がんちゃん
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大阪府在住のおじさんです。 散歩、写真、読書が好きで、大阪、京都、奈良をうろついてます。
【読んだ本】降りる人(木野寿彦/KADOKAWA) 人間関係に疲れ仕事を辞めた宮田は、友人に誘われ期間工として工場で働くことにする。友人によれば、期間工とは「人間だとは思われない、ほとんど透明」な仕事とのこと。 生きづらさを抱えながらも、日々を平穏に過ごそうとする宮田。そんな生活を必要以上に淡々と描くところが、読んでいて緊張感が高まる。不思議な感じが楽しめる。 ふと「土曜の夜と日曜の朝」を読み返したくなった。
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#yonda
about 19 hours ago
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【読んだ本】このノラ猫、幸せ調査員にて(伊兼源太郎/幻冬舎) 神様が幸せを分配するにあたり、誰に与えるかを調査する猫の物語。 真面目に生きてればいつかはきっと、神様は見ておられる。ということだが、実際はノラ猫の姿をした調査員が調べた結果を神様に報告しているという設定。 連作短編だが、読めば読むほど「しあわせ」が何かという課題にぶちあたる、というかなかなか皮肉のきいた物語。 お話のなかで最も幸せを謳歌してるのは、人間に姿を変えラーメンを食べ昼間からビールを飲む、この調査員としか思えない。
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#yonda
1 day ago
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【読んだ本】北は山、南は湖、西は道、東は川(クラスナホルカイ ラースロー/松籟社) 「源氏の孫君」が京阪電車に乗って七条から南に行き、何かを探して彷徨う物語(?) 少なくとも電車が走る時代とは思われるが、登場人物や所作はその昔を想起させ、読んでる側も時代を彷徨ってしまう。 なぜかハンガリーの作家が、京都を舞台に書いた小説で、日本の伝統芸能についても詳しく語られ、自分にはその前提知識のないことが悔しくもある。 作者は、京都に滞在していたことがあるようで、その時のことをもとに書いたとのこと。
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3 days ago
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【読んだ本】最後のあいさつ(阿津川辰海/光文社) 面白くて一気に読んでしまった。冒頭で心つかまれてしまい、結末が知りたくて読まざるを得ない感じ、ずるいというかうまいと思う。 30年以上前の人気刑事ドラマで刑事役をしていた俳優が妻殺しの容疑で逮捕される。人気ドラマ最終シリーズ最終回の直前のことで、その最終回は放送されず幻の最終回となってしまう。 後に裁判で俳優は無罪を勝ち取るが、疑いが完全に晴れたわけではない。そんななか再び事件が起こり、ノンフィクション作家が過去の事件から調べなおすことになる。 癖強の登場人物に少しやられるが、それでも面白かった。
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4 days ago
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【読んだ本】その〈男らしさ〉はどこからきたの? 広告で読み解く「デキる男」の現在地(小林美香/朝日新聞出版) 過去からのCM、ポスターなどに描かれてる男性像を並べ、どういう「男らしさ」を演出しているのかを紐解いていく。その時その時の時代背景などが現れていることが明確になりとても面白い。タイトルの『そこからきたの』は、そういう時代背景など男性像がそうなる理由を探ってると理解した。最初は、勘違いしている男を批判してるのかと少しビビって読みだした。
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6 days ago
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【読んだ本】水は動かず芹の中(中島京子/新潮社) スランプになった作家が旅に出ようと唐津を訪れ陶芸体験をしようとする。道に迷ってしまい違う陶芸家のところにいきつき、そこで不思議な昔話を聞くことになる。 水神と呼ばれる不思議な存在が、秀吉の朝鮮出兵を止めようとするお話。最初は何の話が始まったのかと少し戸惑ったが、そのまま読み進めるうちに惹きこまれていった。 水神という不思議な存在、有名な戦国武将たち、そして焼き物のはなしと妙にお話がつながっていく。読み終わっても理解できたとはいいがたいが、お話の中の世界を楽しむことはできた。
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7 days ago
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【読んだ本】百日と無限の夜(谷崎由依/集英社) 切迫早産で緊急入院した「わたし」、3か月は入院しないといけないといわれる。そんな入院生活の中で、時代を超え場所を超え幻想的な叙述が繰り広げられる。 男の私には妊娠・出産の苦労はそもそも分からないが、現実と幻想が入り混じるお話に降参。
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#yonda
8 days ago
