「私、響のワガママ好きだよ」
(中学の頃、短距離走の記録に伸び悩んでいた私にとって、周りはみんなライバルで誰かを思いやることなんて簡単にはできなかった
本当は誰よりも泣きたくて救ってもらいたいはずなのに……それでも、誰かのために無理をする
誰かの背中なんて見たくなかったあの頃……でも、私の前を行く優しい背中だけは特別だった
誰かの前を走るのではなく、ずっと並んで歩きたいと思ったあの日――
そして、私は中学卒業と同時に陸上をやめた
私の胸の内はきっと誰にも打ち明けられないだろう、それでも想いをカタチにしたくていつかピアノを習いたいと願った)
4 days ago