ユキ
@yukimemo2020.bsky.social
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読んだ本のことなど書いています。
11月に買った本。 エリック・シャクール『あなたについて知っていること』は、語り口が今年ベスト級に好きだった。 川野芽生『AはアセクシュアルのA』は、同じくAro/Aceの私の経験や感じ方そのままの、Aro/Aceであるが故に苦労したことなどひとつもないが、しかしAro/Aceに無理解な社会だからこそ経験する様々な困難について、これほど明確に書かれているものを初めて読んだので感動しました。
12 days ago
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『〈女流〉放談』を再読したのは、山田詠美の新作『三頭の蝶の道』を読んだから。 女性作家が「女流」と呼ばれていた時代に活躍した3人の作家について、彼女らの葬儀を基点として編集者や作家仲間や親類など周囲の近しい人間視点での多声的な語りによって、3人の作家道や生き様が浮かび上がってくる群像劇。 山田詠美がこの時代のことを知る自分が書き残しておかなければと思った気持ちも含めて、すごく良かった。 好みだけで言うと今年読んだ小説の中で一番好きだった。もっといろんな人の視点で読みたいし、昭和・平成・令和まで傍で作家たちを見続けてきた編集者の赤羽瑤子が作中で上梓したノンフィクション『三頭の蝶』を私も読みたい!
26 days ago
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1980年代に行われたインタビュー集『〈女流〉放談 昭和を生きた女性作家たち』を数年ぶりに読み返した。 12人の作家のうち戦後生まれの3人以外は戦争体験者であり、佐多稲子や河野多惠子らの章を読んでいると、今現在の日本の惨状にたまらない気持ちになる。 佐多稲子は日本の侵略戦争を繰り返してはならないし皆がそう思ってほしいと願っている、軍国主義に戻らないようにしなければと本当は多くの人が考えていると思う、と話している。 首相の愚行をメディアは問題視どころか煽動し、国民はそれを気にかけもしないような状態が「普通」になっている状況、本当に鬱々とする。過去の歴史を知る私たちが何故こんな有様になるんだ……
26 days ago
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10月に買った本。季節の変わり目で体調も気力も絶不調だったけれど、その反動で本はたくさん読めた。 イ・ラン『声を出して、呼びかけて、話せばいいの』と瀬戸夏子『クリスマス・イヴの聖徳太子』は、数年前の『文藝』で読んだ際の感情も蘇ってきて更にグラグラした。 小川公代『ゆっくり歩く』ではケアラーへ向けて「ケアはめぐる」との言葉に、私自身がヤングケアラーと名指されることへこれまで覚えてきた抵抗感、実際の複雑な感情が取りこぼされているような気持ちが掬われたと感じた。
about 1 month ago
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『アメリカン・ホラー・ストーリー』S13でジェシカ・ラングとアンジェラ・バセットとキャシー・ベイツが戻ってくる上に、S3の魔女団と関連あるシーズンになるとの公式アナウンスを朝の出がけに見て、一日テンションが高かった。 なんだかんだ言ってもアメホラは個人的に年に一度のお祭りドラマとして楽しみなので、サラ・ポールソンやエヴァン・ピーターズが再出演してくれるのもめちゃくちゃ嬉しい〜!しかも今作はアリアナ・グランデもいる!ビリー・ポーターにもカムバックしてほしいな。
about 1 month ago
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最近読んだ本では、ジャーナリストの徐台教(ソ・テギョ)さんの『分断八〇年 韓国民主主義と南北統一の限界』がとても良かったです。 昨年の尹錫悦元大統領による非常戒厳宣布の当夜に国会前へ駆けつけた取材の様子からスタートし、朝鮮戦争を経て軍事独裁政権が幾度も発してきた戒厳令について韓国の近現代史を遡りながら、南北の分断の始まりと現在までを著者の長年の取材を通じてまとめたもの。 文在寅政権時の南北融和の進展と決裂に至った詳細な経緯や韓国の人々の期待と失望、「統一」に対する考え方の差異について等、日本での報道だけでは分からなかったこともたくさんあり、すごく勉強になりました。
about 2 months ago
