フィリップ・アリエス『死を前にした人間』を読んだ。みすず書房のサイズで二段組550頁、文字も小さく、とにかく大部で読むのに時間を要した。膨大な資料の分析を元にこの分量で叙述される「死に対する認識と態度」の歴史は気が遠くなるほどの細やかさ、言葉の尽くされ方も研究向きかもしれない。
現代の一般的な死に対する意識はまったく普遍的ではなく、長い西欧の歴史の中で何度かの大きな変化があったという著者の主張はいまだ新鮮で驚きがあり、自分の死生観を見つめ直さざるを得ない。加えて歴史学的な分析の過程、視点と手際を味わう面白さ。呆れるほどの仕事量と内容密度に感動すら覚える。
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