやすい環境が失われつつある 自然と減少している鳥たちを見ていて、鳥好きの自分としては歯痒かったのである 庭に休息場を設置する 植木鉢に細かい川砂を敷き詰める 隣の平たい桶には荒めの小石を敷いて、浅い水辺を作る これで、小鳥たちの水浴びと砂浴びの場所が出来る 時々、熟れた果物を乗せておく これで、冬場の食料に困らないだろう カメラを設置して、いつでもバードウォッチングを愉しむのだった 今日はふくら雀がやってきた 木製の手すりに集まって、おしくらまんじゅうをしている
#500色鉛筆の乱筆
5 days ago
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僻地の団地の一角 井戸端会議が交わされる A 「ねぇねぇ聞いた?青年団の⚪︎⚪︎さん、この前の草刈りでマムシに噛まれたんですって!」 B「ああ、あれ⚪︎⚪︎さん?! 大通りからばぁーってここの小道に救急車が入って行ったのを見ていたから、何かと思ったわよ」 C「うちの主人がお見舞いに行ったら、噛まれたところが真っ青! 「生きてて良かったね」って真顔で言ってたそうよ」 A「やだわねぇ、草刈りをしないとまたこの団地でも見かけるんじゃないの?」 C「怖いこと言わないで頂戴」 B「マムシ忌避剤があるらしいわよ、今度団地会で提案してようって話になってるわよ」 まだまだお話が続きそうだ
#500色鉛筆の乱筆
6 days ago
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里山との境界にある畑 そこで草刈りをしていた時だった ずきっと指先に痛みが走った 2箇所間隔が空いて血が滴り落ちる 咄嗟に振り向くと、茶色い帯がするすると茂みに隠れたのを見た マムシのひと噛みである じわじわと待てば待つほど、毒が巡りに巡る ほら、腫れてきた 元の大きさの2倍、3倍と膨れてきた 急いで救急車で運ばれることになった 風船に空気を入れるように、腫れが肘に腕にと進んできている 黒マーカーで、腫れた境界を分かりやすくしてあるから、余計に怯える 毒牙に掛かるとハニートラップに喩えるが 熱したハンマーで常に潰されるような痛みが腕全体を襲う 失恋なわけあるかい!
#500色鉛筆の乱筆
6 days ago
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ポプラ並木は理路整然と道の両脇に並んでいる まるで、直立不動でバッキンガム宮殿を護る衛兵のようだ かれこれポプラの苗木が植えられてから100年近く経っていた 今ではポプラの枯れ枝が落ちて危険と、この小道は立ち入りを禁止されている しかし、小道の入り口から一本道を眺むれば、日光に当たって老兵は輝いている そして、規律正しく新緑を生い茂っている 敬礼に値する光景だ ある夏の日、大型台風が襲われた 暴風吹き荒む中、老兵は根こそぎ倒れていってしまった 老兵たちの生き様を惜しんで、地元の人は再生できるかとある樹木医に応援を呼んだ そして、再生され今でも仁王立ちのポプラ並木がある
#500色鉛筆の乱筆
8 days ago
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君が代はー苔むーすまーでー と日本人だと国歌斉唱する この歌の意味を知っているだろうか? 君が代、ここでは天皇を治める御代を指すと解釈される事が多い 次に、千代に八千代に、代は年、八は長い間という意味を付与されるので、「長い年月」となる さざれ石は細かい石が集まって一つの岩石になったもの このさざれ石が巌、巨大な土台となる巨大な岩になるまで石が成長するのも、「長い年月」必要と考えられてる そして、巌が風化した後に苔が表面に生えて蒼くなるまでも「長い年月」がかかる 「長い年月」を讃える歌なのだ 苔むした巨大な岩があれば、長い時間掛けて生まれる付喪神がいるのかもしれない
#500色鉛筆の乱筆
8 days ago
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相続した土地に、先祖は何もない丘に躑躅を人工的に植えたと聞き伝えられている 新緑の風に合わせて躑躅は赤紫の花を咲く 地元の人しか知らない穴場になっていた 花が散り、梅雨に入る前の頃だっただろうか 躑躅が密集している藪の間にぽっかりと人が一人ギリギリ通れるかどうかのトンネルが現れたのだ 「藪から棒に」現れた茂みの中 妙に中へ吸い込まれる気配がする 躑躅の茂みの向こうにはお社があるはずだ お社の主が手招いているのだろうか 「薮から蛇に」なりそうではある でも、興味には抗えなかった 這いずってトンネルを進む すると案の定傷んだ社に繋がった これは、直せという啓示かもしれない
