三月の水
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本、音楽、映画その他日々のことなど
『サンキュー、チャック』 世界が滅亡へと向かって行く第3章から始まる映画は、次第に章/時間を遡っていく。そのなかで、スケートをする少女、ヴィクトリア朝の家、ホイットマンの詩、教師夫婦、葬儀社の社長、アステアのミュージカル映画、今は待つだけという言葉など、さまざまな人物、風景などが、第3章で登場していたことがわかり、その度に切なさ/悲しみが積み重なっていき、見終わった後、ただちに冒頭から見直したくなる。 「ありがとう、チャック」の広告が街中に溢れるのはいかにも、キング的な状況だが、それをホラーではなく、エモーショナルに(たとえば二人のダンスのシーン)展開して行くあたりに驚き、なおさら感動的にも。
about 14 hours ago
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アンドリュー・ワイエス展@ 東京都美術館 「マザー・アチの教会」をはじめ初期の作品の隅々までピントの合っているような異様ともいえるリアルな作品に驚くとともに、一方では、鳩、クリマスの朝、遠くの人影などを配して、どこか寓話的な趣きがあるあたりに魅かれる。 そうしたシャープさは次第に影をひそめていき、「干し草づくり」など(ジョン・フォードの映画を思わせもする)アメリカの荒涼な風景画が続く。そのためか、晩年の作品に人の姿が現れ始める様にほっとするところも。特に窓越しの女性の後ろ姿を捉えた「ヒトデ」のあたたかな眼差しに。
1 day ago
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ロバート・ジャクソン・ベネット『記銘師ディンの事件録 木に殺された男』 生体改造を受けた人々が生きるSF的な設定に、ネロ・ウルフを彷彿とさせる二人組によるミステリ的な物語。 さらには、単なる殺人と思えた事件が、帝国の揺るがす陰謀とわかり、リヴァイアサンと呼ばれる怪物の脅威も迫ってくる。そうしたミステリ/SF的設定がともに大きく発展していく面白さ。 また、シリーズ一作目と言うこともあり、変わり者捜査官アナその部下記銘師ティン各々の背景、そして次第にバディになっていく顛末も読みごたえがあり、(翻訳されるという)次作が楽しみにもなる。
3 days ago
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林栄一asトリオ@ NO TRUNKS 石田幹雄p,外山明dsの編成。 二十人ほどの小屋なのでこの編成での音は、それぞれのアイコンタクトもわかり、迫力十分。 スタンダードをやりますとのことで、しっとりとした”My One and Only Love”、陽気な“On Green Dolphin Street”など、次第に演奏も白熱してきて、ピアノとドラムと掛け合いあたりでフリーフォームに近くなり、そこにサックスが入る展開のスリリングさは格別で、ライブの醍醐味を味合わせてもらった。
4 days ago
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最近聴いているブラジル音楽、 Will Santt/Cores do Meu Coração サンパウロのSSW。 ギターの弾き語りを基本とし、甘やかな声と自在なギターの絡みが(ヴォーカルをパラフレーズする様など)素晴らしい。ベース、ドラムスは入れずに、しっとりとした弦な、暖かな音色のクラリネットがアルバムに色彩感を与えている。
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6 days ago
