秋月ムロ
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映画や読書の感想文を書きます。 note |
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上橋菜穂子,津田篤太郎『ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話』文春文庫 AIや蓑虫の生態などとの比較をしながら、生物としての人間の生や死に関する意味を解きほぐしていく二人の対話。とてもハッとさせられる言葉が多く、深々と身に沁みる読書体験であった。 生という無限性、そして死という有限性のそれぞれを認識する人間は、だからこそ「物語」を作ることができるのかもしれない。
#読書記録
7 days ago
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レム・コールハース『S,M,L,XL+ 現代都市をめぐるエッセイ』ちくま学芸文庫 原著を大学の図書館で読んだのは10年前。その直後に邦訳がようやく出版されて手にしたのも10年前。久しぶりに10年経てレムの思想に触れたが、書題名の通り様々なスケールや視点で描かれる建築と都市に関する論考は書かれた30年前から力を未だに持っているように思える。つまり、時すらも超えているのだ。 原著も久しぶりに読みたいが、手に入れづらい…?
#読書記録
14 days ago
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坂牛卓『教養としての建築入門 見方、作り方、活かし方』中公新書 建築家である著者が、建築(および建築学)を副題の三つの視点で、建築を専門としない人に向けた新書。しかし、建築の初学者(建築学科一二年生)や、専門家のスタートに立ち返るための論旨としても機能しているように思える。 建築を学んでいた私にとって、一から学び直す良い機会になった。 また、内容とは別に、本書の構成(章立てや文体)に建築家っぽさを感じたのは面白い。
#読書記録
25 days ago
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宇野常寛『ラーメンと瞑想』ホーム社 著者と著者の友人であるTさんが食と瞑想を通じて「都市に生きる」過程を描くエッセイ。 個人的な話だが、高田馬場で働いていた期間があり、本書で登場する飲食店をいくつか知っていたが、どこも入ったことがなかった。そもそも当時通っていた高田馬場の飲食店はどこも潰れてしまった。著者やTさんのようにいかに自分が食に本気じゃなかったのか、そして都市に・生きることに集中していなかったのかにも気づいた。 今の職場では、付近の食を開拓したいが、辺鄙なところで、マクドナルドしか選択肢がないことに絶望している。
#読書記録
30 days ago
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村田沙耶香『世界99』集英社 帯に書かれているように、ピョコルンという人間の"機能"を代替する生き物が造られた世界はどうなるのかという思考実験であり、この世界に生まれてこなくて良かったぁと思うほどのディストピアが拡がる。 しかし、そう思ったと同時に、私の生きる世界が本当に世界99やピョコルンがいない世界なのか?と、完全な否定を出来ないことに気付き、吐き気を覚えてしまう。 それほどに、ここで描かれる物語はグロテスクなのである。
#読書記録
30 days ago
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『中央公論 令和7年9月号』中央公論新社 特集「戦後80年「終戦」の真実」では、主に当時の日本政府がどう終戦に向けて動いていたか政治的な動向を丁寧にかつ様々な視点で読み解かれる。一撃講和論とソ連頼みになっていたことが挙げられる。 また、第二特集の「自分史を書く、先祖をたどる」も面白かった。 歴史は国や組織だけでなく、個人の歴史にも面白さや意義は隠されている。こんな自分にも歴史があるということを再認識させてくれる一冊であった。
#読書記録
about 1 month ago
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長谷正人『ベンヤミンの映画俳優論 複製芸術論文を読み直す』岩波書店 著者は複製芸術論文を第一(基本概念)、第二(映画俳優論)、第三(映画観客論)セクションに切り分けた上で「スマートフォンの普及によって、カメラの前で演じるという映画俳優的な経験の大衆化が起きている現代においては、第二セクションの意義についてこそ再考されるべきだと考えられる。」(p72)と述べる。本書は複製芸術論文を現代批評としてアップデートし、とても分かりやすく解説する試みでもある。 私も観客論の文脈で読んでいた節がある。スクリーン(観客)だけでなく、カメラ(俳優)の視点で、映画と場所の考察を進めていきたい
#読書記録
about 1 month ago
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田中輝美『関係人口の時代 「観光以上、定住未満」で地域とつながる』中公新書 関係人口についての入門書として分かりやすく、かつ人口減少の日本社会への提言書でもある。 個人的な話だが、関係人口という言葉が拡がり始めた約十年前に地域に入って活動していた時期がある。「関係人口」というグループや人は存在せず、具体的で固有の名前を持っているということだ。本書でも具体的な地域と団体名や制度名が多く登場するのはそれを示唆されているのだと思う。 また、本書の議題とは異なるかもしれないが、東京の"郊外"住みの私にとって、「都市(東京)ー地域」という対軸構造をどう受け取ればいいのか、モヤモヤする
#読書記録
about 1 month ago