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先月読んだエッセイ、日本語を第二言語とする作家グレゴリー・ケズナジャットの『言葉のトランジット』もとても良かった。 有名な「マイジャパン症候群」の回をはじめ、日本での生活における文化や言葉についての切り口が注目されることが多いけれど、「異文化」とは無関係に日常の中のささいな物事から深く思索してゆく著者の感性がとても魅力的だった。 新年の計画が台無しになる“失敗という恩恵”に考えを巡らせる「新年の抱負と、その先に待つ失敗」、ソフトウェアに惹かれた幼少期を思い出しながら現代のアプリ世代へ物申したくなる感情を見つめつつ父を想う「スタックメモリ」、自分と他者を隔てる線についての「読書遍歴」が特に好き。
about 2 months ago
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『ユリイカ』の澤村伊智特集がめちゃくちゃ面白かった。 未来の技術を描きながらも現在の社会の差別がくっきりと炙り出されるSF短篇集『ファミリーランド』についての論考、近藤銀河「『ファミリーランド』と差別という恐怖」が特に良かった。 澤村伊智はこれまでも度々、恐怖を扱うホラーというジャンルが内包する危険性や作り手側の倫理について言及してきたけれど、今回の対談やインタビューでもたくさん話に出てきた。 寄稿者陣はもちろん澤村作品のそうした恐怖と現実社会との接続に着目して論じているが、ホラー作家本人がそこに自覚的であるかどうかを聞けるとすごく安心できる。
about 2 months ago
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篠田節子『青の純度』についての集英社の見解を読んだが、作者と編集者が先行研究を蔑ろにしたという事実は覆らないのに、こんな内容を出してそれで問題無いと思っている傲慢な態度に普通にビビる。 「ラッセンをモデルにしているわけではない」という方針を選んだ元々の捩れのせいで、よその人の仕事を踏みつけにする大手出版社の不誠実な態度を見せつけられて本当に嫌だ……。
about 2 months ago
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久しぶりの超快晴と暖かさのおかげでずっと続いていた気分の落ち込みが消えて、この3週間あまりSNSも全く開けなかったのに今日は朝からめちゃくちゃ元気なのだけど、陽射しの有無にここまでメンタルを左右されるということが怖すぎる。 今日みたいな気持ちの良い秋の一日がもっと必要なのに、もう冬が来てるし。
about 2 months ago
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国内政治も国際情勢も日々あまりにしんどいことが起こり続けるのに参って、9月はひたすらダウナーのまま終わった。総裁選本当に無理すぎる。
2 months ago
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9月に読んだ本。 毎年、ホロヴィッツやクレイヴンの新刊発売の時期がくるたびに、今年も残りわずかだということを実感して焦ってしまう。 グレゴリー・ケズナジャット『言葉のトランジット』、北村紗衣『学校では教えてくれないシェイクスピア』、水野太貴『会話の0.2秒を言語学する』がとっても面白かった。
2 months ago
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昨日久しぶりに会う友人とお茶をしたら、お母さんに介護保険の利用が必要な状況だけれども友人としては介護認定調査などへの不信感があるという話になり、しかしその不信感の内容はデマというか事実とは異なる誤認ばかりだったので、デマを否定したくて介護保険制度と認定調査を受ける段取りやその後の流れについて説明したが、めちゃくちゃ気まずい空気になってしまった……。 私は20代の頃から祖母のケアをしているので、国の社会福祉の制度や従事する人たちへ対する手薄さの問題や不満についての話なら共感したいけれど、藁人形論法で私がお世話になってきた各所の人たちの仕事を悪く言われるのは我慢できなかった。
2 months ago
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それと単行本から大幅改変された文庫版『近畿地方のある場所について』も買ったが、語り手の人物設定や関係性の変更と共に彼らが「考察」しながら進む展開へ変わり、怪異の起こりも経緯も現状も何もかも、謎の全てをキッチリと説明し尽くすお話になったことにかなり驚いた。 以前読んだ背筋・梨・雨穴の三氏の鼎談で、背筋氏が「『近畿〜』は謎を残さず作中で全て明かしたつもりだったが、謎が残ったとの読者の反応を見ると別の書きようがあったかも」というような話をしていたので、文庫版では全て明確に解き明かす形にしたのかなとも思った。 曖昧な部分が皆無となり単行本とは雰囲気もだいぶ異なっていて、個人的には戸惑ってしまったが。
3 months ago
