「お前もそうだった」
すぐにそう返した魔王にイオンは虚を突かれたような表情をみせ、うつむき隣に腰を下ろした。
「僕が勇者になったのはアンタのせいです。また会うためにはそうするしかなかった……なのに、また失った」
初めて会ったイオンは幼く、人間を憎んでいた。そして、城で再会を果たした時、成長した彼は人間を助ける勇者になっていた。
「まさか城に攻め込んできた一行の中に、見知った顔があるとはな」
「アンタとまた会えて、また失って、どうすればいいのかまた考えて。それでやっと気付いたんです」
イオンはうつむいていた顔を上げ、魔王の右袖をぎゅっと握りしめてくる。
必死に縋る瞳は複雑な感情を思い出させた。
16 days ago