今日は最悪の1日だった。
朝はまだマシだった。いや、正確には「マシだったことにしておく」。
海外ロケからの帰国便が3時間遅れ、タクシーで自宅に辿り着いた頃には、午前3時。すでに鏡を見るのも億劫だった。頬骨の影がいつもより深く、眉間の皺が「疲労」の二文字を如実に物語っていた。
スキンケアだけは死守した。化粧水を三度重ね、シートマスクを顔にを貼り付け、ようやくベッドに倒れ込む。
目覚めたら午後3時。
次の瞬間、スマホが鳴った。マネージャーだ。
「ヴィル、緊急で雑誌の表紙撮り直し。スタジオの停電でデータが飛んだみたい。1時間後、スタジオ集合」
「……冗談でしょう?」
25 days ago