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8月に買った本。 今年のお盆の個人的な課題図書は、真尾悦子『いくさ世を生きて 沖縄戦の女たち』と、戦後50年時に朝日新聞が女性や子供の戦争体験を募った読者投稿欄をまとめた『女たちの太平洋戦争』でした。 戦争と歴史に思いを巡らす8月という月のパワーがあって何とか、なかなか読み通せない本を毎年お盆休みに読んでいる。 『ババヤガの夜』は単行本を持っているけれど、うちの最寄りの書店にもサイン本がたくさん入っていたので、王谷晶さんファンの母が買おうと。読者が激増していて嬉しい。
3 months ago
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今日読んだ角川ホラー文庫の新刊本が、作中に作家本人が登場して角川の編集者と打ち合わせをしながら本作の刊行を進めるというメタフィクショナルな体裁の短編集だったのだけど、どんな話を書こうがそれで読者が障りを受けようが「怖ければ何でも良いんですよ」と編集者が作家に言い放ち、これが角川ホラー文庫だ……!的な展開に全然ノれない自分がいた。(各短編自体は面白かったです)
4 months ago
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『イラクサ姫と骨の犬』T・キングフィッシャー/原島文世訳 小国の王女マーラが、大国に嫁いだ姉が王子から虐待され命の危機にあると知り、王子を暗殺するための旅に出る物語。 修道院で暮らす30歳の王女マーラの旅の仲間は、皮肉屋の高齢魔女、骨をつないで生まれた骸骨犬、ゴブリン市に囚われていた異国の戦士の大男、健康を授ける力しか持たない訳ありフェアリーゴッドマザーという最高な面々! 女性の痛みを見つめるヘビーなお話ながらも、視点人物であるマーラの語りにも会話にも悲愴な中にずっとユーモアが有るのでとても楽しい。
4 months ago
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『伝説とカフェラテ』トラヴィス・バルドリー/原島文世訳 オーク女性のヴィヴが、傭兵稼業を辞めて珈琲店の開業という夢を実現するために奮闘する物語。 中盤で起こる困難には『イコライザー3』的展開が脳裏を過ぎるも、あくまでも荒事での解決は選択せず、苦悩しながらも一貫して昔の自分には戻らない!と第二の人生を築いてゆくヴィヴの姿がとても好きだった。 ファンタジーに登場する種族やお約束への固定観念をあえて外したキャラクター設定の数々も最高。 苦味もありつつ、好人物のもとに好人物たちが集まってくるという素敵なストーリーで、そして女性たちのクィアロマンスとしてもめちゃくちゃ良かった。
4 months ago
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2冊続けて読んだ海外ファンタジー小説が、どちらもすごく良かった。 小国の王女が、妃を虐待する大国のクズ王子を暗殺せんと立ち上がる『イラクサ姫と骨の犬』と、オーク女性が傭兵稼業を辞めて珈琲店を開くために奮闘する『伝説とカフェラテ』(こちらは女性たちの素敵なクィアロマンスでもありました!)。 こうした物語を探している人にお薦めできる本があるということが嬉しい。
4 months ago
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7月に買った本。久しぶりにミステリをすいすい読めるモードが続いていて嬉しい。 尹雄大さんとイリナ・グリゴレさんの往復書簡である『ガラスと雪のように言葉が溶ける』、忘れがたい「対話」だった。お二人の言葉がふとした時によみがえってくる。
4 months ago
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選挙結果にメンタルが落ち込んでずっとヤバかったので、今日はもう午後休みを取ってダラっとしていた。 自民党が盤石のスーパー保守王国の北陸生まれなので選挙結果が辛くなかったことなんて人生で無いのだが、ここまでの極右が選ばれてしまう現実はしんどすぎる。 コーヒーマシンを処分してカフェインを控えていたのに、最近ストレスから我慢できずにまた豆を買うようになりハンドドリップで淹れている。元の木阿弥。 でもお気に入りのカップとソーサーを順番に使って淹れたコーヒーで休憩時間を取るのが、今のちょっとした楽しみ。
5 months ago
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期日前投票を済ませてきましたが、選挙のたびにひどい言説が飛び交って、それによって浮き彫りになるものを目の当たりにする日々がキツすぎて比喩ではなくずっと具合が悪い。 近年の選挙の様相の変化というかこの空気感がしんどすぎるし、候補者による暴挙や無法行為に対して政治も行政機関も報道も企業も真剣に対応しないことに本当に落ち込む。
5 months ago
