本日読んだ本
高島俊男『中国の大盗賊・完全版』(講談社現代新書)2004
泥棒や盗人とは違う、怪盗とはもちろんまるで無関係な、私的武装して掠奪をくり返す集団である盗賊。
この盗賊を、実は毛沢東以降の中華人民共和国は、農民階級を貴族階級より解放した革命的な戦士の先達である英雄として讃えている。
漢の初代皇帝劉邦、明の朱元璋、その明を滅ぼした李自成、太平天国の洪秀全といった過去の盗賊を紹介するなかで、そこに連なる一人として毛沢東も加えていきます。
中国の共産主義は、こうした盗賊的な価値観から形成されるものであり、マルクス主義を土台としていないという点をわかりやすく指摘しているのはとても貴重です。
2 months ago