#500色鉛筆の乱筆
8 days ago
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さて、ここはとある発掘現場 丁寧に丁寧に、地面を掘り下げていって、化石がゴロゴロと出ているね 発掘された化石を分類してみよう すると、骨の化石と共に植物の化石が出てきます この化石になる前に生き物たちが生きていた頃、どんな環境にあったのか?を知る手掛かりとなります これを示相化石といいます さて、これはシダの葉です 化石をよく見てみましょう よく似ていますね ただ、サイズが一回りも二回りも大きいとわかります 恐竜がいた頃には大きなシダの森に覆われていたと考えられています もしも、恐竜が生きていた頃、恐竜に襲われそうなったらこのシダの茂みに隠れていると良いかもしれません
#500色鉛筆の乱筆
8 days ago
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秋も中頃、今日は一足早く冬型の気圧配置となっている なので、吹き荒ぶ風は冷たい 色が変わり始めた葉には、落葉はまだ早い しかし、風は容赦なく枝を揺らし、がさがさと音を立てて葉は落ちていった 今季一番の寒気を感じ散歩に出る 数時間で織り上がった落ち葉の絨毯を初めて踏みしめる この街路樹から落ちた葉をよく見ると、葉脈の走り方も、刻み込まれ方も、多種多様と気がつく 一つ葉を取ってみる この銀杏の葉は黄緑色に、メッシュの黄が入っている こっちの赤い葉はどうだろうか? もみじ饅頭にしてはまだ緑が強いかな 風の妖精は葉っぱを見たかったから、風を吹かせたのかもしれないとふと思った
#500色鉛筆の乱筆
8 days ago
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今日はトロピカルなフルーツを鑑賞にとと渥美半島まで向い、洒落込む ビニールとガラスで覆われた広大な温室だ 温室の中は常夏になっており、亜熱帯や熱帯域のフルーツが繁茂する 温室に入るとうだる暑さに驚く 厳冬期の風の冷たさとは真逆の気候に、人類の進歩を感じた 温室の中を進むと異国の仮面や不思議な石像があちらこちらに飾られている なんでも、この温室の植生を参考にしているタイの雰囲気を出す為に、設置されているのだとか 通路に沿ってコース見学をする 実った果物は各々形容し難い独特の香りを発している ツアーの終わりには果物の購入ができてるようだ 実った果物にチャレンジをする
#500色鉛筆の乱筆
8 days ago
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春先に種を蒔いた鉢植えのバジル 秋口の太陽光を燦々と浴びて旺盛に生えている 種を蒔いてから1週間、毎日水遣りを欠かさずにやると芽が出てきた 双葉から本葉にすくすくと伸びてくる 互いの芽が込み入ってくる 一本だけ、太い芽を残して啄んでおく 収穫した小さなバジルはトマトのチーズ焼きに添えて食べた 1ヶ月も経つと、バジルは50cmの丈になってきた ぐんぐん伸びるエネルギーを葉っぱを太らせる方向に向かせたいので、頂点の芽を切った 葉っぱを何枚か間引いたら、籠いっぱいのバジルとなったので、贅沢にジェノベーゼを食べた 盛夏を過ごしたバジルはワイルドに過ごした まだまだ緑が茂る
#500色鉛筆の乱筆
10 days ago
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夏の盛り、3時のおやつを平らげた 満腹感を味わいながら窓越しを眺めると、遠くから黒い雲が空を侵略してきている 「まずい、曇ってきた」 耳を澄ませれば、ゴロゴロと雷の予兆が聞こえる 雨雲レーダーで見ると、地図は高強度の雨量を示す真っ赤で塗り潰されている 数分後、案の定かなりの強さの雨が降ってきた これは似合う日本語を知っている 「篠突く雨」だ 人差し指くらいの太さの篠竹が、束になって天から降り注ぐかのようだ ゴーゴーと細長く叩きつきながら雨が降り注ぐ 地面に跳ね返る距離は10cm以上はあろう 雨が激しく打ち付ける様は命懸けのドラマーの如し ドラミングに負けじと空を見た