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ハル・ハートリー『トゥ・ランド』 遺言状作成のため(いずれも個性的な)親族、友人を巡り話す軽妙でユーモラスな会話劇といった印象から、雪だるま式に広がる噂に事態は錯綜する。その結果、関係者が自宅に全員集まるスラップスティックな展開はただだ楽しい。そして、誤解が解ける時の幸福感も。 物語をそこで終わらせず、その先の人生へと向けていくあたりは、感動的。 キャット・スティーヴンスの「Silent Sunlight」がよく、クレジットには、リンクレイターの名前も。 劇場で配られた「日本のみなさんへ ハル・ハートリー」を読んで、また感動が。
7 days ago
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ウジェーヌ・ブーダン展ー瞬間の美学、光の探@ SOMPO美術館 海、空、風景、建築と様々な、そして広いテーマに分かれた展示はわかりやすい。 なかでも煌びやかだったり、寂れた風情だったり様々な表情の海や空の絵に魅かれる。 印象に残ったのは、「ベルク、海岸」の画面の大半を占める空と雲の美しさと、色彩の重ね方が美しく抽象度の高い二点の「空の習作」。 また、オンフルールやノルマンディ海岸、えいの絵に、シャルダン/赤えいが登場したプルーストを不意に思い出し、帰って久しぶりに画集を見たりも。
9 days ago
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山尾悠子編 構造と美文 幻想文学中心で海外、日本の作家による散文、詩の作品構成が秀逸。また、個人的にも、ボルヘス、バラード、コルタサルなどの再読と、モラヴィア、三島由紀夫などの初読のと、二重のに読む愉しみを味合わせてくれるアンソロジー。 なかでも、ブッツァーティ/落ちる娘の少しファニーで切ない短編がこころに残る。 ー普通にモンゴメリの少女小説も読み耽ったし、コレット初期作品の布教もしていたこともあるけれど。 塔や迷宮や架空の街や崩壊する世界など、多くは極度に人工的な作風のものを好み、好きなように読んできた。譚の世界の不滅を信じ、豊かに栄えることを祈念しつつ。ー編者あとがきより
10 days ago
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この週末は、 (友人に薦められた二冊)ケイトリン・R・キアナン/溺れる少女、 ジョゼ・サラマーゴ/修道院覚書、 (「黄金の軍鶏」の前にまずは未読の)フアン・ルルフォ/燃える平原、 柴田元幸訳、スウィフト/ガリバー旅行記、 柴田元幸/翻訳教室、 小鷹信光/赤き馬の死者 探偵物語II、 そして、Gia Margaret/Singingを入手、 (7月のアルバムが楽しみな)Bruno Berleの新曲を聴きながら、
youtu.be/Tx00saMRPQ8?...
11 days ago
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津上みゆき個展 寄り道@ ANOMALY 青や赤などの色の重なり/連なり方をまずはゆっくりと、ついで例えば”View, A Snowy Place, 9:58am 9 Jan 2026”といったタイトルから、その季節の、時間の、場所の佇まいを思いながら、そして絵の大きさにより近づいたり.遠ざかったりと、絵を見る愉楽にひたりつつ何回も。 2年ぶり個展。スイス、沖縄、岡山、鹿児島、三重などを取材した作品とのこと。
12 days ago
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最近聴いているアコースティックギター中心のアルバム Kanako Yamamoto/In Transit ロンドンのSSW。 ギターの弦のつまびき、音の隙間を埋めるように控えめに鳴るピアノ、弦、(ときに入るアコーディオン)そして自身の低く柔らかな声とコーラス(その消え際の美しい余韻も)による明澄な抒情と切なさ。
youtu.be/pjk1HESQJaY?...
