矢作俊彦『舵をと、風上に向く物』
横浜、鎌倉、江ノ電が.海が見える場所を舞台に、1960、70年代を仄かに感じさせる時代背景。スマートな会話とそこから透けて見えるアドレッセンス特有の不器用さを垣間見せる十代や、諦観を(痩せ我慢的に)身に纏う大人などの人物を煌びやかな描写とレトリック(で切なく)で描かれる矢作俊彦の小説の集大成的な短編集。
「あたたかく陽の微笑む場所」の3年ぶりに偶然会ったかつての恋人たちの微妙な会話や、”on the come”
のラストなど、すべてを説明せず人生の一部を切り取ったような鮮やかな余韻。
それにしても、連載が終わった「ビッグ・スヌーズ」の単行本はいつになるのだろう
15 days ago