#500色鉛筆の乱筆
10 days ago
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富士山の麓、都市部から離れた森にキャンプ場はある 車を所定の位置に停めて、管理棟に挨拶に行く 「ご予約の⚪︎⚪︎様ですね、こちらにご記入をお願いします」 「バンガローはこちらとなります」 案内されたバンガローは、丸太を互いに組み合わさったログハウスである 電気系統や水道設備が整ったコテージと比べると、何も家具が無い分簡素な造りだ しかし、テント泊で夜露に濡れる経験をしてしまったら、屋根のありがたみがあるバンガローの方がいい 朝目覚めると、まず木々の深い香りが鼻を揺らす ここは家じゃないんだなぁ 薄目を開けると木漏れ日は顔を照らしていた ぐーっと背を伸ばす 愛おしい森だな
#500色鉛筆の乱筆
11 days ago
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夏休みは避暑地として北海道の別荘へ行く 仕事が外資系のため、夏休みは丸っと1ヶ月だ ただ、往来の時間を差し引くと凡そ3週間生活することになる そのため、生活用品も多めに車のトランクに詰め込む 今年は去年の反省点を踏まえて、春秋用の毛布を持参した 去年は薄手のタオルケット生地だけの掛け布団で、北海道の別荘では些か寒い日があった なので、板状の綿が挟み込まれているキルト生地の布団が生きてくる 首都高から大洗まで走り、フェリーに乗り換える 一晩寝ていれば、昼過ぎには苫小牧まで車ごと移動するという寸法だ 部屋に入ると、のびのびゴロゴロ、くつろぐ 今年の夏はどうなるだろうか
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11 days ago
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プランテーションシャッター ドラマで刑事が指で隙間からこじ開けて外を覗き見る、あのブラインドよりもお高級な家具である 角度を変えられる木の板を、部屋の内側から窓枠に向かって、平行に打ち付けてある 日本では「角度を変える鎧戸」という言葉が近いかもしれない ある時は光を漏らさぬようと閉じて、防犯用にしたり またある時は微風を室内に取り込むとて、隙間を開ける そして、インテリアとして木の温もりを全面に感じることができる利点がある 自室には、西陽を遮るように窓にプランテーションシャッターを備え付けてある 日が傾くと光の筋はスリットのように床を照らす これが、贅沢な瞬間である
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12 days ago
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お盆休みは数時間もかけて、車で叔父さんの家へ遊びに行くのが、我が家の恒例行事だった 叔父さんの家はかなりの田舎にあるものの、観光地にもなっていた 急峻な坂に千枚もある棚田 夏の晴れ渡った日本海と共に、青田が広がる原風景だ おじさんは棚田の管理を任された一人 段差があり、曲がりくねった棚田は、今でも人力で稲を育てている 親と叔父さんは昔のよしみだからだろうか? 棚田に自由に入って遊んでいたものだ 子供の頃にとって、棚田という巨大なアスレチックに向かう一大冒険に繰り出していた 虫籠に網を持って、泥だらけの畦道を縫うように走る、石段をよじ登る、生き物をハントする
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12 days ago
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完全無欠のロッキングチェア 大きな部屋の中央、縁側で景色を眺めてのロッキングチェアは浪漫の塊である どっしりと座れる膝掛け椅子に、弧を描いた反り返った木の板が左右に2本づつ末付けられている オイルステインで渋く磨かれているので、白木よりも重厚感が増している 更にニスでコーティングもされてるのでてかてかだ ふかふかのクッションを敷く 体重をロッキングチェアにかけると、後ろに逸らしながら身体がすっぽりと嵌った 前に後にゆらゆらと身体全体を揺さぶられる様は、母に抱かれてあやされた心地である 周期的に繰り返す木が軋む音も相まって、優雅に贅沢に、極上の時間の使い方である