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上半期ベスト本、10冊選んだつもりがうっかり9冊しか入ってなかったので、オズヴァルド・ルワット『水棲生物 水の底のアフリカ』を追加します。 カメルーン出身のドキュメンタリー監督の作家デビュー作。
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5 months ago
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さっき夕方のニュースで「日本人の外食回数が減っている」というプチ特集をやっていたのだが、全然シリアスなトーンじゃなかったので、「外食や飲み会における昔ながらの“常識”的なあれこれが変化してきてるんですよ〜」みたいな話なのかなと思って見ていたら、普通に「みんなお金が無いから外食に行けなくなっている」という内容でビッックリした。 「お金が無いから予算を低めに設定している、飲み会の前に家でご飯を食べていく、そもそも外食する余裕がない……」という声がひたすら続き、そんな日本の現状がやばい話を問題提起するどころかバラエティみたいなトーンでカラッと紹介して終わり、な報道番組って意味不明すぎる。
5 months ago
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エッセイ、人文書編。読んだ順です。
#2025年上半期の本ベスト約10冊
◆『マイナーな感情 アジア系アメリカ人のアイデンティティ』キャシー・パーク・ホン ◆『ペルーからきた私の娘』藤本和子 ◆『塩を食う女たち 聞書・北米の黒人女性』藤本和子 ◆『私の人生』ダーチャ・マライーニ ◆『死ぬまでに行きたい海』岸本佐知子 ◆『増補版・お砂糖とスパイスと爆発的な何か』北村紗衣 ◆『反中絶の極右たち なぜ女性の自由に恐怖するのか』シャン・ノリス ◆『みえないもの』イリナ グリゴレ ◆『翻訳する私』ジュンパ・ラヒリ ◆『Pageboy エリオット・ペイジ自伝』エリオット・ペイジ
5 months ago
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6月までに読んだ本のうち、特に好きだった10冊。読んだ順です。
#2025年上半期の本ベスト約10冊
◆『美は傷』エカ・クルニアワン ◆『チャーチ・レディの秘密の生活』ディーシャ・フィルヨー ◆『この村にとどまる』マルコ・バルツァーノ ◆『わたしたちが光の速さで進めないなら』キム・チョヨプ ◆『チェーンギャング・オールスターズ』ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー ◆『密やかな炎』セレステ・イング ◆『ブリス・モンタージュ』リン・マー ◆『歌う丘の聖職者』ニー・ヴォ ◆『極北の海獣』イーダ・トゥルペイネン
5 months ago
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『異形コレクション』はめちゃくちゃオススメのアンソロジーで、いろんな作家の新作書き下ろしを読めるのが超嬉しいのだけど、監修の井上雅彦さんによる著者紹介&物語案内の紹介文がうますぎて、それを読むのが個人的には一番の楽しみになってるところがある。 最新刊が『メロディアス』で、今年の『このホラーがすごい!』ベスト20の井上雅彦、澤村伊智、空木春宵、昨年の斜線堂有紀の本は異形コレクション収録作からの作品集。
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6 months ago
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『このホラーがすごい!2025年版』をようやく読みました。ベスト20にランクインしている作品のうち、自分の既読本は国内15作/海外10作だった。 海外編ではキングを2作とも未読なのと古典は購入を見送っていたのだけど、『廃墟建築家』やイーディス・ウォートンの綺譚集やスイスの幻想民話集など、知らなかった&読みたい本がたくさん出てきた。
6 months ago
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ミステリマガジン7月号の「ホラーミステリ特集」を読んでいたら、昨年買わずじまいだったラモーナ・エマーソン『鑑識写真係リタとうるさい幽霊』が、ニューメキシコ州トハッチー出身の作者が描くナバホ族居留地出身の女性が主人公の物語と知って、スルーしたことを後悔した。
6 months ago
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月曜に妹がぎっくり腰になって動けなくなり、てんてこまいの一週間だったけれど、なんとか回復に向かい今日は出社していった。 安心したので午後は休むことにしちゃった。やっとひと息つけて嬉しい〜!