13 days ago
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ギィ・ジル『オー・パン・クペ』 失われた時間/人物について、過去の映像がカラーで、現在はモノクロで語られる。自転車、奥行きのある回廊、海辺、本棚のある部屋、同じ曲を(アレンジを変えて)繰り返し。 思い出すジャンヌの感情が、美しい映像と同調しノスタルジーがかき立てられ、見る者も胸苦しい想いに。 『海辺の恋』 海辺にはためく旗、俯瞰で捉える雨に濡れた舗道を歩く二人、雨の街並みを移動する赤と白の傘、映像の、色彩の美しさに陶然となる。 ただ、「オー・パン・クぺ」を見た後だと、モノクロとカラーの映像の交錯は特に規則はないようだし、美しい映像も、人物の感情と同期が弱いようにも思え物足りないところも。
14 days ago
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金井美恵子『重箱のすみから』 2020年4月から始まる時事エッセイ集。新聞、雑誌などの秀逸な引用を通じて、コロナ禍の始まった(すっかり忘れていた)当時の状況を体感的に思い出させてくれる。曖昧な言葉の使い方を理詰めで詰めて行き、発話者の真意を浮き彫りにする鋭さは痛快。 連鎖当時も読んでいたが、いま時間をおいて改めて読むとそこがなおさら際立つよう。 そして、やはり小説を読みたくなってしまうので、先日整理して見つけた(山根貞男、上野昂志らとの)対談、評論、インタビュー、単行本化されていない短編(夢の切れはし、豚の声、声の春)を読もうかと。
15 days ago
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東京競馬場へ。 初夏と晩秋、年二回の恒例行事。 いつもは、大きなレースがない土曜日に行くことにしているが、今年は日程が合わず(京都開催とはいえ)天皇賞の日に。 とはいえ、それほどの混雑でもなく、久しぶりにG1の祝祭的な雰囲気を味わえた。 馬券は、競馬場へ行くときは、(新聞などで情報入れず)パドックだけを見て馬を一頭選び単勝馬券で。 今日は、三レース的中、二着も二回といつになく好調だった。
16 days ago
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板橋文夫ソロ・ピアノ@ NO TRUNKS ゴスペル調の旋律を足でリズムを取り、ときに口ずさむ。その繰り返しに次第に高揚し、立ち上がりフリーフォームな演奏に。 ピアノの鍵盤の左右の流麗な運指の移動の連続から、次第に立ち上がってくる「渡良瀬」の旋律。 一音一音を大事そうに鍵盤を押さえる「Good-Bye」の美しさ。 そうした曲ごとの振れ幅の大きな演奏に、すっかり堪能した三時間。 この日は、ライブ録音を行なっており、この体験をまた味わえるのが楽しみに。
17 days ago
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サティ生誕160年記念コンサート@ トーキョーコンサーツ・ラボ パラード/ピアノの連弾と創作ダンス、スポーツと気晴らし/朗読とテーマに合わせたイラストの映像とピアノ、シネマ/ルネ・クレールの映画とスライドといった、第一次世界大戦前後のヨーロッパの芸術の成熟、(ラグタイム、ジャズなども思わせるなど)広がりを仄かに感じることができるような多彩な演奏が楽しい。 アンコールでは、高橋悠治のジムノペディ。氏の演奏で初めてサティを知っただけに感慨深く聞く。 また、青柳いづみこ、高橋悠治、小池彩夏のソロでは演奏のニュアンスの違いも興味深かかった。
18 days ago
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ブレッソン『ラルジャン』 偽札から始まる物語は、展開が予想できなず、次に起こることに対する緊張感と、(たとえば流れる血液だけが画面に示されるなど)決定的な瞬間は映さないことから集中も強いられつつ、没入していく。 そのため映画を見終わったときは消耗して、前回も同じだったことを思い出す また、(「湖のランスロ」を思わせる)執拗に繰り返されるドアのリアルで大きな開閉音が、見終わってもしばらく頭から離れなかった。
19 days ago
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最近聴いているブラジル,アルゼンチンのアルバム、 Silva/Rolidei 変わらないシルキーな声の魅力、軽快な曲調はいる、陽気なホーン、海、鴎のSEを背景に奏でるA・ギターが醸し出すノスタルジー、リラックスしたスティールギターの音色など、跳ねるようにリズムを刻むキーボード、聞いてて気持ちがいい。これで七作目だが一番ポップなアルバムかもしれない。
youtu.be/yI27PI_oXeg?...
