CRISPRの起源を探る CRISPR-Casシステムの起源を探る中で、トランスポゾンとCRISPRの中間体としてTranCシステムを発見。ガイドRNAがtracrRNAとcrRNAに分離するのが重要らしく、実験的にも進化のプロセスを再現できるらしい エンジニアリングへの応用も期待できそうです www.cell.com/cell/fulltex...

シナプスによらない神経ネットワーク 脳組織の高解像度画像の解析により、ニューロン間をつなぐ新規構造体「樹状突起ナノチューブ 」を発見。シナプスを介さずにカルシウムをやり取りするとともに、アミロイドβの伝播 にも関わるかも そんな構造体があるとは www.science.org/doi/10.1126/...

新規抗ウイルス防御システム「Panoptes」 cas10に類似したタンパク質からmCol-2TMβからなる抗ウイルス防御システムを発見。通常状態では毒性のある2TMβを抑制し、ファージ感染時に毒性を発揮。ギリシア神話の巨人からPanoptesと命名。 定常状態で毒性をオフにしておくのは面白いですね www.nature.com/articles/s41...

細胞外基質による老化制御 年齢とともにこの細胞外基質は分解を受け、血中に放出されるらしい。その中でもエラスチン由来の断片がマウスの寿命を短縮。エラスチン断片の特定モチーフが炎症を引き起こす。この阻害でマウスの寿命延長効果も 細胞外基質は面白い視点ですね www.nature.com/articles/s43...

タンパク質相互作用の網羅的予測 30ペタバイトもの未解析のゲノムと深層学習モデルの開発により、3,631の新規な相互作用を含むヒトタンパク質の相互作用を検出。多くの疾患関連変異が相互作用面に存在するほか、新規のタンパク質複合体サブユニットの同定も www.science.org/doi/10.1126/...

制御されたタンパク質解離の設計 タンパク質デザインによって、エフェクター分子の結合によってタンパク質複合体の解離速度を加速させるシステムを構築。サイトカイン作用時間と細胞運命制御など生物的問題からバイオセンサーまで幅広い応用 メカニズムも面白そうです www.nature.com/articles/s41...

新世代のDNA編集ツール 近年見つかったRNAガイドDNA組換え酵素(ブリッジリコンビナーゼ)「ISCro4」のブリッジRNAとタンパク質のエンジニアリングにより、ヒト細胞でメガベースレベルのDNA編集を可能に。疾患への治療へも すごいツールです www.science.org/doi/10.1126/...

天然変性ドメインの進化と機能ルール 遺伝的相補性と分子進化を組み合わせた手法で天然変性タンパク質Rim4の配列要件を検証。種によって配列は多様だが、特定の疎水性範囲が機能に重要らしい。さらに凝集能と機能を一部分離できる可能性を示唆 謎が多くて面白いです、 journals.plos.org/plosbiology/...

リソソームシグナルによる世代を超えた寿命の制御 腸でリソソーム酸性リパーゼLIPL-4を過剰発現させると、その個体も子孫も長寿になるらしい。リソソームのシグナルはヒストンバリアントを増加させ、生殖細胞に輸送されるとか(!?)。これによりエピジェネ状態が変化して寿命制御 すごいメカニズム www.science.org/doi/10.1126/...

mRNA隔離による品質管理システム 天然変性ドメイン、特にArgを多く持つ(凝集しやすい)タンパク質の濃度が上昇すると、これらタンパク質をコードするG/Aに富むmRNAが核内スペックルに隔離。これが翻訳を減少させ過剰な凝集を抑制。 mRNA配列も重要なのは面白いです www.nature.com/articles/s41...

国境を超えたジョイントラボ 二人のPIがドイツとアメリカで共同ラボを運営する例を紹介。異なる強みを持ち、合同ラボミーティング、相互のラボ訪問、情報の共有でサイエンスを加速。ビジョンの共有や密なコミュニケーションがカギらしい。 とても面白そうな取り組みです！ www.nature.com/articles/s41...

薬理学シャペロンによるタンパク質安定化 腎性尿崩症の原因遺伝子V2Rの異なる変異の多くが、安定性を低下させることをハイスループット解析で明らかに。タンパク質の安定化を助ける低分子(薬理学的シャペロン)の添加で多くの安定性低下をレスキュー。多様な遺伝子変異の影響を一つの低分子で克服できるかも www.nature.com/articles/s41...