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14 days ago
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ブロッコリー まず、ブロッコリーは未熟な花の蕾を食べている 自家製のブロッコリーだと、収穫時期がやや逃しがちで、 実家のブロッコリーは、緑のモサモサから黄色い蕾がちょこちょこ目立っていたものだ 花芽以外の部分は表面の皮が硬いだけ 茹でた後皮を剥ぐと、黄緑色のホクホクした茎が美味しく頂ける また、栄養バランスが素晴らしい ビタミンB群、C、葉酸、βカロテン、食物繊維などなど、豊富に含まれる プロテインと一緒に食べるプロのボディビルダーも多い おすすめはレンジで加熱したブロッコリーに、ゆで卵2つと一杯のオリーブオイル このブロッコリーサラダが一番栄養価面でも最強だ
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15 days ago
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「一番古い記憶を思い出そう」 心理学のカリキュラムの中に記憶の分野の授業があった その中の課題に混ざってあった難題 そうは言ってもなぁ 大学生となってからでも、腕を組んでうんうんと唸る こくりこくりと眠りに入っていた 気がつくと実家の天井を眺めていた そこにはメリーゴーランドが吊り下げられている ベビーベッドの中だろうか おくるみに包まれて身動きが取りづらくて不機嫌になっていた ベットの横、亡くなった祖母が笑いかけながら抱き上げる 「ねんねこしゃっしゃりませ」 やや音痴が癖になる祖母の子守唄だ そうだ、これは はたと目が覚めた これだ! 課題に向かって筆が進んだ
#500色鉛筆の乱筆
15 days ago
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中南米のメキシコでは11月の頭に「死者の日」と呼ばれる風習がある 一言で言えば、メキシコ版お盆 先祖や死者の魂が現世へと帰ってくる 迎え入れる生者は華やかな祭壇や墓を飾りつけ、死者との交流を楽しむ 特に飾りのマリーゴールドの生花は死者の国と現世との橋渡し役 ビビット色に彩飾された頭蓋骨と共に、マリーゴールドは死者の日の象徴となっている 明日はきっと! とマリーゴールドを摘むのは、未亡人 一年に一度あの世から旦那が帰ってくる オフレンダの設営に気合が入る 笑顔の旦那の写真をデコった額を入れる タコスは愛妻料理としてよく好んで食べてくれたと懐かしむ 傍らに来てくれるように
#500色鉛筆の乱筆
17 days ago
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パパの仕事は木工職人 大きなテーブルから、小さなスプーンまで、すべて木から作る天才だ ママの仕事はハーブ栽培 いい匂いのラベンダーから、お薬のセージまで、沢山のハーブを育てる天才だ そんな2人から生まれたのが僕 「里山育ちのわんぱくお坊ちゃん」って呼ばれていた 特に、日曜日になると、パパとママが作ってくれたお料理を思い出す パパがオイルを使って磨いた木製のお皿に ママが育てたハーブが添えられたスクランブルエッグ これでお腹がパンパン 元気100倍になって町の教会に行く 「スクランブルエッグは僕の思い出の中で一番幸せな思い出です」 と原稿書いて、大きな花丸を貰った
#500色鉛筆の乱筆
18 days ago
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小さい頃、庭と縁側がダンスホールだった 沓脱石という庭から縁側に上がる為の平べったい石が、小ぢんまりしてる身体には丁度良いフロアになっていた そして、庭に出る為のつっかけは日に晒されてるのもあってかオンボロ ある日つっかけ履いたある角度でキックをすると、パカパカと鳴ると気付いた 晴れていれば毎日パカパカと鳴らして踊っていた ある日、沓脱石のダンスホールで景気良くパカパカと鳴らした すると、ずるっと右足がずれた感触がした つっかけをみてみると、外れかけたつっかけのソールが完全に裂けたのであった いくら蹴り出してもパカパカと鳴らない 楽しかった遊びが急に終わりを迎えた
