「寒いから、俺は冬眠の準備に入るわ」
多種多様な眠り魔王語録の中でも、一年に一度は必ず使われ、最も季節の変わり目を感じるのはこの言葉だろう。ゆっくりと木々が紅丸のように色づき始め、街行く魔物が一枚羽織物を増やしていくこの時期。
ちなみに、魔国連邦の寝具屋でもかの魔王は風物詩として扱われている。この時期でなくとも常連として店に出入りしているのだが、新作の羽毛布団に抱き枕・・・最も多くの寝具を購入していくのがこの時期なのだとか。
「んじゃ来年の春に会おうなリムル」
「おやすみ・・・とでも言うと思ったかディーノ!?」
そして新星魔王が眠り魔王を引きずっていくのもまた、見慣れた光景なのである。
12 months ago