少し怖い話。
ある日の明け方。うっすら目を覚ましたものの起きる気になれず、二度寝をするべく布団をまるっと被った。
視界が真っ暗になった途端、どすん!と、背中に何かが落ちてきた。というより無遠慮に乗ってきた。
猫だ。だいぶ早いが餌を出せという意味かもしれない。
ヤケに重い、踏みつけるような衝撃が、背中から顔の横、手のそば、足の横と自分の周りを歩くように回る。
違和感があったものの目を開けずそのままじっとしていると、締め切ったドアの向こうから猫の声がした。
最初から部屋の中に猫はいなかった。
考えないようにしていたけど、あれは人間の足だったと思う。
そしてこれはその辺に生えてたイイ匂いのする草。
about 1 month ago