20 days ago
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ガイ・バート『タンポポ時計』 画家アレックスが幼少期を過ごした南イタリアのアルテサに数十年ぶりに帰郷するところから始まる。 現在の時間と、アルテサで親友だったジェイミーとアンナと過ごした子供時代、ジェイミーと過ごしたパブリック・スクール時代、アンナと再会するフィレンツェ時代の出来事がシームレスに展開される。次第に明らかになる三人の関係性の変化や幼少時代の出来事。 「体験のあと」、「ソフィー」の過去の作品が読み手に向けた語りのトリックといった趣もあるが、それ以上に、世界の、人生について、そしてその美しさ肯定することになるアレックスの物語といった面も色濃くてでおり、これまでの作品にない感動が。
22 days ago
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『ハムネット』 質感のある木々、平穏な光のさす部屋といった美しい背景をもとに、家族を作るまでの(愛らしい双子の服の取り替えの悪戯から突然の喪失へとつながる)逸話が語られる。その前半を経ることで、(息子の名を冠した)ハムネットの劇を見るジェシー・バックリーの感情の動きと同期していく。 次第に芝居に集中し、ついには手を差し伸べ最後にうかべる彼女の微笑みに、ボール・メスカルが退場した役者に視線を向ける仕草に、すっかり胸がいっぱいになってしまう。 後半を芝居に費やすつくりに濱口竜介/親密さを、虚構(映画、芝居)が人生を救うあり方に「センチメンタル・バリュー」を想起したりも。
24 days ago
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この週末は、 サミュエル・セルヴァン/ロンリー・ロンドナーズ、 ニック・ハーカウェイ/(ル・カレの四男によるスマイリーものの新作)カーラの選択、 芳川泰久/クロード・シモン、 堀江敏幸/魔法の石板、 矢作俊彦/舵をとり、風上に向く者[新編集版]、 そして、(レコードで聴きたかった)武田吉晴 /アスピレーションを入手。 7月にはアルバムが出るという久しぶりのパンチ・ブラザーズを聴きながら。
youtu.be/Vgc4djnLja0?...
25 days ago
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最近聴いているアルバム、 Yaya Bey/Fidelity ブルッリクリンのミュージシャン。 R&B、ジャズ、レゲエに渡る曲と、幾重にも重なり交錯する声たち、柔らかなエレビの音、要所要所に効果的に鳴るホーン、小気味よくリズムを刻むE・ギターと軽快に動くペースといった演奏のよさ。リラックスでスタイリッシュな佇まいの魅力。
youtu.be/c5nz-1xyHO0?...
27 days ago
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イアン・ロジャース『魔都シカモア」 異次元への出入り口がある世界という設定の物語。前半は軽口を叩きながらのハードボイルドの軽妙さから、中盤のバディものアクションに、、そして後半にかけて設定を生かしたサスペンスへと、テイストを変えつつ動いていく物語が面白い。 そして、思わぬツイストの後の謎解きと緊迫感ある展開に目が離せない。特に、終盤のアクション描写の速さに息が詰まる思い。 長編としてはシリーズ一作目とのことだが、同じシリーズものの短編があるので読んでみたい。
29 days ago
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Pome Shih Tzu、白と枝@ キチム 一年ぶりのPome Shih Tzu。 ギター、キーボード、チェロ、スティールパン、トランペット、アコーディオンと多彩な音色と清心な声/コーラスの変わらない心地よさ。そして、叙情、諧謔、ユーモア、メランコリックな曲の魅力も。新曲も聴けた。 「白と枝」は、女性のSSWの透明感のある声とインティメイトな歌詞。ギターで弾き語りる卓越したコードワークに驚き、その動きをずっと目で追う。 こうしたライブの場で新たにミューシャンを知るのは楽しい。 アンコールの「白と枝」も加わっての祝祭感あふれる「イパネマの娘」を聞いて、土曜日のまだ明るい夕夕刻の吉祥寺時の街へ
about 1 month ago
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『1975年のケルン・コンサート』 まだ擾乱の60年の余震が残る時代のなかでツアーのブッキングを始める高校生のヴィラと、興隆するロック劣勢のジャズにあって苦境をかこつキース。いつも階段を駆け上がる疾駆しているようなヴェラと、車で八時間かけてケルンへ移動する(漆黒の夜のなかヘッドライトが光り、そして薄明の中を走る車を上から捉えるカメラの美しさ)疲弊したキース。 この対照的な二人が交錯した一瞬に生まれた美しい演奏は感動的。 冒頭のまるで星が降ってくるようや煌めくピアノの音が衝撃的だったこのコンサートのライブアルバムは、長年の愛聴盤。
about 1 month ago
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最近聴いているアルバム、 Les Imprimés/Falling Foreward ノルウェーのMorten Martensによるプロジェクト。 ソフトロック、ネオソウル的テイストを基本に、(厚いコーラス、ダークなギターリフなどを効果的に配して)夢幻的、高揚感/疾走感、開放的なリゾートを感じされる多彩な曲が心地いい。 全体として、ポップで軽快、少し憂いを含んだ印象が残る。
youtu.be/ZlHXajkY5PI?...