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【読んだ本】最悪の相棒(伏尾美紀/講談社) 因縁ある二人の刑事がバディを組み捜査に当たる。担当する事件が次々とつながっていく様と、二人の過去を徐々に描くのが交互に語られ、妙にリズミカルに楽しめる。 先輩刑事である潮崎は姉が殺されてる。後輩の弘中は、そんな被害者家族を受け入れケアした元刑事の娘。被害者家族に寄り添いすぎて自分を亡くした父を見てきた弘中は、塩崎を快くは思っていない。 二人の葛藤とは関係なく容赦なく事件は発生し、操作しなくてはならない展開が続く緊張感が楽しめる。
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9 days ago
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【読んだ本】友だち以上超能力者未満(山本幸久/徳間書店) 悲しい気持ちになると週間移動してしまう誠、恋心を抱くと体が宙に浮いてしまう花奈、そんな二人がその特殊能力を隠しながら相手に近づこうとする少し変わった設定のラブ・コメディ。 特殊能力を前提としても、お話の展開に少し無理があるようにも思うが、気にせず楽しく読める。脇を固める登場人物も個性的で魅力的。
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10 days ago
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【読んだ本】キャベツ炒めに捧ぐ リターンズ(井上荒野/角川春樹事務所) 商店街で60代後半の女性3人がお惣菜屋さんをやってる。3人のここまでの人生はそれぞれだが、たまたま出会っての開業が続いている。 惣菜屋が舞台なだけに、毎回美味しそうなものが登場する短編集。大家の高齢化に伴うお店の立ち退き問題起こったり、少し不思議なジェントルマンが現れたりとお話が進んでいく。 今後がどうなるのか気になるので、ぜひ続編も期待。 気になるといえば、出てくる食材で食べたことのないものも多くとても気になる。なんて、本の感想としていいのか悪いのか。
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11 days ago
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【読んだ本】読めば分かるは当たり前? ――読解力の認知心理学(犬塚美輪/筑摩書房) 冒頭で、「この本を読んでも読解力はつかない」と明言されてて少し焦る。浅ましい気持ちが見透かされているよう。 この本で取り上げられてるのは、「読解力とは何か」ということ。その構造を順に紐解いていってる。 このことを深く理解すれば、分かりやすい文章や資料を作れるようになるかもしれないと感じた(実際には理解したうえで修業が必要だとは思う)
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13 days ago
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【読んだ本】オリエンド鈍行殺人事件(藤崎翔/ハーパーコリンズ・ジャパン) 短編5篇とショートショート5篇が代わり番こに並んでる短編集。 個人的には間に挟まるショートショートが、気が利いていて楽しめた。 短編の中で最も長い表題作は、ばかばかしさを追求した面白さ。よくぞこんな登場人物を集めたなと感心。 作者の小説は、常に本末転倒というか脇道にそれていく感じが持ち味かもしれない。
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#yonda
14 days ago
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【読んだ本】デモクラシーのいろは(森絵都/KADOKAWA) 600ページ超える大作で、タイトルみて読むのをやめようかと思ったが、読んでみれば一気に楽しく読めた。 戦後にGHQの肝いりで、若い女性を集めて民主主義を教えるという取り組みが開始される。教師役に選ばれた二世の米軍将校と教え子となる4人の女性、場所を提供する華族の奥様、などそれぞれの背景を引きずったままお話が進むのが面白い。 個人的な問題としては、読み終わっても「民主主義」が何かはさっぱりわからないこと。
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15 days ago
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【読んだ本】翠雨の人(伊与原新/新潮社) 実在の科学者を題材としその半生を描く。伝記に面白いものはないが伝記風でありながら読んでて面白いのはなぜか不思議(当たり前なのかもしれないが) 女性が十分な教育を受けられない時代から生き抜いてきた、ある意味たくましい女性を描いている。 ただ、読んでいて一番強く感じるのは、主人公の科学に対する真摯な姿勢。そこが一貫して描かれてると感じた。
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#yonda
16 days ago
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【読んだ本】ハレーション(森沢明夫/KADOKAWA) 森沢さんのお話は、なぜいつもこんなに胸を打つのか。つらいことも描かれるが、全体通じて結局は暖かな気持ちになれる、うますぎてずるいとしか言いようがない。 離島で育った同級生の拓海、風太、涼子、の3人。2人は島を出てばらばらになったが、それぞれの心に秘めた思いが交錯しながらお話が進む。 3人に絡む登場人物の魅力もさることながら、島の情景の描き方がすごいと思うし、単なる舞台設定ではなく主要な登場人物のようにも感じられる。 お話のあらすじなど書く必要もない、まずは読んでほしい。
