すわぞ
@suwazo.bsky.social
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140字小説を書きます。『再掲』と付いてるものは、X(Twitter)でも前にポストしたものです。 X、mixi2、タイッツー等もIDは同じsuwazoです。
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吸血鬼と人間シリーズはこちらからどうぞ
add a skeleton here at some point
11 months ago
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「50年待ってくださいまし」祖母は若い頃、神に求婚されてそう言った。時の概念の違う神は「わかった」と去った。そして50年がたった。孫の私は祖母そっくりだそうだ。神はかわりに私を連れてゆくだろうと皆が嘆いた。あらわれた神は、花嫁衣装の私を素通りし、祖母の墓の前で泣きだした。
#140字小説
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about 21 hours ago
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大魔法使いは最後の魔法を使いました。自分の存在を消す魔法。最初からいなかったことにする魔法。これにより彼が始め教え広めた魔法もまた存在しなくなりました。あの大魔法戦争も。大勢の死者も苦しみも哀しみも。そして、弟子だった少年は、自分の寂しさの理由を思い出せないのでした。
#140字小説
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2 days ago
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手術室に女の子が住みついた。生者ではない。手術台の下からこの子が顔を覗かせて笑うと、いつも手術は大成功する。この病院で死んだ子なのかもしれない。やがて僕は病院をやめ、山村の診療所に移った。窓にはカーテンをかけない。机の下の女の子が、外の緑の景色を見やすいように。
#140字小説
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3 days ago
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降りしきる雪の中を雪ん子たちが舞い踊っていた。私は赤い毛糸の手袋を持っていたが誰ひとり目もくれない。少し哀しくなってきたころ、ふと小さな子が私の顔を覗き込んで、手袋を受けとってくれた。目覚めると家のソファの上だった。うたたねしていたのだ。翌週、私は懐妊に気づいた。
#140字小説
4 days ago
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嘘のなる木を買ってきた。嘘のなる木にはもちろん嘘が実る。冷たく育てれば冷たい嘘が、厳しく育てれば厳しい嘘が、優しく育てれば優しい嘘が。季節が過ぎ冬が来て花が咲いた。可愛い白い花。私は花に触れて泣いた。何て優しく哀しい嘘が実ったことか。木は冬になる前に枯れたのに。
#140字小説
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4 days ago
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久しぶりに書けた
5 days ago
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「警部、貴方ならそのまま会場入りして大丈夫よ」仮面の貴婦人は言った。「最近は仮面舞踏会だけじゃ物足りなくて、仮装者も多いの。警部、貴方に扮する人は毎回何人もいるから、逃げ込んだ怪盗を中でゆっくり探すといいわ」「その必要はないな」「なぜ?」お前がその怪盗だから。違うか?
#140字小説
5 days ago
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長い旅のはてに、ロボットはようやく生きている人類を見つけた。死んだ主人から預かった手紙を渡す。「主人ハ、自分以外ニモ生存者ガイルト、信ジテマシタ」手紙を読み終えた彼女はロボットを抱きしめた。「手紙の内容を知ってる?」「イイエ」「貴方の友達になってやってくれって」
#140字小説
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5 days ago
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銀狐は毎日せっせと村外れに住む人の娘の元に通います。お前が欲しいものを何でもやろう。ご馳走でも見事な織物でも金銀財宝でも。娘は言います。私は一人ぼっちだからお前に友達になってほしい。銀狐には困った返答でした。だって欲しいものとひきかえに娘に奥方になってほしかったので。
#140字小説
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7 days ago
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140字小説(ついのべ)15年くらい書き続けてんだからそういうこともあるだろ……
7 days ago
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140字を書きもせずに最近なにをやってるかというと、ほんと寝てばかりいます なんかそういう時期なのかもしれません 頭と心を休ませる、みたいな
7 days ago
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好奇心に負けたパンドラが箱を開くとそこからあらゆる災厄が飛び出した。最後に機織り機と美しい鳥が現れた。かつて罠から助けてやった鶴であった。「決して開けてはならぬと申しましたのに」鶴は哀しげに一声鳴いて空へ帰っていった。話が途中で変わったことにパンドラは気づいた。