about 1 month ago
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ガイ・バート『体験のあと』 地下室に閉じ込められた5人の高校生についての物語。三人称で語られる閉じ込められた状況について語る部分と、後年に、その時のことを思い出し書いている一人称の部分が交互に繰り返される。 過去と現在が交互に語られる構造は、「ソフィー」と同様なので今度は驚かされないように)慎重に読み進める。 しかし、やはりソフィー同様(とはいえテイストは異なる)衝撃が最後の章に。ソフィーでは、一気に世界がひっくり返るようなものだったが、こちらこれまでの語りの部分をじっくりと検証しつつの、少しづつ真相がわかってくる巧みさ。 そして、オープンエンディングにより残る心の痛み。
about 1 month ago
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minasdaisuki @ 阿佐ヶ谷Roji ミナス・アルゼンチン音楽研究会によるDJイベント。 Sara Sabahを知り、Cyrille Aimée、Voision Xi、ウワノソラなど以外な曲を織り交ぜつつ音楽を聴く日曜の午後の心地いいひととき。 Fabiano Do Nascimentoのカヴァーなどの高揚感あるミニライブ(松村拓海with ryo sugimoto & yuukitakami)も。 第一回が2019年のコロナ禍前だった、そんな感慨を抱きつつ、その時の、そして今日のZINEを読みつつ、また音楽にひたる夜。
about 1 month ago
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『ライスボーイ』 母子のバンクバーへの移住と韓国への帰郷と、物語は起伏があり波乱に満ちている。一方で、屋内の会話などでの、まるで(存在しない)第三者の目線のように興味あるものを回り込むようや長いショットが醸し出す緊迫感、不意に遠景から人物を捉える(仰角で橋に佇む人物の、黄金色の田圃をゆっくりと歩いていく二人)、窓から差し込む光がつくる陰影のある屋内、山並みに射すおだやかな光の美しさ、アンビエントな音楽などクールな佇まいの魅力。 また、韓国への帰郷してからの息子ドンヒョンの次第に穏やかになっていく表情や、韓国への帰郷という物語の分水嶺で、(断ち切るように)不意に映画を終わらせるあたりも心に残る。
about 1 month ago
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最近聴いているアルバム、 Lucas Delgado/Abriendo カタルーニャのピアニスト/コンポーザー。 前作は、コントラバスとデュオのジャズを基本にシルビア・ペレス・クルス が2曲参加。今作は、全曲に歌手をフューチャーして、ヴィヴィトなリタ・パイエス、 じっくり聞かせるメリチェイ・ネッデルマン、叙情的な余韻の(アカ・セカ・トリオの) ファン・キンテイロなど魅力的なものになっている。
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about 1 month ago
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萩原健太『幸せな結末 大滝詠一ができるまで」 FENをテープ・レコーダーでタイマー録音をしてフォー・シーズンス、ビーチ・ボーイズを発見し、レコードは作曲家別に仕分ける話から、上京して細野晴臣(初めて家に遊びに行った時、挨拶よりも先に「ヤング・ブラッ」ズのシングルに反応)をはじめ芋蔓式に(林達夫など後に共演するなどの)人たちと出会い「はっぴいえんど」結成に至る経緯、日本語ロックに対する当時の思いなど、この本で初めて知るエピソードが多く、それがいかにも大滝詠一的と思わされるのが面白い。
about 1 month ago
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ロス・トーマス『悪党たちのシチュー』 さまさまな分野のプロフェッショナルが、その状況、目的により手を組む。とはいえ、それはあくまでも目的達成のためであり、そのためには裏切りも厭わないというブロットと、洒落たセリフ、服装などのディテールの粋な描写というロス・トーマスの魅力が横溢した作品。 表面上のストーリーの裏で、各々の人物の思惑による見えないストーリーが走っているため、常に何か不穏なことが起こりそうな気配の魅力。 この作品に続いて、女刑事の死、五百万ドルの迷宮』と充実した作品が続く。