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#yonda
17 days ago
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【読んだ本】スノードームの捨てかた(くどうれいん/講談社) なんか独特の世界観が漂う短編集。 6篇のお話とも、ちょっと変わった着眼点で、登場人物がみな少し変わったところに引っかかってる感じ。読んでいて、そんな感じが味わえた。 お話のストーリーがどうとか、結末がどうとかではなくて、そんな文章を味わうタイプと認識。
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#yonda
18 days ago
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【読んだ本】町の本屋はいかにしてつぶれてきたか: 知られざる戦後書店抗争史(飯田 一史/平凡社) 「町の本屋さん」が次々と姿を消している。ただ、それがどういう要因によるものかは深く考えたことがなかった。単に、ネットなど他のメディアが普及した影響で本が売れなくなってるからだと思ってた。 この本では、出版から本屋までの流通の問題など、過去からのデータをもとに解き明かしていく。そもそも本屋さんというのは元々もうからない構造になっていたのだと。 また、諸物が値上がりする中、単行本の値上げが比較的緩やかなのはありがたいと思っていたが、それも本屋を潰す原因になっていたとは。
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20 days ago
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【読んだ本】宙色のハレルヤ(窪美澄/文藝春秋) 変化球が続く感じの恋愛小説短編集。 最近の作者の小説は読むのが苦しくなるような、切ないというより救いがない行きどまり感を感じるものが多かった(あくまで私の感想) ここに集められたお話は、どれも報われないという意味では同じだけれど、登場人物が素直に自分の感情と向き合ってるところに惹かれる。 主人公たちは必死にもがいてるのだけど、文章のタッチは冷静というか、やや淡々としているところがよかったのかもしれない。
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21 days ago
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【読んだ本】真珠配列(岩井圭也/早川書房) 中国を舞台にした近未来ミステリ。 極端に進行が速い癌で有力者の息子が死亡した。調査すると同様の事例が他にもあることがわかる。連続殺人事件の可能性を刑事のアーロンが追う。 調査協力を依頼した遺伝子エンジニアのマリクがなかなかの曲者、二人の関係とその変化が楽しい。 最初は、どうして中国を舞台にするんだ登場人物の名前が分かりにくい、と戸惑ったが読み進めるうちに作者の意図が分かるような気もしてきた。 それにしてもこの作者はいろんなタイプのお話を書く。
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22 days ago
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【読んだ本】失われた貌(櫻田智也/新潮社) 身元が分からないように顔を潰され歯を抜かれ両手首を切り落とされた死体が見つかる。そんなおそろしい事件の捜査を軸にお話が進む。 同時に、不審者への目撃情報を提供したのに警察の対応が不十分との新聞への投書があったり、身元不明の死体が発見されたとの報道を見て「10年前に失踪した自分の父親ではないか」と警察に来る少年、などいくつかのお話が並行して語られる。 ミステリを読んだことがある人なら、まったく無関係のことをここまであれこれと書く訳がないとは思うが、どう繋がるのかが分からないまま一気にお話が進む。 とにかく面白い、読み切って満足。
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23 days ago
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【読んだ本】神さまショッピング(角田光代/新潮社) 「神様小説」って何だろうと思ったが、そんな短編が8篇。 神様に会いたい、願いをかなえたい、救いが欲しい、ときっかけは様々だけれど取りつかれたように旅に出る人たちを描いた短編集。 個人的には「聖なる濁った川」「モンゴルの蓋」の2篇がよかった。 神様への思いからの旅だが、その中で身近な人もしくは身近だった人への思いや関係が変わったり気づいたりしていく過程が描かれてるのがいい。 冷静に考えるとうすら寒い部分もあるが、少しシリアスで面白い。
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#yonda
24 days ago
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【読んだ本】おにたろかっぱ(戌井昭人/中央公論新社) 売れないミュージシャンの父と3歳のタロが繰り広げる旅が楽しい。父は最後のどさまわりと、九州から中国地方そして京都と出かけることにする。しかし、その直前に母が体調を崩し実家で静養することになり、タロは父の車に乗せられ一緒に「どさまわり」に行くことになる。 脳内の「おに」や「かっぱ」と会議として会話する少し変わった子供のタロが旅を通して大きく成長する。 そして何より、父が親として成長していく過程が楽しい。
