私たちが人里と呼んでいるその小さな村は、春の青い神社の向こう側の、ちょうど麓の川のあたりにある。近年の村は進歩と合理を選んだ。鉄の車に体育祭、そういった異国風の物がもたらされ、姿は大きく変わり、異なる名前を持つことになって久しい。しかしそれでもなお、彼女たちは私たちに似て正直者で、実に敬虔な信仰者であり続けた。忘れられない想い出の紐で結ばれた縁は、心と心との間に於いて、決してほどけることはない。だが村を訪れる今時のあの平地人たちといったら。彼らは年をおうごとに増える一方で、また真に村を訪れる者は減る一方だ。神社もここも、視ることは出来ないだろう。もう、重力に縛られて宙づりになってしまえばいい。
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