「……ンだこれは」
「僕からの気持ち」
「あ?」
「手渡すと毒味ってまず僕が食べさせられるってわかったから、もう僕が直接食べさせたらいいんじゃないかなって」
チョコを纏ったオレンジの菓子を素直に受け取らなかった報いがこれらしい。
「おいしいから食べてみて」
安全地帯だと教え込んだ外套の内側に自ら身を寄せて、無邪気に笑う幼い顔は変わらぬまま。離れていかなければいいのにと添えた右手の指先は、随分逞しくなった左肩を撫でるに留めた。
コイツがいつでも、自由に、飛び立てるよう。
歯を立てれば溢れ出る。甘さしか感じられない果汁にほろ苦いカカオの味が混ざった。
「甘すぎ」
俺も、テメェも。互いに。ずっと。
22 days ago