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#yonda
25 days ago
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【読んだ本】「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか(三宅香帆/新潮社) 「話が面白い人」になるためのネタの仕入れ方としての、読書に限らず鑑賞のポイントを解説している。具体例をいくつも挙げて説明されてる。 読んでいて、なるほど参考になるなと思うこともあるが、この手の本を読んでる時点でダメかなと思う。 (著者をけなしてるわけではない)
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#yonda
27 days ago
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【読んだ本】きみは悪口を言わない(真下みこと/光文社) 小学生が主人公で、子供中心のお話だと思って読んだら、確かにその通りでもあるけど、結局のところ親や教師という大人の問題を描いたお話だった。 小3のあきらは、母親が「見守り隊」隊長として通学路に立つのが嫌で仕方ない。そんな中で通学中に事故が起こり、目を離したた母親のせいにされ、息子のあきらもクラスで孤立する。 あきらは子供なりに苦しみなんとか打開しようともがく姿が描かれ切なくも感動。 ただ、読み終わってからふと最初に書いたように、全部大人の問題やないか思ってしまう私も面白くない大人。
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#yonda
28 days ago
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【読んだ本】天上の火焰(遠田潤子/集英社) ジリジリと燃えるような父子関係を描いた物語。 備前焼で人間国宝の祖父、その息子で轆轤の名手と言われる父、早くに母を亡くした孫であり息子である城は、祖父と父の冷たい関係に心を痛めながら成長する。 ドキュメンタリ映画を撮る監督、城の幼馴染、と家族以外の登場人物が絡むことによって、いびつな親子関係が浮き彫りになっていく。お話が進むにつれ、過去のいきさつが徐々に明らかになっていく過程もスリリング。 少し長めだけれど、読みだすと一気。
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#yonda
29 days ago
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【読んだ本】エピクロスの処方箋(夏川草介/水鈴社) 凄い小説だと思う。 「幸福」という難解なテーマを描きながら、登場人物のキャラやお話の展開で面白い小説に仕立てられてる。高度な医療の現場でありながら「俗」な世界の要素も入ってる。いろんな要素を取り混ぜながら、娯楽小説としても面白い。 と、前作でも思ったことを改めて強く思う。 繰り返しになるが、多彩な登場人物が魅力だし、京都の美味しいお菓子があれこれ登場するのも楽しい。
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#yonda
30 days ago
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【読んだ本】みちゆくひと(彩瀬まる/講談社) とても不思議な物語、全体通じて暗くてゆるくお話が流れていく。 子供時代に弟を事故で亡くし、2年前父を亡くした燈子が、母の突然死に向き合う。母が一人暮らししていた部屋の片づけをする際に日記を見つけるが、なぜかそれが更新されていく。 死後の世界では、夜行と言われる行列で皆が進んでいる。その中で、母や父が現世を振り返り後悔をし燈子への思いを語る。結局のところ、すべては自分で受け入れ自分で決めなくてはいけないのだけど、そう簡単に割り切れず心が揺らぐ。 残された燈子がどうすればいいのか、心配になってしまう。
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#yonda
about 1 month ago
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【読んだ本】宇宙の片すみで眠る方法(畑野智美/ポプラ社) 婚約者を事故で亡くした依里は、ショックで眠れなくなるが寝具を新たにすることで回復する。その縁でデパートの寝具売り場で働くことになる。 眠りに関する悩みを抱えた人は、非常に多いらしい。日々、売り場にそんな悩みを抱えた人が来て、依里はまじめすぎるほどまじめにまっすぐに応対する。その結果、客の求めるものを安直に売らなかったり、勧めれば何でも買いそうなのに踏み込まなかったりと、営業成績は必ずしも良くはない。 素敵なのは、そんな依里をじっと見守る店長、余計なことは言わないが的確なアドバイスをする。
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#yonda
about 1 month ago