about 1 month ago
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『プロジェクト・ヘイル・メアリー』 次々に降りかかるアクデントを、試行錯誤しつつ乗り越えていく、原作の魅力であった「試行錯誤」な部分は省略されているが、その分テンポの良さと、失った記憶を少しつづとり戻していく過程と現在の(そして人間味を増していくロッキーと冷静なエヴァ・ストランド)の対比が際立つ面白さに。 また、セキナイトをはじめとした読書では得られないSFの絵的な、またビードルズの曲が重なった時の音楽的な高揚感も。
about 2 months ago
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最近、聴いているアルバム、 Konradsen/Hunt, Gather ノルウェーの男女のデュオの3rd 低い声とときおりまじるフォルセット、くぐもった音色のピアノ中心の隙間のある音によるクールな佇まい。不意に差し挟まるSE、ノイズ、厚いコーラスによるアンビエントな手触り。Gia Margaret参加の幽玄な曲といった多彩な魅力。
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about 2 months ago
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年度最後の日をなんとか終え、いささかの開放感から諸々寄り道をして、 イアン・ロジャーズ/魔都シカモア 萩原健太/幸せな結末 大滝詠一ができるまで 福田尚代/あわいのほとり 小森はるか他/佐藤真の不在との対話 石倉和香子編訳 エミリー・ディキンスン詩集/斜めに射し込む光、 松浦寿輝/川の光、 野坂昭如/雪暮れて雪、 平岡正明/風太郎はこう読め、 映画読本清水宏、 (向井山朋子の演奏が好きなのだが)AHolt、Wieringa/Canto Ostinatoを入手。
about 2 months ago
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クリストファー・プリースト『不死の島へ』 自らの人生を見直すために自伝的な作品を書いている現実と、舞台にした架空の夢幻諸島での各々の出来事が並行して語られる。 そして、次第に現実/虚構が、折り重なるように侵犯し始め、どちらが現実的でどちらが虚構なのか、その区別が判然としなくなる。 さらには記憶にまつわる出来事が絡み、物事は三重に入り乱れ錯綜していく。そのあたりのぞくぞくするような面白さと、最後の一文の切れ味がたまらない。 同じシリーズの短編が収録されている『限りなき夏』も再読したくなる。
about 2 months ago
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福田尚代 あわいのほとり@ 神奈川県立近代美術館鎌倉別館 「漂流物/波打ち際」と名付けられた消しゴムの彫刻、回文のプロジェクション、女性の名前が刻印された色鉛筆の芯の彫刻「煙の骨」、ほぐされた本の紐、少女漫画のコラージュなど、緩やかにブッキッシュといえる(この言葉で括れるところと、はみ出すようなところがある)展示たちに魅了される。 なかでも本の中から一行だけ抜き出し(例えば、オースター/幽霊たちからは、「一言一句書き写しているのかもしれない。あるいはひょっとしてそれはことばではないかも」)折り畳まれた頁から、その一行が立ち現れる本のシリーズが圧巻。
about 2 months ago
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ホン・サンス「正しい日 間違えた日」 ほんの少しの会話、仕草の違いから二人の関係が最終的に全く違うものになる二つエピソード。 久しぶりに見ると分岐点となる場面でのキム・ミニの表情/演技が素晴らしい。 また、10年前の作品の改めて見ると、ズームイン/アウト、パンがふんだんに使われていることに驚く。特にズームインのタイミングは見事に。 今回のホン・サンス月刊は、併映作のチョイスが秀逸で、「自然は君に何を語るのか」は、正しい/間違えた日のどちらだったのか、などとも考えてしまう。