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『「核抑止論」の虚構』豊下楢彦,集英社新書 核保有国は「狂気」という論理のもと、「核抑止」を機能させ、「核の傘」も含めたそれらの「虚構」について本書では論じていく。 「これまで、核抑止力の重要性を主張する考え方を「現実主義」、核の廃絶を訴える考え方を「理想(空想)主義」と対比して論じられてきたが、本書での検討を踏まえるならば、正しくは「狂気」と「文明」の対比として捉えるべきである。」p301-302 人類社会がこの「狂気」に振り回されていないことはかつてあったのだろうか。またはそういった未来は来るのだろうか。もし来た時に人類は生存しているのだろうか。そんなことを思うこの頃。
#読書記録
about 1 month ago
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『ネットはなぜいつも揉めているのか』津田正太郎, ちくまプリマー新書 ソーシャルメディア(とくにX)での”揉めごと”は、当事者でなくても目にするだけで心を削られることがある。本書は、そうした現象の背景を、社会論のさまざまな視点から丁寧に読み解いている。 ソーシャルメディアに見られる分断・個人化・シニシズムが、現実の世界や空間・場所にどのように表れるのかに私は関心がある。具体的には政治を思い浮かべるが、アメリカに比べると日本はまだ「マシ」に見える。それは、本書で述べられる「不寛容な寛容社会」という日本的な特質ゆえかもしれない。 「誰も言えない」自分の一日を大切にしていきたい。
#読書記録
about 2 months ago
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『休養学』片野秀樹,東洋経済新報社 "休む"は簡単なようで、つい経験的・暗黙的に考えてしまうが、科学的・医学的に捉え直すと、自分の生活における改善点が見えてくる。 特に、活動→疲労→休養→活力→活動…といった"活力"を加えた休養サイクルは、本書の最も重要な部分かもしれない。 また、「疲労したから休むのではなく、疲労しそうだから先に休んでおく」(p192)というのは目から鱗。土曜日を週のはじまりと捉えてみよう。
#読書記録
about 2 months ago
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『Newton 2025年10月号』 海洋大の中村准教授の鯨研究は特に面白かった。クジラヒゲの隙間からしかみつかっていない生き物がいるというのは驚き。 他には、都市をまるごとデジタルツインとして再現する取組(バーチャル・シンガポール)も大変興味深い。建築のBIMも含めて、災害対策に役立つであろうと思う一方で、「日本建築ビジュアルガイド」で紹介される唐招提寺金堂といった伝統的な構造から学ぶこともとても多い。
#読書記録
about 2 months ago
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『ハンナ・アーレント 屹立する思考の全貌』森分大輔,ちくま新書 アーレント研究に向けて。 時系列順に著作の分析を行いながらアーレントの政治思想や哲学を入門的に取り扱う。全ての著作を取り上げているわけではないが、各分析が分かりやすく学びになった。 世界には「リンゴ」のように手に触れられるものだけでなく、音楽、あるいは海上の風のごとく急襲する「悲しみ」、また、それに彩られた他者の「物語」が実在する。「思考」は、そうした「不可視なものを「現象」へと移すことのできる道具」である。(p258より)
#読書記録
about 2 months ago
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『フランクフルト学派 ホルクハイマー、アドルノから21世紀の「批判理論」へ』細見和之,中公新書 ドイツから発せられた思想に惹かれてきた自分にとって、ベンヤミンやクラカウアー、アーレントを含むフランクフルト学派は自然と繋がっている存在だと感じた。 哲学や思想は難解に見えても、実は日常の小さな経験から立ち上がる。本書を通じてその近さを実感する一方で、アドルノら第一世代が生きた時代を本当に理解するのは容易ではないとも思った。だからこそ、その思想に少しでも近づこうとする姿勢が、現代を生きる自分にとって重要なのだと感じる。
#読書記録
about 2 months ago
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『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬,早川書房 撃つべき「敵」とは何か。ひたすらにそれを問いかけてくる戦争小説。 現在、ロシアとウクライナは、両者とも相手を「ナチス」というレトリックをもってその正当性を主張している。つまり、歴史的記憶としての「ナチス」が、現在もなお強力なナラティブになっていることを、本作はあらためて考えさせる契機となった。
#読書記録
2 months ago
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『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』 ギャラクタスを人型で描いた挑戦が評価できる一方で、キャラクター描写や世界観の統合に対しての挑戦はない。 MCUにおける臨界点を示す作品である。
#映画感想文
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『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』アメコミ表現と映像化の臨界点【映画感想文】|秋月ムロ
シルバー・サーファー、ドクター・ドゥーム、ハービーはコミックの中でも最も好きなキャラクターなんです。 宇宙でのミッション中のアクシデントで、特殊な能力を得てしまった4人の宇宙飛行士。天才科学者であり、チームのリーダー、リード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティック(ペドロ・パスカル)は、身体がゴムのように伸縮自在となる能力と卓越した知性と発明の才能を持つ、チームのリーダー的な存在。リードのパ...