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【読んだ本】これからの建築 スケッチしながら考えた(光嶋裕介/ミシマ社)分類すれば「エッセイ」になるのかもしれないが、読みながら結構考えさせてくれる。 タイトルに『これからの建築』とあるが、自分の考えていた「建築」の枠組みからはかなりはみ出している。ひょっとすると専門家の間では当たり前の話で、私がものを知らないだけかもしれない。 「建築」は、空間をつくるのは当然として、そこに集う人(集団)、さらには社会をつくるというのは言い過ぎでも、その基礎になってるのは間違いない。 ひょっとすると、こんなことも専門家の間では常識なのかもしれない。
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#yonda
about 1 month ago
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【読んだ本】虚史のリズム(奥泉光/集英社) とにかく長い、1,000ページ超えてる、どうしようかと思ったけど読みだしたら続きが気になって最後まで読んでしまった。 ミステリーだと思って読んだのだけど、そんな簡単なお話ではなかった。戦後の混乱期の雰囲気がベースとなり、殺人事件が起こり、戦中の怪文書を追い、探偵に憧れる男がお話をまわす。 面白い要素はいっぱいあって楽しめたけど、全体通じて理解できたかというと無理だった。
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#yonda
about 1 month ago
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【読んだ本】書きかけの… ことばの岸辺で(松本隆/朝日新聞出版) 長年にわたり作詞家として活躍されてきてる著者が、日々思うことや思い出したことを綴ったエッセイ。新聞連載の単行本とのこと。 読んでいて面白いのだけど、いろんな曲や人を取り上げているけど、どれもあっさりしてるように思う。曲や歌手について、もっと踏み込んだエピソードを書いて欲しかったとも思うが、的外れな要望かもしれない。
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#yonda
about 1 month ago
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【読んだ本】小さな神のいるところ(梨木香歩/毎日新聞出版) 八ヶ岳に仕事場を持つ著者が、自然との関りを描くエッセイ。実に多様で興味深い植物や鳥などの生き物が登場する。題材は多岐に渡っていて飽きない。 何が自然で、何が人間の手が入ったものかの切り分けは難しいが、人間以外のものに対してフラットな目線で対しているところが、著者の小説につながる気がした。 個人的に一番興味深かったのが、飼っていたゴールデンレトリバーが鏡の中の飼い主(著者)と自分(ゴールデンレトリバー)を見て驚くところ。
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#yonda
about 1 month ago
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【読んだ本】おまえレベルの話はしてない(芦沢央/河出書房新社) 将棋の世界で、プロ棋士になった芝と、諦めた大島の二人の関係を、それぞれの視点から描く。 前半の<芝>は、奨励会を勝ち抜きプロ棋士となったが、最近は全く勝てない。同期がタイトルに挑むなど活躍する中辛い日々を送る。 後半の<大島>は、3段を前に諦め、東大に進学し弁護士となる。プロ棋士の夢はかなえられなかったが、社会的には成功している。 現在でも友人関係を続ける2人が、それぞれの視点で語るが、微妙にずれていてそこが面白い。 作者は、他の作品を読んでも思うが、なかなかに冷めた人間関係を描く。
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#yonda
about 1 month ago
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【読んだ本】黄土館の殺人(阿津川辰海/講談社) シリーズ3作目とは知らずにいきなり読んだが、関係なく楽しめた。 なかなか凝った構成のミステリーで謎解きの楽しみがある。「名探偵の存在意義」を問う部分もあって、これがシリーズを通したテーマらしい。 冒頭から「殺人犯」が登場して少し驚くが、土砂崩れで殺しに行けなくなる。また、呼ばれた探偵も同様に目的地に行けない中、殺人が行われていくという変わった構成。 前2作も、読んでみたいと思う。
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#yonda
about 1 month ago
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【読んだ本】版元番外地:〈共和国〉樹立篇(下平尾直/コトニ社) 一人出版社を立ち上げた著者が、設立してこの10年を振り返る。同様のことを考えてる人へのアドバイスやノウハウ提供とは少し違って、起業やその後の活動についての思いを語る。 脈絡なく次々と語られるし、当方に教養がないため出てくる著作に関してのイメージもつかみかねるが、それでも読んでいて面白いと感じられるから不思議。 本の内容そのものではないけれど、本の体裁というか、文章の配置・余白の取り方など、どうしてこんな風になってしまうのかと疑問。
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#yonda
about 1 month ago
