弱く風が吹けば周囲の木々から葉の擦れる音がする。深緑に包まれた森の中、師匠から渡された地図を手に目的の場所を流清は探していた。長い間使われ、踏み固められてきた森の道。そこから少し離れれば手付かずの植物が鬱蒼と茂り日中でも様々なものを隠してしまう。
“森の中で変な音がする”
この道を通る商人や村人から上がってきた報告。その情報の確認に流清は1人森の調査を任されたのだ。
「…………?」
不意に、聞き慣れない音を拾った。何か歌うような……囁くような……。かすかに聞こえるその音を頼りにそちらへと足を向ける。草木を分けて進んだ先には奥の見えない洞窟と思われる入口。その奥から微かな音が聞こえてきていた。
add a skeleton here at some point
4 days ago