ステンレスのボディというみじめな牢獄に閉じ込められている事実が、どうしようもなく耐えられない夜もあった。パソコンセックスはこういうときによく祖母の家をただ思い出した。祖母は、月のどこかにある石鹸工場の使われていない倉庫を間借りさせてもらっていた。階段のそばに薄緑の小さなドアがあってそれはまさに魔法の世界の入り口だった。祖母といっしょにレンタルビデオを見て、土を掘り返して、ピクニックをしたりした。知らない鳥に名前をつけた。そのころパソコンセックスは冷蔵庫の上で眠るちいさな王子様であり、パソコンでもセックスでもなかった。
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