#140字小説
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8 days ago
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朝「秋だ」 昼「やっぱ夏だ」 夜「秋だ!」
8 days ago
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ユニコーンだと思ったらユニキリーンだった。額に一本角を持ち、美しい純白のたてがみを風に揺らし、そして首が長かった。目はつぶらだった。そして高い木の葉を食べるのだった。「この辺りで独自の進化をしてましてな」ガイドが言う。いつだって、世界は人が思うより広くて多様なのだ。
#140字小説
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9 days ago
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その鷲は言った。「他の鷲どもは残らず追い払った。貴方は安全だ」プロメテウスは答えた。「無駄だ。ゼウスがそれを知ればまた別の怪物をよこすだろう」「ではどうすれば貴方を救えるのか」「お前が私の内臓を喰い続けるのだ。私が苦しみ続ける限りゼウスは満足だろうし、私もお前がよい」
#140字小説
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10 days ago
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継父や継兄らに苛められていた少年シンデレラは、魔女に鎧や剣を貰い、城の武闘会に乗り込みます。昼の12時の鐘が鳴った瞬間、魔法は解け、身軽な格好に戻ったシンデレラは大男どもの頭を足蹴に跳び、観覧席の退屈顔の姫の元に降り立ちます。「花をどうぞ」優雅に一礼。姫の笑顔。
#140字小説
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11 days ago
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魔法使いのおばあさんはそのシンデレラに豪華な馬車も綺麗なドレスも何も出してはくれませんでした。くれたのはただ一つ、ガラスでできた眼鏡だけ。けれど彼女は自分に必要なあらゆるものを手に入れたのです……広く美しく鮮やかな世界と、そこへ飛び出すための好奇心と知的欲求と。
#140字小説
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12 days ago
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人間「ギャー化け物」 泉の女神「増えるワカメを落としたのはお前か(ワカメにまみれながら)」
12 days ago
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晴天である。田んぼに挟まれた道を長い葬列がゆく。遺影を掲げた女を先頭にした人々の列の後方には、笛吹き、ラッパ吹き、太鼓叩き、踊り子が続き、さらに仮装者、狐、狸、鼬、蟲と続く。異形の者どもがどんどん列に加わる。最後に故人本人が不思議な顔で付いてくる。晴天である。
#140字小説
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13 days ago
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チンピラとチビスケは声をあげて笑う、鞄の中身はぜんぶ偽札だ、チンピラが金目当てに誘拐したチビのお高い服の下は痣だらけ、父親が殴るから母親が無視するから、だから身代金で一緒に外国に行こうと約束した、でもぜんぶ偽札、二人は笑う、街中に偽札をばらまきながら笑って走る。
#140字小説
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15 days ago
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事故のあと病室で眠り続ける僕に、想像しろ、と友人が言った。起きて喋って歩く自分を、ちゃんと元通りになってる自分を想像しろと。僕はそうした。そして半年ぶりに目を覚まし、すべてを取り戻した。けれど、いちばん最初に想像した『事故で死ななかった友人』だけは戻らなかった。
#140字小説
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16 days ago
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友人は予知者である。何月何日何時にどこそこで立ってろと言われたのでそうしたら、空から小さな隕石が降ってきた。「で拾って来なかったのか?」「何で?」「誰かに自慢するとか」「何で?」友人は世にも珍しい予知者であるが、僕の方がもっと珍しい奴だと言う。だから友人であれるとも。
#140字小説
17 days ago
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魔王「人間どもを滅ぼす計画、進んでおるか」 側近「は。このひよこをご覧下さい」 魔王「何これ可愛い」 側近「まずはこやつらを人間界に誕生させます。この生物は愛らしき見た目を裏切り人間どもに恐るべき呪詛を告げるのです」 ひよこ『滅ピヨ滅ピヨ』 魔王「何これ可愛い」
#140字小説
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17 days ago
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いつぶりの新作かな
18 days ago