about 2 months ago
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ホン・サンス『自然は君に何を語るのか』 偶然から恋人の家族(父母、姉)の家に泊まることになった詩人ドンファの1日。 最近は、食事のシーンで全員を収めカットを割らずに撮ることが多いのだが、今回はカットを割る度に会話が、関係が気まずくなっいく当たりのつくりの巧みさが秀逸。 背後には、ついにはドンファの屈託が爆発してしまい、そこから翌朝のジュニとの別れの際には不意に彼女からを抱き寄せてしまうまでのドンファの感情の軌跡を丁寧に描く(珍しく)エモーショナルなシーンで感動的。
about 2 months ago
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カルヴィン・トムキンズが亡くなった。 ジャズエイジのフランスでの、ジェラルド・マーフィーを中心にフィッツジェラルド、ヘミングウェイらについての『優雅な生活が最高の復讐である』を読んで偲ぶ。改訳された新潮文庫などの版があるが、や本としての魅力のあるリブロポート版で。 ーマーフィーには、優雅な生活は十分な復讐にはならなかった。かつて彼がある友人に話したところでは、絵を始めるまではかならずしも幸せではなく、絵をやめてからは二度と幸せにはなれなかったから。
about 2 months ago
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最近聴いている女性ミュージシャン、 Arima Ederra/A Rush to Nowhere LAのSSW。 量感があり歯切れのいいリズムの迫力と心地よさ、そこに乗るソウルフルな声やコーラスの魅力。重厚な曲から始まり、後半は、A・ギター主体の繊細でじっくり聞かせる曲へと多彩な曲調の魅力も。
youtu.be/_FFddTtHbqs?...
about 2 months ago
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ガイ・バート『ソフィー』 マシュー(弟)に監禁されたソフィー(姉)の独白から始まるインパクトの強さ。物語は、二人が過ごした(甘美なとも言える)幼年時代のマシューの回想と、何とかこの状況から脱しようとするソフィーの独白が繰り返す構成。 甘美と不穏さが次第にせめぎ合った末に、(一瞬見当識を失い、遅れて理解がやってくるような)思いもかけない/驚きに満ちた結末を迎える。思わずソフィーのバートだけ読み返すしてしまう。
about 2 months ago
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南条竹則編訳『英国幽霊いまむかし』 リットン/幽霊屋敷における(体験をしたことがないのに)リアルで具体的な(と感じる)描写の怖さは秀逸。後半の因果/因縁の記述に古典的な定型を感じる。 とはいえ、ウェイクフィールド/防人の、そうしたものを一切提示せず事実だけが述べられ、不意に描写が、視点が変化して襲ってくる切れ味のあるモダンな怖さの方が怖い。 後はジェイムズ/学校奇譚の二段構えの物語の決着のつけ方が印象に残った。
about 2 months ago
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清水宏『蜂の巣の子供たち』 冒頭の逆光の中こちらに向かって走ってくる子どもたちの躍動感、モノクロの輝く海辺を歩く俯瞰からの、真横から線路を歩く子どもたちの横移動といったロケでの横移動の素晴らしさ。また、山の頂上へ病気の子どもをおぶって登る姿を、上、下、横からと延々と捉える場面は圧巻。 戦争孤児を起用し、最初に「この映画の子供達にお心当たりはありませんか?」とクレジットが入るが、その辺りについてドキュメンタリー的に「その後の蜂の巣の子供たち」で語られるとのことだし、最後に名前の出た施設「みかへりの塔」も同名の作品を以前に撮っており、それらも見てみたくなる。
about 2 months ago
