50話後、遊歴を終え雲深不知処へ戻った魏嬰は、静室へ通され懐かしくも変わらない部屋の中を見回す
左には優しく火が揺れる囲炉裏の炭に鉄瓶。正面には梅が生けられた藍湛の文机。右には……
「ぁ…。ご、ごめん!無神経に来たりして…。幸せになれよ」
来たばかりの魏嬰は座ることも、荷を下ろすこともなく静室を飛び出してしまった
「魏嬰!」
呼び止めるも脱兎の如く走って扁額を潜ってしまう。それを家規に反しない程度の速さで追いかける藍湛。しかし当然、走っている者に追いつくはずもなく…
「お暇します」
「今来たばかりではないか」
松風水月にて、つい今し方世話になると挨拶に訪れた魏嬰唯ならぬ様子で今度は暇を告げに
about 2 months ago