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マグロ一本釣り漁船で釣り上げてしまったのが妻との出会いである。海で迷ってうっかりマグロの群れに混じっていたそうな。運命的に出会った僕たちは二人で海の魔女の元を訪れ、人間の足を買った。給料三ヶ月分だった。今は海の見える食堂を営んでいる。今日も妻は美しい声で子守唄を歌う。
#140字小説
18 days ago
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僕の庭には秋は来ない。小学生、郵便配達人、野良猫、雀、あらゆる姿を装って庭に入り込もうとする秋を、僕は全て追い返す。秋は嫌いだ。だが今朝、門前に立っていたのは彼女だった。秋に死んだ僕の妻。「仕方のない人ね」と苦笑して。僕は門を開く。庭の木々が紅く色づきはじめる。
#140字小説
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19 days ago
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5歳の娘と海にゆく。ずっと娘の世話をしていた旧式のお手伝いロボットが数日前に壊れた。合う部品もなく修理はできなかった。娘は大泣きした。僕はロボットをくり抜いて中へ入る。娘と手を繋いで海を見にゆく。娘はロボットをママと呼ぶ。パパに貝殻をお土産にしてあげるのと笑う。
#140字小説
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20 days ago
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改変というか修正
21 days ago
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『この聖剣を抜いた者は魔王を打ち倒し世界に平和を取り戻す』と予言された聖剣を出来心で抜いてしまった魔王「いつか自分で自分をやるって……コト!?」 配下「何やってんですか陛下ァー!」 ちょっと改変するとこう
21 days ago
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『この聖剣を抜いた者だけが魔王を打ち倒し世界に平和を取り戻すことができる』という聖剣を出来心で抜いてしまった魔王「自分でやれって……コト!?」 配下「何やってんですか陛下ァー!」
21 days ago
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道端で死んでいたホームレスの女の指から、不似合いな指輪を掠めとった。赤い石。古具屋に売りにゆくと、店の主は机の下から箱を取り出した。「みんな盗むんだ」中にはたくさんの同じ指輪。赤い石。「あの女、盗まない奴が現れるまで成仏できないのさ」手が熱い。掌の中に、赤い石。
#140字小説
再掲です
21 days ago
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彼女は風力発電で動く。背中から伸びた風車が廻っている間だけ、彼女は生きている。強い風はいらない。優しいふんわりとした風があればそれでじゅうぶん。砂浜で僕らは並んで座る。海風がくるくる風車を廻す。彼女が微笑んで遠い水平線を指差す。二人でアイスキャンデーを食べる。
#140字小説
再掲です
22 days ago
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病院で知り合った老人と賭け将棋をする。元殺し屋だという老人に、僕は勝ちをためては『仕事』をして貰った。僕をズタボロにして病室に縫い付けた奴らを一人ずつ。あとは僕自身を始末して貰っておしまい……のつもりなのに、今日はなぜか全く勝てない。老人が笑う。「俺ァ仕事は選ぶのさ」
#140字小説
再掲(ちょっと修正)
24 days ago
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夢の中で知らない歌を聴いた。僕はそれを曲にしてネットに流した。反応は上々だった。毎日のように送られてくる感想のメールを、僕は一つ一つ読む。感動した、とかそんな言葉が欲しいのではない。僕は待っているのだ。探しているのだ。夢の中でこれを歌っていた見知らぬ少女を。
#140字小説
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25 days ago
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宇宙羊の群れを飼っている。昔むかし宇宙飛行士が捕らえて連れてきたものを品種改良を繰り返して地上に適応させたものである。地上の宇宙羊はもはや宇宙空間では生存することができない。なのに、今日みたいな美しい星月夜には、何頭かがふらふらと空へ飛んで還りそうになる。
#140小説
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26 days ago
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鼠は王冠の中に住み着いていた。いつもほんのり温かいし敵は来ないし、ときどき優しい不思議な手がこっそりお菓子の欠片をくれた。鼠は幸せだった。いつもと違う手が王冠を奪うまで。その手は血のにおいがした。鼠は王冠から飛び出し、その手に噛みついて逃げた。じきに国は滅びた。
#140字小説
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27 days ago
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友人は時計職人だったが、妹を亡くしてから逆回りの時計しか造らなくなった。数年ぶりに彼の家を尋ねると、「そろそろ君を呼ぼうと思ってた」と笑う。逆回りの時計だらけの家の中に、リョコウバトがいた。ドードーが、オオウミガラスがいた。そして彼の妹にして僕の最愛の恋人が。
#140字小説
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28 days ago