6 months ago
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今日は本屋で久しぶりに企画棚も見て回ったら、有吉佐和子『青い壺』がピックアップされており帯には「2025年上半期の文庫売り上げ1位」と書かれていてビックリした。 前に『本の雑誌』の書店員さん座談会コーナーで「NHKで紹介されたあと一瞬で店頭から消えた、超売れている」的な話があったけれど、こんなに売れ続けてたのかと。 新井素子『くますけと一緒に』も私が購入した時とは別の新しい帯が付いて大プッシュ特集されていたし、発売後に何かハネる出来事があったのかな。 もうTwitterで本や感想を探さなくなって久しいので、バズって評判になっているような作品のことが全く分からず、いろいろと驚いてしまった。
6 months ago
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久しぶりに『100分de名著』を買ったら、値上がりしていてちょっとショックだった。最後に買ったのは昨年のリチャード・ローティの回で、その時はまだ600円だったけれど、今は700円。 翻訳ミステリも文庫本が1,700円でももう驚かないが、しかし正直「ちょっと読んでみようかな」とはなりにくいお値段だし、私は買う冊数が実際に減っている。
6 months ago
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会社の福利厚生で図書カードをもらったので、自腹もプラスして「3万円で欲しい本を全部買う」をしてきました。(『本の雑誌』の図書カード3万円分お買い物企画をやってみたかった) この1ヶ月間は忙しすぎて友人とも家族とも何処にも行けなかったので、休みを取って朝イチで自分へのごほうびに。 しかし書店へ行くのも1ヶ月ぶりだったので、結局ほとんどが新刊棚から選んで終わってしまった。時間がなくて人文書の棚は回れず、海外文学を中心に雑誌も入れた15冊。 『GOAT』夏号にはかわいい栞が入ってました。
6 months ago
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5月に買った本。 セレステ・イング『密やかな炎』、大好きだった。 登場人物たちの選択と行動の背景にある心の揺らぎが詳らかに鮮やかに描かれているがゆえに、その人が何を感じ考えているのか、多面的な他者の心の裡を全てそのままに知ることは決してできないという当たり前のことに切なくなる。 作家ジュンパ・ラヒリの、翻訳することについての濃密なエッセイ集『翻訳する私』は、オウィディウス『変身物語』におけるエコーとナルキッソスの神話を、作家と翻訳家の関係とその仕事へと読み解いてゆく「エコー礼讃」の章が特に面白かった。
6 months ago
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今年からスケジュール帳に一日の振り返りを書き残しているのだけど、5月半ば以降忙しすぎてサボってしまい、6月に入りやっとひと心地ついた今手帳を見返しても予定と消化タスクの羅列だけではその日の情景がうまく浮かび上がってこなくて、日々の積み重ねと感情が埋もれて取り出せなくなってしまったもどかしさを感じる。
6 months ago
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自閉スペクトラム症(ASD)の外科医ショーン・マーフィーが主人公のドラマ『グッド・ドクター』ファイナルシーズン/S7を昨日から一気観しました。 最終話のラストでは10年後が描かれ、外科部長となったショーンが家族や仲間たちが見守るなかTED会議で自身の半生を話しているという大団円だったのだけど、ASD当事者は10年後の未来でもなお「定型発達者との違いを“乗り越え”てきた」ストーリーを語って定型発達者に理解してもらわないといけないの??と感じてしまい、モヤモヤしている……。 (もちろんドラマは今現在の視聴者のために作られているし、そのための演出と分かってはいるけれども)
