──心当たりは5つ
薄暗い、ほとんど光のない空間。
唯一ぼんやりと浮かび上がる淡い光の中に、
一人の少女が立っていた。
淡い褐色の長い髪が肩に落ち、制服の襟元に赤いラインが覗く。背負った黒いリュックが、彼女の細い肩を少しだけ強調している。
指を自分の顎に当て、わずかに首を傾げたその表情は、どこか退屈そうで、どこか楽しげだ。
黄金色の瞳が、暗闇の中で微かに輝いている。
……先輩だ。
私は小さく息を吞んで、声をかける。
「なにか……やりました?」
先輩は静かに微笑み、ごく軽い調子で答えた。
『さぁ、どれがそうなんだろうなって』
大抵の始まりは、いつもこんなだ。
3 days ago