#500色鉛筆の乱筆
18 days ago
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ここはとある寺院 蝋燭を灯して瞑想を行うという 確かに、目の前に直径5cmもある太い蝋燭がある 住職が火を灯すと照明を落とした 蝋燭は明明と炎が灯っている 何も考えずに蝋燭を観察してみる まず、蝋燭は熱で溶けて、芯に吸われる 次に芯を伝って気化した蝋は発火点に達する そして、芯から少し離れた空間で燃え始める 煤がぶつかり合う為に炎は明るい 空気の対流が起きるためか、炎は不規則に左右に揺れる これが俗にいう癒しの効果がある「1/fの揺らぎ」だろう 確かに炎の揺めきは自然と畏敬の念が籠る ゆっくり息を吐きながら吸う 深い深い安寧が心を波打っている しじまが体を包んでいた
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19 days ago
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ここは、某高級ホテル とあるグローバル企業との交渉の為、ホテルに連泊をして仮の住処としている 時々、ホテルの客室清掃員が部屋を整えにくる 今日もクタクタになってホテルの部屋に帰ってくる 部屋を開けると、洗い立ての洗濯物の匂いが漂ってくる どうやらベットメイキングをしてくれたようだ 部屋の中央のベットには洗い立てのリネンが目立つ 汚れやシミが一つもなく純白なのは勿論のこと、 ぴしっと皺が伸びて真っ直ぐに敷いてある 今朝方の寝て起きたぐちゃぐちゃのままのベットとは大きな違いだ 面倒な掃除も費用に込み込みなので雑用はさておき、自宅にいる時よりも快適に過ごせているのだった
#500色鉛筆の乱筆
19 days ago
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京都の龍安寺は国宝の石庭が造園されている その脇につくばいと呼ばれる、茶室に入る時に手を洗う石鉢がある 四角い水を貯める周りには 「五・隹・疋・矢」漢字が刻まれている 四角を部首としての口と見做せば 「吾唯足知」 書き下せば「われ、ただ足るを知る」という言葉になる 満ち足りていることを知れば、幸せであり 足りないことを知らずにいれば、いつまでも不幸せである という禅の心境が込められてる 今日、ミニマリストという人たちがいる 物が多ければ豊かなのか?と物質主義に一石を投じる彼らの生き方は、厳選された数少ない物のみで暮らしている まるで「吾唯足知」を体現するかのようだ
#500色鉛筆の乱筆
20 days ago
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初夏に入る前に、海水浴場にプレハブの海の家を建てるのがこの海辺の地区の恒例行事である 昔は浜辺には何もなく無法地帯と化していた その為、都道府県の土地管理と地元の漁業組合の利害が一致して、海の家が建てられる要因となる ライフセーバーが常駐している為、治安も良くなり 海の家には更衣室や休憩所が設けられているので、安心して泳げる海水浴場となっている 地元民よし、海水浴客よし、行政よし 三方よしの得策であった 今日は台風が遥か彼方で渦巻いているか、波が高い ライフセーバーは一段と目を凝らしている ヤドカリや蟹が海の家の柱をよじ登っているのをみて、嵐の前を予感した
#500色鉛筆の乱筆
23 days ago
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我が家秘伝のキャロットケーキは、子供の頃から作っていたので、手を動かしていると自然と再現できてしまう まずはにんじんをシリシリとおろし器で擦ることが手伝いだった その間はママは材料を計っている 「予め計っておくと、落ち着いて調理ができるのよ」 特にジンジャー、シナモン、ナツメグを調合してる様を思い出す 後に、ここが美味しさの秘密だからと、ママはこっそりとメモを渡してくれた 卵を割入れ、何回か粉を分けながら材料を混ぜ込む さっくりとヘラを返しながら混ぜる様は 何回もやってたから体が覚えてる オーブンからスパイスの香りが立ち込めてくると、子供心がフラッシュバックする
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24 days ago