7 months ago
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GWに読んだミステリ。久々にミステリを読みたい期が来たので、せっかくなら分厚い本をと思い買ってきたジャニス・ハレット『アルパートンの天使たち』と、積んでいた3冊。 シャロン・ボルトン『身代りの女』は、サスペンスと心理描写がとても良くて一気読みだった。 ローレンス・ブロック『エイレングラフ弁護士の事件簿』はこの中では読みやすく軽妙な連作短篇集ながら、ある意味では一番キツイ。 この主人公には倫理観など絶無だとハッキリ理解できるよう、第一話の時点でこれ以上ないほどに決定的なエピソードが語られ唖然とする。「悪徳弁護士のダークな物語」というような言い方では収まらない、ものすごい胸糞悪さの連続に疲れた。
7 months ago
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『サブスタンス』の日本配給が打ってくる諸々のプロモーション、わざと嫌がらせしてるのか?と思うくらいに全てがひどすぎて辛い。 ただ今年のアカデミー賞授賞式でも、オープニングムービーの大オチで司会のコナン・オブライエンが『サブスタンス』のパロディで登場したのだけど(超ネタバレ映像でした…)、この映画のテーマを考えたらこの映像はありえないでしょ!?という、作品のメッセージは丸無視で演出だけ利用するグロテスクさへの嫌悪感と、デミ・ムーアに対するイジり方(イジりって言葉は大嫌い)も不快で、いろいろ最悪だったことを思い出した。
7 months ago
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4月に買った本。 『ザ・メモリー・ライブラリアン』は、自分の中のスーパースターのひとりジャネール・モネイのSF短篇集!! 思い入れありまくりのアルバム『Dirty Computer』の世界観からなる短篇集で、個人的には大興奮しつつ、しかしとてもリアリスティックな物語で真っ直ぐに突き刺さります。 イリナ・グリゴレのエッセイ集『みえないもの』は、前著の『優しい地獄』を読んだときと同じく、著者の自らのうちに浮かび上がる想いや記憶や感覚の表現に、改めてものすごい衝撃を受けました。
8 months ago
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シャン・ノリス『反中絶の極右たち なぜ女性の自由に恐怖するのか』を読み始めたのですが、妊娠中絶は「人種大交替の企て」や「悪魔的儀式の生贄」という陰謀論に染まった右派宗教団体や極右組織やQアノンやインセルたちの、根底にはファシズムが有る、本来はネットの暗い片隅にしかなかったはずの過激な主張がどのように主流の政治へ運び込まれているのか詳細に書かれており怖すぎる。 右派宗教団体と政治の癒着の実態をまとめた山口智美・斉藤正美『宗教右派とフェミニズム』に出てくる(日本の各右派組織の)主張や実践とまるっきり同じで既視感バリバリで、日本も含め世界中でほとんど同じ言説が叫ばれていることにクラクラする。
8 months ago
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今朝、帰宅して車から降りた後、急にキーが操作不能になってドアが開かず、車内に置いたままのスマホと荷物を取り出せなくなって焦りに焦った……! 家の鍵のキーケースだけは手に持っていたので、家に入ってiPadで番号を調べて固定電話からディーラーとロードサービスに連絡できたけれど、スマホが手元に無いと本当に何も出来なくて恐ろしかった。 これで家の鍵も車内だったら、マジのマジで詰んでいた……怖すぎる。 ドアロックの不具合だったので修理に出してきましたが、直って戻ってきても今後は鍵とスマホは絶対に持って降ります!!
