たとえば取り調べに関するルールや、罪の償い方について「悪人であるから」という前提をおく、それ自体がいわば「人間が観測手段の限界を飛び越えて事実を知りうる」という妄想に支えられた考え方なわけですが、実際には人間は人間の持ちうる観測手段の範囲でしか判断できないわけで、そこには必ず誤りが含まれ、しかもそれは「どの判断が誤りであったか」個別に確認できるとは限らないわけです。「誤りがあることがわかる」「どれが誤りかわかる」「誤りを正せる」はすべて別の話なのですから。これは少し前だと検査薬の話でも勘違いが多くみられた気がします。人は神(全知全能の存在)の視点を持てない、という当たり前の話なのですが。
3 months ago