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シネマヴェーラで、今回は5本。見るほどに他の作品も見たくなる。 清水宏『小原庄助さん』 茫洋と没落していく名家の人物について淡々と語られる。並行してに戦後間もない時期なだけに、民主主義への楽天的な期待や退廃が語られる。少し斜めの横移動が特徴的に使われるが、それが不意に妹/妻を連れ戻してに来た兄の視点と重なる当たりに驚く。 最後に没落を引き受けた上での希望と、主人公の心境が初めて語られるのが感動的。 (「蜂の巣の子供たちも」そうだったが)清水宏的な幸福感に溢れる去っていく後ろ姿に(「完」ではなく)「始」の文字。
about 2 months ago
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明るい部屋 絵を描く ロラン・バルト展@ 柿傳ギャラリー 2年に一回の開催、特に時期も決まっていないので見逃すことも多く、久しぶりに見ることができた。 稠密な、余白のある、寒色の、暖色の、太い、細い線が絡まり、渦巻めいてもいる、どこが音楽的な、動きを感じさせもする71年から75年にかけて描かれた40枚の絵。 ー絵画については点描風のいたずら描きしか経験のなかった私が、規則正しく辛抱強くデッサンの勉強をしようと決心する。(中略)要するに私の手法は足し算であって素描ではない。私には細部、断片、《ラッシュ》への好みがあらかじめ(つまり第一に)あるのだ。 ー「彼自身によるロラン・バルト」より
about 2 months ago
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最近聴いているアルバム、 Pedro Rosa Lakki Patey/Nuestro Camino ブラジルとノルウェーのギタリストの共作。 ブラジルとノルウェーのギタリストの共作。 2本の柔らかなギターが重なり、交錯していく、そのあたたかでブライトな音色は、春めいてきたいまの季節にあう。時に入るヴォーカルがさらに情感を高めて、うっとりと聴きいってしまう。
youtu.be/kIywKtFs4f8?...
2 months ago
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小森はるか『いつも茶畑で歌っていた』 父親が営む(静岡県地名/じなの)茶畑にまつわる、それこそプライベート・フィルムのような趣の作品。茶工場の閉鎖に昔から続いた生活の変化。その土地で暮らして来た生活の背景となる畑、月、川、山、山から見る町、仰角で捉えた街灯にとまるカラスのシルエット、それらの風景が、まるで滲んでくる記憶を湛えているような懐かしさをもって寡黙に映し出され、ただただ見入ってしまう。
2 months ago
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小森はるか監督の新作2本を見に恵比寿映画祭/東京都写真美術館へ。 『おあがりんちょ』 旗野住建の建物が映った瞬間に、「春、阿賀の岸辺にて」の世界に、時間に引き戻され、なんともいえない感慨に襲われる。 旗野さんの娘、中村美奈子さんが、畑で土を耕し、干し柿を作り、これまでの人生についての語る声(時に質問をする監督の声も)に、どこか鼓舞されるような気持ちに。また、変わらず元気に集まったいるともに運動を生きたい人々の姿を見れて嬉しい。 倉庫の(フレームのような)入り口から、不意に通過する自転車、窓から見える風鈴の が風に翻えり鳴る、そんな美しいショットが心に残る。
2 months ago
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ミア・コウト『夢遊の大地』 舞台は、内戦で荒廃したモザンビーク。老人と記憶を失った少年の旅のなかで見つけた焼き焦げたバスと死体とノート。 二人の物語と、読みつつあるノートの内容が交互に語られるが、次第に錯綜しついには現実を動かし始める様を、詩的なイメージをとともに語られる物語に魅了される。 ー景色は疲れることなく変わり続ける。大地が孤独にさまよい歩くのか?ムィディンガが確信していることがひとつある。バスの残骸が移動しているのではないか。もうひとつ確信がかあった。道路が常に動いているわけではない。ただキンヅのノートを読むときだけだ。読んだ次の日、彼の目は異なる景色へと流れ込む。
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