連絡を取る手段は既に残されていないし、取ろうとする気持ちも最早ない. 最後に一筆をよこし、去り際に澱みを残すまいと心を砕いてくれたことは否定したくない、その余地もないと思っていた. 知識と習得に掛ける貪欲さ、勤勉さを尊敬していたし、学問にかける情熱、興味にかける熱心さと振る舞いを眩しく、見習いたいと思いながら数年間の間話を聞いていた. 学問以外の部分で嘘をついていたこと、振舞いに矛盾があったことを離れた後で知り、悲しくなったが責める気持ちも持つまいとしていた. 相容れないところがあったのは互いに理解している. それ以外にも許容できないこと、不快や不信を感じたことがあったのかもしれない.
about 1 year ago