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ジンジャーケーキ それは、蜜糖のねっとりとした甘さと ピリリと辛い生姜汁が冬場にもってこいの大人のケーキである これを食べると初めて食べた時の衝撃を思い出す その日はママがお菓子作りをしてたんだ 子供の頃の僕はキッチンの天板に届かないかぐらい小さい 僕の視線からだと何をやってるのかわからないんだ ママが生地を型に流し込んで、オーブンでせっせと焼いているのを見てた 一時間経った頃かな オーブンが甘ったるい香りがしたんだ ちょこっと焼きたての生地を千切って食べたんだ そうしたら、生姜が辛くて辛くて鼻に抜けて痛い ママにバレて大騒ぎだったよ それから、忘れられない味さ
#500色鉛筆の乱筆
24 days ago
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11月の秋空は澄みきっている とある集落の奥、幽谷にその寺は存在する 一歩一歩踏みしめながら山門を潜る 阿吽の金剛力士像が通過する自分に向けて睨みを利かせていた 道中は左右に杉の古木が連なる 木の葉の掠れた音が聞こえる中 石畳に沿って目線を上に上げると、 真正面に苔むした柿葺の屋根を持つ本堂が相対する 柿葺とは丸太を薄く割って木の板を作り、交互に重ねて竹の串で打ち付けて屋根を造る技法である 柿葺の屋根は重厚感がある木肌色をしていた 更に本堂の扉の向こうを眺める すると半開きの薬師如来像と目が合った 明け透けに、平穏無事な日々を感じるのではいか?と問われたようだ
#500色鉛筆の乱筆
24 days ago
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パスタのソース? 松の実と、粉チーズと、オリーブオイル これらをすり潰したベースに、様々なハーブを混ぜ込んだものが使いやすいかな 今回は摘みたてほやほやのバジルにしよう バジルは空気に触れると色がくすむ性質を持つ 香りをとるならば、そのままで 色味をとるならば、軽く湯通しをしてかは使うと良き 保存は冷蔵庫で1週間ね パスタは表示時間から30秒引くとアルデンテ気味になるかな 茹でたパスタをそのままお皿に乗せて、保存したバジルソースをかけるだけ 緑色の鮮やかなソースとバジルの香りが立つので、それなりな見栄えになるから調理が楽だし バジルソースはパンに塗っても美味しいよ
#500色鉛筆の乱筆
25 days ago
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雑誌にも掲載される我が家の庭の芝生 毎日の日課は、芝生への水やりと、芝生の間に生える雑草の草毟りである 土日になれば、芝刈り機をうなりを上げて縦横無尽に芝を同じ高さに切り揃える 青い芝生だけだろ?と思いのそこのあなた! 四季が感じれるんですよ 春先は 芝生の目覚めの時期 枯れ草を掻き出すサッチング 大地に空気を届けるためのエアレーション ぐんと伸びるようにお膳立てをする時期 夏場には 水やりと芝刈り、肥料を施して 青い絨毯に転げ回る季節 秋に入れば 来年の為の休眠前の肥やしと短かく芝を切り込み 冬になると 休眠に入る茶色い芝を優しく見守る日々 なんと愛おしいことか
#500色鉛筆の乱筆
25 days ago
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とあるOLの就寝30分前のナイトルーティーン 長風呂のお風呂上がりから始まる ドライヤーで髪の毛を乾かしながら、アロマディフューザーをスイッチオン sleepingというラベンダーベースのフローラルな香りがするオイルだ やや照明を落として暖色系の色味にする iPhoneは電源を落として充電に入る 仕事のモヤモヤは明日まで置いておこう 「アレクサ、ヒーリング流してー」 倍音の波長が含まれる癒しの音楽を流す そのあとは、ヨガを10分ほど行う ピシッと伸ばしたシーツと、ふかふかの布団 子供の時からのお供のテディベアも添えている 布団にダイブを決めて、さあ、寝よう おやすみなさい
#500色鉛筆の乱筆
25 days ago