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【読んだ本】ウクライナ わたしのことも思いだして: 戦地からの証言(ジョージ・バトラー/小学館) 戦時下のウクライナでのインタビューとスケッチがまとめられている。「戦地からの証言」とあるが、戦闘そのものを描くのではなく、戦士の家族 や 医師などの一般市民、戦地を離れてる戦士、などにインタビューしてる。 また、スケッチが多く収められてるが、写真とは違ってより著者の伝えたいことをストレートに訴えてるように思う。
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#yonda
about 1 month ago
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【読んだ本】不器用で(ニシダ/KADOKAWA) 直前に読んだ「本が読めない33歳が国語の~」の中で登場してたのを機会に読んでみた。作者はお笑い芸人らしいが、残念ながら知らなかったし作品を読むのも初めて。 読んでみて面白い、5篇からなる短編集だが、どの作品も精緻な描写でお話を積み上げていく感じ。文章を読むこと自体を楽しむことができる。 お話のパターンはいろいろだけど、すっきりと終わるわけではなく過程を切り出して読んでいるようでもある。
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#yonda
about 1 month ago
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【読んだ本】本が読めない33歳が国語の教科書を読む~やまなし・少年の日の思い出・山月記・枕草子(かまど, みくのしん/大和書房) 前作で初めて読書を経験した みくのしん が、さらに読書経験を拡げるために国語の教科書を読む。基本的な構成は前作と同じだけれど、意外と飽きずに楽しめた。 改めて考えてみると、みくのしん ぼ読書は読みながらその世界に深く入り込んでいることがわかる。文章が直接描く世界だけでなく背景までも感じ取っているよう。顧みて自分の読書が浅く流していないかと反省。
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#yonda
about 1 month ago
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【読んだ本】携帯遺産(鈴木結生/朝日新聞出版) 残念ながらあまりに未消化で楽しむことができなかった。私に、英文学の知識が欠けすぎてるのかもしれない。 自伝小説を書かないかと依頼された作家、自伝を書くには若すぎないかと余計なことを考えてしまったあたりから、お話に入り込めないままになってしまった。 前作『ゲーテはすべてを言った』は、分からないままにもそれなりに楽しめたが、今回はお手上げ。
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#yonda
about 1 month ago
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【読んだ本】イン・ザ・メガチャーチ(朝井リョウ/日経BP 日本経済新聞出版) 最近は、「現代」そのものを切り取って作品にしているような作者。今回は「推し」がテーマで、「推し」を作り出す人、「推す」人、「推し」てた人、たちに視点をあてて描く。 長いお話の割には一気に読める、特に後半は加速した感じがすごい。すごいとは思うが読み終わって少し疲れる。私が、「現代」そのものを突きつけられるのに耐えられないのかもしれない。
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#yonda
about 2 months ago
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【読んだ本】参拝したくなる! 日本の神様と神社の教科書(渋谷申博/ナツメ社) 同じ著者の「仏さまと仏像の教科書」を読んで気になったのでこちらも読んでみた。読んで感じたのは、神様や神社に関してあまりに何も知らなかったと気づいたこと。 お寺さんに関しては、仏像を見たりしてなんとなくわかっていたような気がしていたが、神様に関しては神像があることはあまりなく、どんな神様なのかもよく知らずに生きてきた。 そもそも、日本の神様 というのは宗教と呼んでいいのかも分からなくなってきた。他の宗教とは明らかに違うように思えてくる。
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#yonda
about 2 months ago
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【読んだ本】追憶の鑑定人(岩井圭也/KADOKAWA) 科捜研をやめ、民間鑑定人となった土門のもとに持ち込まれる事件を描く連作短編。 気難しくて独特の思考回路で、鑑定に関しては超一級というのはこれまで通りだが、学生時代の友人というのが順次登場していく展開が新しい。土門の人間味を表に出す意図なのかもしれない。 土門の鑑定をもとに事件を解決していく過程は相変わらず読んでいて楽しい。相手の感情も読んで対応するところもあるが、あくまで解決のための手段と割り切ってるのか、意外と処世にたけてるのか。
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#yonda
about 2 months ago
