静謐な空気が横たわる夜闇の中、降り注ぐ月の光を道標に宛ても無く歩き続ける。
髪を揺らす程度の優しい風が頬を撫で、自然に息づく者達の声が時折鼓膜を揺らしていく。
命は巡る。
どんな命も、いずれは星の海へと流れ着く。
(……ヴェーネス)
月の監視者の言う通り、彼女の魂は還ることなくこの世界を巡り続けるのだろう。
もしかしたら、今もわたしをーー皆を見守り続けているのかもしれない。
(見ていてね)
彼女が待ち望んだ願いの先を、わたしは今日も生きていく。
古代に生きた人々を懐かしみながら、ただ未来へと進んでいくのだ。
(雰囲気だけのお話)
almost 2 years ago