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カリブ海沿岸のとある会員制ビーチでのひと時 椰子と椰子の間にハンモックが掛かっていた がたいのいい俺でも乗れるのか? いざ、尋常に勝負 体重をかけ、ぎしっとしなった 身を委ねたハンモックは左右に揺れて、やや怖い しかし慣れてくれば、ゆさゆさと眠りに誘われる ビーチからは潮騒のリズムが周期的に流れる さらに、パラソルの下でスティールパンがパイレーツな曲を演奏している 曲は勇ましいものの、スティールパンの音色が心地よく澄んでいて、子守唄にもってこい 筋肉質のおっさんが、見た目を憚らずに寝落ちをした 起きたら自ら垂らした涎でベタベタになっている ハンモック、恐るべし
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26 days ago
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亜熱帯から熱帯にかけて、 満遍なく分布するハイビスカス カラフルな色相に沿うように、様々な想いを重ねる花でもある ヒンディー教の象の頭をしてる神ガネーシャは紅のハイビスカス花を愛でる ガネーシャの像にハイビスカスを捧げられる また、ハワイの花輪の首飾りレイ、にも用いられる こちらは相手の歓迎の意を示してかけられる 一方で、沖縄の一部地域の風習 死後は現世と同じ生活をする故人を想い、幸せを願ってハイビスカスを墓に植えられるという このように、ハイビスカスは各地に愛されている ハイビスカスの開花は1日限りではあるが、天真爛漫に咲く様に人は思いを馳せるのである
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26 days ago
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磯遊び それは、岩礁が引き潮によって現れる水溜まりで遊ぶレジャーである 自然と生き物が間近で戯れる一方で 高波や、岩での裂傷、棘や毒の持つ生き物の威嚇など危険も伴う 事前に調べたらこんな事が書かれていた 身構えるじゃないか 不安にふつふつしながら事前準備をして磯遊びに臨む グローブやマリンシューズを履いた 手足も長袖で完全防備である 磯遊びは慣れてないと確かに険しかった 滑りやすい足場と剥き出しの磯に腰が引けながら向かう 水面に目を凝らすとのそのそとヒトデが動いていた 黒いヒトデの中、突然変異したのか真っ赤な人でも混じっている ぷにぷに触ったら意外と固かった
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28 days ago
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フラミンゴの羽根の色は後から色がついているとご存じだろうか? 現に卵から産まれた雛のフラミンゴは、ぱやぱやな真っ白な羽根の色である フラミンゴの親は、生息している湖にいる、藻や海老から赤の色素を得て、羽根を赤く染めているのだ 雛は親からフラミンゴミルクを与えられて赤くなっていく 余談だが、藻や甲殻類が沢山食べれて健康でもあるので、真っ赤なフラミンゴほどよくモテる証左でもある 日本の動物園でこんなひと騒動があった なんと、飼育しているフラミンゴが真っ白になってしまったのだ これは、ドッグフードを餌にしていた為起こった 赤い色素が入った専用の餌にして事なきを得たという
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28 days ago
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北国は凍てつく世界である そして雪に閉ざされる世界でもある 故に、雪国の人は春が待ち遠しい また、夏の暑く開放的な雰囲気が好まれる 秋になれば、閉鎖前の準備に入り、極寒の冬はじっと堪える この四季のサイクルを繰り返すうちに、南国に憧れを抱く北国の人が多い ここで、北国の人が常春の国に行ったとしよう ゆっくりと吹き抜けて頬を擽る、温かなビーチの風にまず驚く 地元の風は針を刺すような冷風なので、霜焼けぎみの頬を隠すのは当たり前 ここまで柔らかな風は限られた夏の間だけなのだから、毎日吹き抜けて欲しいと願うだろう ゆえに、北国から離れて、南国の移民が増えていたという
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28 days ago