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【読んだ本】白魔の檻(山口未桜/東京創元社) 謎解きミステリとして、とても楽しく読んだ。 研修医とその先輩医師が実習先の山奥の病院にたどり着いた直後に、周囲が霧に覆われ病院が孤立してしまう。そんな中変死体が発見される。外部との出入りができない状況のため、犯人は必ず病院内にいることになる。 さらに直後に地震が起こり硫化水素ガスが病院に流れ込み、みなで上の階へと逃れることにするが、その最中にも殺人事件が起こる。殺人犯とともに閉じ込められる恐怖と、全員が硫化水素ガスにやられて死んでしまうかもしれない恐怖。
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#yonda
about 2 months ago
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【読んだ本】激しく煌めく短い命(綿矢りさ/文藝春秋) 毎回、すごいお話を書くようになってきていると実感。今回はかなり長い(634頁)が、さらっと書いているようですごみのある文章がそこら中にあるためか、意外と一気に読める。 今回は、出自や恋愛対象など世間からの偏見・差別もテーマとなりかなり重い内容。結末は、本当にこれでいいのかと心配するのは余計なお世話か。
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#yonda
about 2 months ago
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【読んだ本】されどめぐる季節のなかで(はらだみずき/新潮社) カフェを開いたものの、なかなかお客さんがこなくて苦戦中の真芽、打開策として自分で育てた野菜をつかったメニューを取り入れようとする。 カフェのお話のはずだけど、野菜作りがメインとなっていて、そのための試行錯誤が描かれる。友人や隣人を巻き込み、その過程を読むのはとても楽しい。 ちょっと理屈っぽいところもあるが、登場する食べ物はどれも美味しそう。 お話し的には次の展開がありそうで、続編も楽しみ。
#読了
#yonda
about 2 months ago
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【読んだ本】春の星を一緒に(藤岡陽子/小学館) 高校生の涼介を育てながら看護師として働くシングルマザーの奈緒。環境の変化もあり、東京の緩和ケア病棟で働くことにする。 緩和ケア病棟での描写はすさまじくリアルで残酷だけど、お話全体に漂う雰囲気がそれを緩和しているように思う。 奈緒が慕う医師の三上との関係は、大人の恋というよりは中学生のような微笑ましさ、息子の涼介はとてつもなく良い子で真面目、そんな人物たちのおかげで読み進むことができる。
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#yonda
about 2 months ago
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【読んだ本】エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える」技術(中野信子/日経BP) 京都人のいけずな物言いは、歴史的背景のある上品な「NO」の言い方だった、と脳科学者であり東京出身の著者は言う。外から客観的に見ているので、本質が分かるのかもしれない。 事例を挙げて具体的な言い回しまで解説されてるが、読めば読むほど自分には無理な気がしてくる。
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#yonda
about 2 months ago
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【読んだ本】すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー(新井素子,須賀しのぶ,椹野道流,竹岡葉月,青木祐子,深緑野分,辻村七子,人間六度/集英社) 「新井素子」という名前を見て、久しぶりに読んでみたくなった。 タイトル通り、食に関するSFが8篇、未来を描いたものが多いが、なぜかディストピア物が多いのが不思議。 個人的には、深緑野分の『石のスープ』が楽しめた。
#読了
#yonda
about 2 months ago
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【読んだ本】黙って喋って(ヒコロヒー/朝日新聞出版) 短めの恋愛小説が18篇、どれも恋人同士のとある局面をうまく切りだしている。失礼を承知で書いてしまうと、短めのお話 いわゆるショートショートというのは一発芸に似てるような気がする。 読みながら、そうだね と思ったり 自分とは違うな と思ったり。一発芸の問題点は飽きてしまうことだけれど、この作品集は多彩なケースを網羅していて見事。
#読了
#yonda
about 2 months ago
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【読んだ本】あなたが僕の父(小野寺史宜/双葉社) 実家のある館山を出て20年以上も東京で暮らす富生、久しぶりに戻った際に独り暮らしする父の様子が少しおかしいことに気づく。車にぶつけた跡があったり、物忘れがひどくなっていたり。 リモートワークを活用して実出社の頻度を減らせる会社の精度を活用し、実家に戻ることにする。 8年付き合ってきた恋人との今後、地元の友人と再会などが描かれるが、やはり老いた父との二人の関係が切ない。いろんなことをいつもあっさり目にさらりと書く作者(個人の感想)だけれども、読みごたえがあった。
#読了
#yonda
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