転写干渉による遺伝子発現制御 嗅覚感覚ニューロンでは膨大な数の嗅覚受容体遺伝子ORから単一のORを発現する必要がある。今回アリの系で、双方向性転写干渉により上流の遺伝子を抑制、さらにリードスルー転写によって下流の遺伝子の翻訳を抑制することで、ORの選択を制御することを発見 www.cell.com/current-biol...

尻尾を持つウイルス ブラジルの湿地帯からナイアウイルスという巨大ウイルスを単離。エンベロープ構造が先細りになった尾のようなユニークな構造を持つ。アメーバとの最初の相互作用に重要である可能性 見た目がちょっとかわいいです、、 www.nature.com/articles/s41...

スイッチ可能な核酸プローブの設計 標的分子に結合すると蛍光を発するヘアピン状のアプタマーをスクリーニングする新しいプラットフォームを確立。抗体ベースの方法と比較して簡便で、サイトカインや膜タンパク質など幅広いタンパク質を検出可能 www.nature.com/articles/s41...

言語モデルによるゲノムの「設計」(bioRxiv) ゲノム言語モデル(Evo)を用いて,人工的に新しいファージゲノムを設計し、実際に機能するファージの作成に成功。自然界には見られない配列を持つほか、天然のファージより高い増殖能や溶菌能力を持つものも 新時代ですね、、 www.biorxiv.org/content/10.1...

腸内細菌叢由来の代謝物による細胞運命制御 腸内微生物叢由来の代謝産物であるpreQ1が細胞増殖を抑制することを報告。preQ1はtRNAを修飾してハウスキーピング遺伝子の翻訳速度を低下させるらしい。腫瘍モデルマウスにおいて腫瘍増殖を抑制する効果も メカニズム面白いです www.nature.com/articles/s41...

グリア間のクロストークによるシナプスリモデリング 神経回路の再構築時においてシナプスの除去をする際に、ミクログリアがWntシグナルを介してアストロサイトがシナプスから物理的に離れるよるように制御。その結果ミクログリアがシナプスを除去しやすくなることを報告。 思いのほか多段階なんですね、 www.cell.com/cell/fulltex...

ポッドキャスト新エピソードです！ 理研でPIをされている荻沼政之先生をゲストに、pHや解糖系の勾配による発生タイミングの制御、キリフィッシュを用いた休眠研究、遺伝研でのPhD生活からフランス/アメリカにわたるポスドク生活、これからの展望についてお聞きしました #バイステポッドキャスト open.spotify.com/episode/60oB...

配列特異的なDNA結合タンパク質のデザイン 計算機的手法により任意のDNA配列に特異的に結合するタンパク質のデザインを実現。高い親和性および特異性をもち、既知の因子では認識されない新規DNA配列に特異的に結合するものもデザインできる 合成生物学的な応用範囲も広そうです www.nature.com/articles/s41...

ストレス応答終結の制御 細胞が酸化かストレスを受けた後、回復期においてはストレス応答因子のレベルを減少させる必要がある。今回TRIP12という因子がユビキチン鎖伸長因子として機能し、ストレス応答因子の分解を制御することを発見。神経変性疾患との関連も 終結も大事ですね www.cell.com/cell-reports...

タンパク質微小環境変化の検出 回転子ベース蛍光非天然アミノ酸AnapTh(環境の粘度が高まると蛍光が強くなる)を用いることで、タンパク質サブドメインの微小環境変化を検出する系を確立。タンパク質凝集やクラスタ化による変化を生細胞かつ高い空間分解能で明らかに www.nature.com/articles/s41...

マイグラソームと脳老化 脳境界関連マクロファージ(BAM)が脳老化の初期段階で老化関連特性を獲得する主要細胞集団であることを発見。BAMはマイグラソームを産生し、隣接した細胞の老化を誘導。マイグラソームの産生抑制で老齢マウスの認知機能が改善 www.nature.com/articles/s43...

非天然アミノ酸を用いたタンパク質デザイン 非天然アミノ酸AzoF(フェニルアラニン-4′-アゾベンゼン)を組み込んだ人工タンパク質をデザイン。光に応答して「会合⇄解離」を切り替え可能なタンパク質複合体を作成。シグナル伝達の制御やゲル化など物性の制御に 応用範囲が広そうです www.nature.com/articles/s41...

RNAによるDNAのトポロジー制御 細胞分化に伴って、クロマチンループなどが強化されること、クロマチン構造因子CTCFとRNA結合タンパク質の相互作用が増強することを発見。特にノンコーディングRNAの一つがこの相互作用を促進し適切な遺伝子発現に重要 www.nature.com/articles/s41...

