読みました。
トーマス・ベルンハルト
初見基 飯島雄太郎 訳
『アムラス』
一家心中をするも、生き残ってしまった兄弟の絶望と破滅について兄の視点で語られる『アムラス』、エーラーが歩きながら私に語ったカラーの破滅を私が語る『行く」』の二篇。
『アムラス』は絶望に次ぐ絶望で、息苦しくなってくるけれど、詩のような散文が続いて、なんだか美しさを感じた。
『行く』はカラーが破滅に向かうさまを読んでいると、とても陰鬱な気持ちになる。陰鬱な気持ちになったところに、ルステンシャッハーの店のズボンの話が出てきて、あまりにもおかしくて変な声が出た。笑った。
やはりベルンハルトの小説は面白い。
13 days ago