『キング・ラット』チャイナ・ミエヴィル
#日本怪奇幻想読者クラブ
父親が殺されたことをきっかけにロンドンの地下世界へ潜り自らの生い立ちを知り仇敵である笛吹き男と対決するローファンタジー。
ミエヴィルの初長篇ですが後の作品で見られる要素が全て入っていた。
ファンタジーの保守性を自覚した上でファンタジー的クリシェを左翼的にアレンジして真の現代ファンタジーを作ろうという試みが素晴らしすぎる。
テーマ的にもアートの商業性とそこに回収されないプリミティブさの対立の中でメロディを使って支配を試みる資本家的笛吹き男に対してクラブミュージックの本質であるベースラインで対抗するラストがめちゃくちゃ良い。
5 months ago