張力による細胞の排出 腸上皮は細胞の排出が頻繁に起きるが、このメカニズムが細胞の混雑というより張力によることを報告。細胞の基底部のアクチン/ミオシンネットワークが張力の発生源となるらしい。先天性絨毛性腸症などとの関連も 意外とわかっていなかったんですね www.science.org/doi/10.1126/...

エピゲノム編集ツールのデリバリー CRISPRベースのエピゲノムエディターはサイズが大きいためAAVなどでの送達が困難。今回ウイルス様粒子を用いる新しい系(RENDER)を開発することで、大型の分子を一過的かつ効率的に送達することに成功。 やはりデリバリー大事ですね www.nature.com/articles/s41...

発生タイミングを制御する因子 CRISPRスクリーニングを用いてヒトの発生時期(多能性幹細胞から神経外胚葉)を制御する因子を同定。特にエピジェネ因子のMeninとSUZ12が重要、これらの因子の欠損はヒストン修飾のバランスを変化させ発生遺伝子の発現を制御 www.nature.com/articles/s41...

AIによるタンパク質産生の向上 AIによって翻訳効率を上昇させるようなコーディング配列と非翻訳領域UTRを設計。標的によっては10倍以上の発現増加。ワクチン設計における高い抗体価の実現や環状RNAを用いたCAR-T治療への応用も (タンパク質だけなく)核酸のデザインも大事ですよね、、 www.science.org/doi/10.1126/...

別種の子孫を生み出す異例の生殖様式 M. ibericusの女王アリは働きアリを生産するために別種M. structorのオスとの交配が必要。今回M. ibericusの女王アリが、そのM. structorのオスを自らのコロニー内でクローンとして生産することを発見(異種出産)。別種の遺伝子を「家畜化」したかのような異例の仕組み 衝撃です、、 www.nature.com/articles/s41...

ポッドキャスト新エピソード！ フィンランドのヘルシンキ大学でPIをされている難波隆志さんをゲストにお呼びしました。黎明期の神経幹細胞研究/ヒトに特徴的な神経幹細胞の性質/ヨーロッパでの研究事情などもりだくさんです！ #バイステポッドキャスト open.spotify.com/episode/7Hzn...

シグナル伝達のセンサー STATの活性化を生細胞でリアルタイムに検出できるFRETベースのバイオセンサー(STATeLight)を開発。STAT5シグナル経路を標的とする化合物のスクリーニングや疾患関連の変異が与える影響を解析できる 便利そうで他のシグナルにも応用できそうです www.nature.com/articles/s41...

凝集体のオートファジー分解 タンパク質凝集体を除去する選択的オートファジー(aggrephagy)に、凝集体の「断片化」が重要であることを発見。この過程にはプロテオームサブユニットやシャペロンモジュールが重要。疾患との関連も コアサブユニットいらないんですね、。 www.nature.com/articles/s41...

珍しい「リン酸鎖」修飾 これまで知られていたリン酸化は「1つのアミノ酸にリン酸1個 」だったが、今回1つのアミノ酸にリン酸の“鎖”がつく修飾を発見。負電荷により酵素活性の調整や、他のタンパク質との相互作用制御をになる リン酸化にこんな新展開があるとは www.nature.com/articles/s41...

脳腫瘍形成と相分離 上衣腫という脳腫瘍の多くでZFTA融合遺伝子が見られる。今回このZFTA融合遺伝子が核内凝集体を形成し、これが腫瘍遺伝子の発現と腫瘍形成に重要であることを発見。天然変性領域の変異でこの活性が失われる www.nature.com/articles/s41...

小胞体ストレスと染色体異数性 小胞体ストレス(UPR)の欠損が特定の染色体の異数性を引き起こすことを発見。例えば異数性によってシャペロンの発現を上昇させて適応メカニズムとして働くらしい。UPR活性化や異数性の高頻度発生が知られるがん細胞との関連もあるかも UPRにBasalでそんな役割があるんですね genesdev.cshlp.org/content/earl...

局所翻訳とミト移行 オプトジェネティックス＋ビオチン標識を用いて、任意の細胞内局所における翻訳をモニターできる系を確立。 ミトコンタンパク質の20%がミト外膜で翻訳されること、遺伝子長に応じで異なるパターンのリクルート機構があることを発見 局所翻訳アツいですね www.cell.com/cell/fulltex...