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2 months ago
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『21世紀を生きる現代人のための哲学入門2.0:現代人の抱えるモヤモヤ、もしも哲学者にディベートでぶつけたらどうなる?』富増章成,2023 最近、哲学に関係する本を読むようになって、哲学の歴史的な繋がりに躓くことが多いので、俯瞰的に学ぶために読んでみた。ディベート形式で、現代の悩みから様々な哲学者の思想を学ぶことが出来て、読みやすく面白かった。著者の東洋哲学の本も面白そうなので、機会を見て読んでみたい。
#読書記録
2 months ago
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『現代民主主義 指導者論から熟議、ポピュリズムまで』山本圭,中公新書 自分(現在の日本で生まれ育った私)の「民主主義」という漠然としたワードは解体され、鳥瞰的に「民主主義」を捉え直す。終章でも書かれているように、選挙を中心にどうしても考えてしまうことに疑問を抱いていたので、改めて政治というものに自分がどう向き合っていくかいい機会になりそうだ。 民主主義って200色あんねん。
#読書記録
2 months ago
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『ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』鶴見太郎,中公新書 勝手なイメージの解体に歴史の役割がある。例えば、キリスト教との親和性・イスラム教との対立はこの百数十年で築かれたイメージで、むしろイスラム教の方が親和性は高かった。 ウクライナ(ゼレンスキーもユダヤ人)が、ロシアに対するプロパガンダとして、ホロコーストを「利用」していることは『ゲンロン16』で指摘があったが、ユダヤ人をイメージとして語ることに一定の危険性がある。 筆者はこれを「主体か構造か」と述べる。
#読書記録
2 months ago
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『原子爆弾〈新装改訂版〉核分裂の発見から、マンハッタン計画、投下まで』山田克哉,ブルーバックス ノーベル賞受賞者(およびそれに準ずる科学者)が次々に登場し、基礎理論も丁寧に解説されている。納得のページ数である。 副題にある通り、核分裂の発見は1938年。トリニティ実験、そして広島・長崎への投下は1945年。わずか7年足らずの間に、人類は原子爆弾という兵器をつくりあげてしまった。 改めて「戦争」というものが、いかに科学進歩加速させるのかを実感した。
#読書記録
2 months ago
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「80年前でこのような被害だったので、今はもっとひどい被害になると思うんですよね」 記録・歴史に残して現代に繋げる意味が込められた言葉だなと思う。
youtu.be/WlkrwA3EDSg?...
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【原爆投下80年】あの日の無残……被爆者の記憶を17歳が絵に 世界に伝えたい
YouTube video by BBC News Japan
https://youtu.be/WlkrwA3EDSg?si=xaYfDVg57VSTCe7V
3 months ago
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本を買ったことに安心して読まなくなる。これは、積読の内に潜む罪悪感の正体ではないか。 あえて買わずに、貸出期限のある図書館で借りて読む。自分がその期間中に読むことができる冊数を次第に把握できるようになる。 本を返したあと、それでもなお、持っておきたい本を購入する。所有する。
3 months ago
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映画感想文
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『スーパーマン』スーパーとは何かを問う物語【映画感想文】|秋月ムロ
こそこそ影で付き合ってる人って、周りからはバレバレだよね 大手メディア「デイリー・プラネット」で平凡に働くクラーク・ケント、彼の本当の正体は人々を守るヒーロー「スーパーマン」。 子どもも大人も、愛する地球で生きるすべての人を守り救うため、日々戦うスーパーマンは、誰からも愛される存在。 そんな中、彼を地球の脅威とみなし暗躍する、最高の頭脳を持つ宿敵=天才科学者して大富豪、レックス・ルーサーの世界...
https://note.com/autumoon_movie/n/n4bc9e6392b18
3 months ago
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『アイアンハート』未成熟で未完成な責任【映画感想文】|秋月ムロ @akitsukimr
#映画感想文
4 months ago
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生成AIは、0→1ではなく、1→10に拡げるのが得意。 しかも進化すると、1→10000にするだけでなく、0.00001→10もできるようになっていくのではないか。 微細な兆候を、意味あるかたちに展開する力こそが、AIの本質的な進歩かもしれない。
4 months ago
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