ツキシマが先に亡くなる世界線で、ツキシマ似の犬を拾うコイト閣下の話。49日を終えた後、どこからか薄汚れた犬がコイト閣下の邸に迷い込んできた。痩せた犬を見て閣下は可哀想にと餌をあげる。ツキシマがいたら小言を言われるだろうな、と右腕の姿を思い出してしんみりする閣下。そんな閣下の膝に手を乗せて慰めるように「ムン」と鳴く犬。まるでツキシマみたいだなお前は。と閣下は犬を飼うことを決めた。よくよく見るとツキシマに似ているような気がする。お前は今日から犬島だ。と安直な名前をつける閣下。しかし犬島はそこ名前を気に入ったようで閣下が犬島と呼ぶたび、ムンと応えた。
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