8 months ago
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今年度の町内会班長を引き受けたのですが、やることがとにかく多く、今月ひたすら時間を取られてきた総会関連と町費徴収という一番大変な業務を終えて今やっと肩の荷が下りた…! 私は時間配分にわりと自由のきく在宅ワークなので、班内の半数をしめる会社関係とのやり取りを平日日中に時間を作って対応できたけれど、この業務内容・量はフルタイム会社勤めの人にはかなり厳しいと思うし(店舗系は営業前の午前中を希望のお店、ランチ営業後の15時頃が都合良い飲食店、21時以降に連絡がつくバーなど皆バラバラ)、こうした業務を担うのが辛い人も絶対にいるだろうし、仕事や家の諸々がある中で町内会に関わるのは本当に難しいと思う。
8 months ago
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午前中に行った本屋でもらった出版社のPR栞に「知的になるには読むシカない!」と書かれていて、“知的を目指して本を読め”とかいうニュアンスがなんか嫌だな〜と思って捨ててしまった。 知識を豊かにしようよ、くらいの呼びかけのつもりなのかもしれないけど……。 このPR栞の出版社は三笠書房だったのだが、この一週間忙しくてSNSをほとんど見れていなかったので問題の本のことをついさっき知って驚きと落胆と、こういう言葉選びをするところに色々と出ちゃってるのでは?などと思ってしまった。
8 months ago
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岸本佐知子『死ぬまでに行きたい海』 様々な場所についての記憶を辿ってゆきながら、何かすごいところに連れて行かれるエッセイ。 読んでいると自分の記憶も刺激されて、これまでついぞ思い出すことが無かった様々なシーンの断片が、情景の映像や匂いまで伴い鮮明に蘇ってきて苦しくなった。 岸本さんと仲間たちとの恒例行事である酒合宿が行われていた「三崎」の章で、これまで集ってきた7年ぶんの記憶が混ざり合って、場所だけが不変のままに各年の記憶や映像がいくつも重なり合い、何人もの自分と仲間が同時に存在している感覚についての心象風景の描写にものすごく揺さぶられました。
8 months ago
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自分に許している甘やかしというか、労力や面倒をカットできる代わりのコストの一つに、ディーラーでのタイヤ保管サービスの利用があるのだけど、今年度また値上がりするそうで以前よりも5,000円以上料金が上がってしまった。 この先の数十年間にかかる金額を考えると、次回の更新は止めようか迷っている……世知辛いよ〜
8 months ago
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3月に買った本。 『ミセス・ワンのティーハウスと謎の死体』 は、主要登場人物のほとんどがアジア系移民や二世で、家族に依らない人との結びつきの得難さと優しさと人生の苦さの塩梅がすごく良かった。 この数年間に新たにシリーズが邦訳刊行されたコージーミステリの中では個人的に一番好き。久しぶりに本を読みながら大笑いしました。
8 months ago
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リフレッシュしたくて美容院へ行ったのに、私の左右の席のお客がどちらも、美容師さん相手に国内政治から世界における紛争や外国人排斥まで、Xでの冷笑と差別言説そのまんまな話をあれこれと繰り広げていて、ひたすら苦行の時間だった……。 自分より若い人と同年代の人だったことも辛いし、こうした考えの人が自分の住む町ですぐ近くに普通にいることをふいに実感させられると、凄くくらってしまう。
8 months ago
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ここ2週間ほど忙しくてSNSも新聞もほとんど開けなかったのですが、その間に地元でヘイトスピーチが行われたことを今頃知ってショックを受けている……。地元ニュース・新聞が報じてないことにも。 3月初めに民団の建物に車が故意に突っ込んだなんて事件は今日の今日まで知らなかったし、ヘイトクライムを報道しないことが信じられない。
9 months ago
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妹に対しては本当〜に激務お疲れさまでしたという気持ちしかないけれど、しかし「7時半出勤で22時過ぎ帰宅の毎日、休みは月に4日間」という、誰かのサポートがなければ生活が到底立ち行かないような働き方を強いてくる妹の会社に対しては全く納得できない。 この数年間は、繁忙期の始まる冬が近づくと覿面に気持ちがふさいでくるのが自分でハッキリ分かるので怖くなる。 もちろん一番しんどいのは本人(妹)とはいえ、ケア側だって辛いし、こういう働き方がずっと変わらないのはおかしいよ……。
9 months ago
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繁忙期をやっと脱した妹から、2ヶ月間の食事と生活サポートのお礼とのことで、ミモザのクッキー缶をもらいました。アイシングが可愛い。今日のおやつに皆で分けた。
9 months ago
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