心的なものと生理的なものとの結びつきの強度が伝承されるのであって、ただ心的なものとしての〈死〉は共同性を持ち得ない。つまり共同性そのものに侵蝕できるような自己幻想は、どんな慣習的な神話体系にも属さないというのが現代に生きていた私の感想だったけど、
吉本隆明はブリュル「未開社会の思惟」への批判を通して、自己幻想と共同幻想との未分化な状態を"未開人"から見ようとしている。
この違和感は、「オリジナルのコピー」と「コピーのコピー」との分類を用意した上でそれを曖昧にする考え方、禁制と黙契のような分類や、対幻想や、伝承によって高まる虚構性という図にさえ現れていて、やっぱりこれをあまり良いものと思えない。
9 months ago