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夏休みだぁ! 郊外にあるジャンボ海水プールには、涼を求めんと人がごった返している 長い入場待ちの末に入った まず、プールは超巨大だ 波を人工的に再現するサーフィンプールである ビビットな水着や浮き輪に黒々とした頭が、水面を浮かんでは沈んで、ひょこひょことウェーブをしていた ウォータースライダー、激流プール、文字通り巨大バケツをひっくり返したアスレチック 足元がジリジリ照り返している中、一日中遊びまくった 帰宅後、ビーチサンダルを脱ぐと、足が縞模様になっていてる サンダル履いてるからと、日焼け止めを塗ってなかったと過った まだ肌が赤く焼けてる様にあちゃーと頭を抱えた
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28 days ago
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ここは太平洋上空 ハワイで結婚式を挙げる為、道中の飛行機の中にいる 何故ハワイに向かうか?というと、仲人がハワイの日系コミュニティ出身だったからである 彼女がいなければ、今目の前にいる花嫁とは出逢わなかった ハワイで挙式したいと相談すると、花嫁は即答でOKした ホノルル空港に降り立つと はち切れんばかりの笑顔と、何かを持ってる仲人の彼女が出迎えにきていた 「アローハ」! 数珠繋ぎのプルメリアの花輪を首に掛けられた 「『レイ』というのよ、これは私からの歓迎のお祝い」 更に花嫁にはプルメリアの花を左耳に刺した 身なりは完全に南国の人である こうして、ハワイに受け入れられた
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29 days ago
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「アサイーってなに?!」 聞き慣れぬ単語にツッコミを入れて目覚めた朝である 「最近流行りじゃん」とルームメイトは苦笑いをした 「知らないのー?」 すでに身支度を終えているルームメイトは冷蔵庫から紫色の粒を出してむしゃむしゃ食べている 「知らないよ!」 寝癖でくしゃくしゃな髪の毛をかきむしる 降って湧いたような単語なんて知る由もない 流石美容系の情報には目がないルームメイトだ インフルエンサーがアサイーを勧めている動画を流している 「スーパーフードで栄養価が高いんだよ ほら、食べてみなよ」 渋々アサイーを胃に流し込んでみる 「味がしない、なんじゃこれ」 とんちきな味がした
#500色鉛筆の乱筆
about 1 month ago
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さて、ここは某植物園の温室の湖面 睡蓮の花がすらりと咲いている 日本でよく見られる桃色の睡蓮ではなく、ほんのり紫がかった青色の睡蓮だ この睡蓮は、エジプトでよく見られる品種ゆえに、日本の気候だと寒いので温室育ちなのだ さて、ナイル川で花開くこの睡蓮は「ナイルの花嫁」と呼ばれる 特に氾濫と旱魃を繰り返すナイル川の中で、可憐に花を出す睡蓮の姿 また、太陽が昇ると咲き、日が沈むと閉じる、睡蓮の花と陽の連動に 「再生する物」の象徴と同一視された 神殿の壁に睡蓮を持つ巫女の姿が彫り込まれ、青い彩色が施されている 今でも、エジプトの国花として睡蓮は親しまれている
#500色鉛筆の乱筆そ
about 1 month ago
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ハワイ群島の北部にあるワイメア渓谷 火山由来の赤土が、何千年ともかけて雨風によって削られて、切り立った岩山や深い渓谷へと姿を変えた 今は、渓谷にある展望台に向かって九十九折りの道路を車で走行している 多少は道が舗装はされているものの、たまに砂利道の上を走り岩で車が弾むので、お尻がゴワゴワになりそうになりそうだ 道の脇は熱帯由来のジャングルで覆われていた 次第に登るにつれて、ワイメア渓谷特有の赤土の層が浮かぶ山肌が見える 所々に緑が生えて、まるで、キャンパスのアクセントになるようだ ワイメア渓谷の展望台に到着する 日も傾きかけると、渓谷の凹凸がくっきりと見えてきた
#500色鉛筆の乱筆
about 1 month ago
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