「遺伝子融解」による成熟制御 オリゴデンドロサイト成熟の過程において、転写因子SOX6が特定の遺伝子の遺伝子ボディ全体にわたってクラスタを作り、広範なクロマチン脱凝集を起こすらしい(遺伝子融解)。細胞成熟のタイミング決定に重要で、多発性硬化症との関連も www.cell.com/cell/fulltex...

DNAの「曲がりやすさ」による制御 ハイスループットな生化学アッセイPIONEAR-seqを開発し、DNAの曲がりやすさと転写因子の結合の関係を解析。DNAの局所的な曲がりやすさが結合能に影響することを発見。vivoでも一定の相関が見られる コンテクストによる曲がりやすさの変化とかあると面白い www.nature.com/articles/s41...

アミロイド線維の形態を識別するプローブ タンパク質の熱変性と蛍光プローブとの相互作用を検出する系をハイスループットに行うことで、異なる構造をとるアミロイド線維を識別するプローブを開発。脳スライスにおいてタウ病変を識別できるかも 新しい診断法につながるといいですね www.nature.com/articles/s41...

RNA構造が世代間で伝播するか(コメンタリー) 遺伝情報を次世代に伝達する新たなメカニズムとして、RNA構造伝播を提唱。ストレスなどで誘導されたRNA構造変化が相分離凝集体で安定化され、プリオンのように伝播するというモデル 実験的に示されればすごいコンセプト www.nature.com/articles/s41...

凝集体の物性と機能 シナプス後部密度が「軟質ガラス様」の物性を持つことを発見。この特性にはShank3のオリゴマー化が重要で、Shank3変異体でシナプス後部密度が軟化、マウスにおいて自閉症様の行動が生じるらしい 興味深い物性です

リソソームの液胞形成 様々な病理的条件下においてリソソームが液胞形成することが知られる。今回この分子機構としてPDZD8が小胞体からリソソームへの脂質輸送を制御し、膜の膨張を促進するモデルを提唱。この因子をLYVACと改名 分子の名前こうやって変えられるんだ、 www.science.org/doi/10.1126/...

アグリソームによるストレス応答 大腸菌において、ストレスによるATP枯渇がアグリソームという凝集体形成を誘導することを発見。静電的相互作用によりRNA分解因子は排除。ストレス解除後の翻訳の迅速な再活性化に大事 凝集体も多様ですね www.nature.com/articles/s41...

加齢に伴う認知機能低下改善の標的 老齢マウスにおいてニューロンにおいてFTL1というタンパク質のレベルが増加し、認知機能と関連することを発見。FTL1は代謝に関わることから分子機構に迫り、NADH補給によってFTL1による認知機能の低下を緩和することを発見 興味深い標的です、 www.nature.com/articles/s43...

DNAエディターをRNAエディターに改変する RNA編集ツールであるCRISPR-Cas13は副次的なRNA切断活性があるらしい。今回Cas9及びその祖先型のIscBを基にRNA編集ツールに改変。副反応が抑えられた状態でCas13と同程度以上の活性。スプライシングやAtoI編集など多様なアプリケーション www.cell.com/cell/fulltex...

特殊なRNAへの相互作用タンパク質の同定 Casに着想を得たRNA標的システムとminiTurboを組み合わせることで、環状RNAやRNA G-quadruplexと相互作用するタンパク質を同定。特に環状RNAの発現量を制御する新規因子やRNA結合因子の疾患との関係を明らかに 応用範囲が広そうです www.nature.com/articles/s41...

生体電気シグナルによる細胞運命制御 遺伝性疾患の多毛症の発症メカニズムを解析する過程で、線維芽細胞の膜電位の変化が毛髪成長を制御することを発見。正常な毛周期中にも膜電位が振動し成長期と相関。加齢やAGA治療の標的となる可能性 www.cell.com/cell/fulltex...

老化による「間葉系ドリフト 」 加齢や様々な疾患において、細胞が本体のアイデンティティを喪失し間葉系の特徴を獲得する「間葉系ドリフト 」を発見。これは山中因子による部分的なリプログラミングによって抑制され、若返りのターゲットになるかも www.cell.com/cell/fulltex...

新しい抗生物質を発掘する 深層学習モデルを活用し、古細菌のプロテオームから新しい抗生物質候補群(アーキアシン)をマイニング。アミノ酸配列などこれまでの抗生物質とは異なる特性を持ち、複数がvitroで抗菌活性を持つほか、マウスvivoで活性を持つものも 古細菌はまだまだ未開拓ですね www.nature.com/articles/s41...