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創作脳がはたらかない状態になっており、もうしばらく140字小説の新作は休むと思います、復活をお待ちくださったら嬉しいです かわりに過去作を載せます
28 days ago
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攻撃を受け機能停止したロボット兵の私を、人間兵が拾って連れ帰ってくれた。捨て置けば良いものを。しかも彼は私を徹夜で直してくれた。ろくな部品もないものを。朝、祖父の形見だという彼の腕時計が分解されているのを見た。私は腕時計になったのだと思った。そして彼を守ろうと。
#140字小説
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29 days ago
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夢の中で父と大きな茶色い生き物と背の高い男性を見た。父は彼らと共に紙を切ったり折ったりして何かを作っている。「飛行機だよ。魂をあるべき所に戻すんだ」翌日、事故で生死をさまよっていた父が目覚めた。泣く私に、「ノッポさんとゴン太くんが手伝ってくれてね」と父は言った。
#140字小説
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29 days ago
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魔法使いは舌を切られ貧民街に棄てられる。呪文を唱えられない彼には何の力もない。瀕死の彼を救ったのは浮浪児たちだった。いつか彼が気紛れで街にキャンディの雨を降らせたことを覚えていたのだ。魔法使いは苦労して子供たちに魔法を教える。さあ、世界中にキャンディの雨を降らせよう。
#140字小説
再掲です(ちょっと修正)
about 1 month ago
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鼠は女王のドレスの裾に隠れている。謁見の際に女王が眉をひそめた相手の、持ち物に紛れてついていく。良からぬ考えを持つ者の証拠を持ち帰ると、女王はその者の首をはねる。だが鼠の一番大事な役割は、夢の中で泣く女王の涙の跡を、誰にも見られぬ早朝にそっと拭きとることである。
#140字小説
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about 1 month ago
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現在の龍王の妃は人間である。妃はいつか自分が、長命の王を残して死ぬことを知っている。死んだら骸は王に食べて貰いたいと思っている。王は妃を愛しているので望みはすべて叶えてやるつもりである。……きっと噛むことは出来ない。一息に呑み込んで、泣くのだ。
#140字小説
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about 1 month ago
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「友人の詩人がさ」と友人が話し始めたので笑った。「詩人て」「詩をつくるから詩人、おかしくない」「詩集でも出してるのか?」「いや何もない。野良」「野良て」「口にするだけ。とつぜん即興で」友人が手帳を広げた。「だから俺がときどき書きとめてる。どうだ?」手帳に宇宙があった。
#140字小説
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about 1 month ago
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ニュースが「厳しい残暑が云々」言うたびに心の中のシータが「これが残暑ですって!?」って言う(ここは墓場よ、私とあなたの)
about 1 month ago
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いちめんのなのはな いちめんのなのはな わたしのほね いちめんのなのはな
about 1 month ago
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今ちょっと創作脳が停止してます
about 1 month ago
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池の水ぜんぶ抜いたら泉の女神ならぬ池の女神が出てきた。土砂崩れで潰れたどこぞの泉から移動してきた元泉の女神らしく、外来種と言えば外来種だが、既に在来種と共存しており、一度住処を失ってやさぐれたらしく、空き缶をポイ捨てしてみたら「ざけんな」と三倍になって投げつけられた。
#140字小説
about 1 month ago
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「私は口述筆記してるだけ」正体不明の詩人を追いかけて辿り着いたのは一人の老婦人だった。「私も電話でしか話した事がないの」彼女が指差したのは今どき懐かしい黒電話。僕が詩人の捜索を諦めた数年後、老婦人の訃報と、小包が届いた。中身はあの黒電話。線の切れた電話が、鳴る。
#140字小説
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about 1 month ago
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ゴミ捨て場で人型執事ロボットを拾った。顔を拭いてあげたらダンディな紳士の顔で、「初めまして新しい旦那様」と挨拶された。足の電子系統が完全に壊れていて歩けない彼を背負って持ち帰った。今は僕のスケジュール管理その他をしてもらっている。古い車椅子を乗りこなしながら。有能だ。
#140字小説
再掲です
about 1 month ago
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