#laz50n_c
【や/グラジパ?妖怪パロ】
「やっとうは出来なさるんで?」
腰の曲がった老人に問われ、僧侶笠を被った男は、左耳の飾りをちりりと涼やかな音で揺らした。
「元は賞金稼ぎでな。剣には覚えがある。血生臭い罰当たりな坊主よ」
「それはそれは…お坊様は、ここの鬼と相性がきっと良うござんすね」
「相性?」
「へェ、ここの山に巣食う鬼はお侍ばかりを狙いましてなァ」
「侍は負けるのか」
「左様で」
「では、おれが斬ってこよう」
山道へと足を踏み入れた僧侶を、老人は黙って見送った。
如何程歩いただろうか。ふと、獣の唸り声が聞こえた。僧侶は刀に手を添え辺りを見回す。藪の奥に大きな岩がある。
1 day ago